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まぶたの裏の色で健康チェック!【白い時は貧血を疑って】

<監修医師 豊田早苗>

だるい

病院に行くと、医師に下まぶたを見られることがあります。まぶたの下を見て何がわかるのでしょう?まぶたの裏の色と貧血の関係など詳しく解説していきます。

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まぶたの裏と白目の色で健康チェックできる

 

鏡を見ると、白目は自然とみることができるので何となく目が充血してるなあ。などと感じることがあると思います。

 

白目が赤くなっている時は、眼の表面の血管が破れることで起こる「結膜下出血」やかゆみを伴う場合には「結膜炎」などが考えられますが、寝不足や目を酷使したときにも表れるため、原因は様々です。

 

中には、白目が黄色くなっていることで心配になる場合もあります。白目全体が黄色くなっている場合は「黄疸」である可能性があります。

 

肝臓や胆道系に問題がある場合があるので、至急受診するようにしましょう。

 

白目の一部に黄色いシミのようなものができることがあります。これは加齢によって脂肪の一部が溜まった状態であるため、大きな心配はないでしょう。

 

眼を見るときに、黒目の周りに白い輪ができているのに驚くこともあります。黒目の周りを半円であったり一周する白い輪は「老人輪」と呼ばれるものです。これも、加齢によるものであり病気ではありません。

 

そして、眼をチェックするときに下まぶたを下げて「あっかんべー」をしてみてください。キレイなピンク色をしていれば、健康な証拠です。

 

下まぶたが充血しているような赤さであれば、ストレスがかかりすぎているのかもしれません。ストレスが多くなると、酸素を運ぶ赤血球が増えるため赤みが増します。

 

では、白っぽい場合はどうでしょう。先ほどの赤い場合とは逆で、赤血球が足りていない場合に白っぽくなります。つまり、貧血です。

 

女性の場合は生理の後に一時的に貧血気味になり白くなる人もいます。月経周期に関係なく白い場合は受診してみましょう。

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まぶたの裏が白いのは貧血のサイン。そもそも貧血とは

 

血液の中には、赤血球白血球・血小板など様々なものが含まれておりそれが全身を流れています。

 

ウイルスなどと闘う白血球、血を止める働きを持つ血小板はよく知られているかもしれません。では、赤血球はどのようなものなのでしょう。

 

赤血球は血液のなかの約半分を占めており、哺乳類は骨髄の中で作られます。赤血球のなかで最も大きな役割をもっているのが「ヘモグロビン」です。

 

貧血とは血液検査によって、赤血球や血中ヘモグロビン濃度が基準値より低い場合をいいます。

 

特別な血液検査ではなく、一般の健康診断や人間ドッグなどでも行う血球検査で分かります。

 

ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ役割を持っているため、ヘモグロビンの濃度が低くなると運ばれる酸素の量が減り、全身で酸素不足が起こります。

 

それを何とかしようと心拍数を増やして補おうとするため、動悸や息切れなどが症状として出現します。

 

貧血は一般的に女性のほうが多くみられます。そのため、基準値も女性と男性では異なります。貧血が女性に多いのには理由があります。

 

一つは「男性ホルモン」です。男性ホルモンは赤血球を作るのを促すために必要なホルモンです。そのため、分泌の少ない女性は赤血球が男性より少ない傾向にあります。

 

そして、二つ目は「月経」です。女性は毎月月経により出血します。作られる量よりも出ていく量が多いと貧血になるのは当然のことと言えるでしょう。

 

また、ダイエットなどで食事量が減るなどすると鉄分不足になり貧血になりやすくなります。

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侮れない貧血には5つの種類がある

 

貧血と一言で言っても、様々な種類があることをご存じでしょうか。貧血の種類によって原因は様々です。ここでは、貧血の種類について詳しく解説していきます。

 

鉄欠乏性貧血

貧血のなかでは最もメジャーな貧血の種類と言えます。病気の名前の通りで、体内の鉄分が不足することで起こります。

 

鉄分が不足すると、ヘモグロビンの作られる量が減るため全身に酸素を送る力が弱くなります。ダイエットなどで食事制限をしていたり、好き嫌いなどで栄養が偏っている場合には鉄分が不足しやすくなります。

 

そして、女性は月経によって出血があるため体内の鉄分量のバランスが取れていない場合に起こりやすい貧血です。男性や閉経後の女性で鉄欠乏性貧血となる場合には消化管からの出血などが考えられます。

 

鉄欠乏性貧血は鉄分を補充し、しっかり治療を受ければ治すことができる貧血です。もちろん、貧血になる要因も排除しなければならないため必ず受診するようにしましょう。

 

再生不良性貧血

血液は骨髄でつくられます。骨髄には血液のもとである「造血幹細胞」があり、これによって血液が出来るのです。

 

しかし、再生不良性貧血ではこの造血幹細胞が作られず減少してしまうため、赤血球のみならず、すべての血球が減少してしまいます

 

そのため、血小板が減少することで出血しやすくなったり血が止まりにくくなることがあり、白血球が減少することで免疫力が低下しやすく、風邪などのかかりやすくなります。

 

そして、赤血球も減少するため必然的にヘモグロビン量も低下し貧血となるのです。

 

遺伝子の異常により先天性の再生不良性貧血の人もいますが、数は少なくほとんどが後天性再生不良性貧血です。原因は分かっておらず、感染症や薬剤などが引き金になることもあるようです。

 

症状によって治療法も異なりますが、基本的には免疫抑制剤輸血などが行われ状態によっては骨髄移植が行われることもあります。

 

巨赤芽球性貧血

赤芽球とは、赤血球の元になる未熟な細胞です。

 

巨赤芽球性貧血は、血液をつくる過程の細胞分裂がうまくできないために、この赤芽球が大きくなってしまう病気で、骨髄で血液を作ることはできますが赤血球になる前に壊れてしまうために貧血が起こります。

 

これを「無効造血」と言います。赤血球だけでなく他の血球でも同じことが起こるため、白血球や血小板も減少します。

 

巨赤芽球性貧血の原因はいくつかありますが、中でもビタミンB12や葉酸の摂取不足吸収障害などが関係しているといわれています。

 

葉酸は体内に貯めておくことができないため日々摂取しておく必要があり、ビタミンB12は小腸で吸収されるため消化器系の手術をした方などでは吸収が阻害されやすくなります。

 

ビタミンB12は肝臓に貯蔵されているためすぐに症状がでないことが多く、胃の摘出手術を受けた方が術後5~7年経過したのちに貧血となることがあります。これはビタミンB12の欠乏が原因で「悪性貧血」とも言われます。

 

吸収障害の場合には、それらを補充していく治療を行います。

 

溶血性貧血

赤血球の寿命は通常120日前後です。しかし、溶血性貧血では赤血球の寿命が12~20日程度と極端に短くなってしまいます。それによって、ヘモグロビンが流出してしまい貧血となるのです。

 

溶血性貧血では通常の貧血の症状のほかに黄疸がでることがあります。これは、赤血球が早くに壊れることで流出したヘモグロビンがビリルビンとなり色素沈着を起こすためと言われています。

 

溶血性貧血では長く症状が続くほど黄疸はでやすくなり、他にも尿が赤っぽくなることもあります。

 

先天性と後天性にわかれますが、後天性の場合が多く自己免疫疾患の一つになります。症状が軽ければ、治療をせずに様子をみることもありますが、ステロイドなどの薬物療法を行うこともあります。

 

続発性貧血

続発性貧血は骨髄や赤血球など血液自体には問題がなく、他の病気によって貧血が引き起こされるものをいいます。

 

がんなどの悪性腫瘍や腎臓病や慢性的な感染症や炎症がおきている場合など、多岐に渡ります。

 

基本的には原疾患の治療が優先されます。貧血には他の病気が隠されていることもあるのです。

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もしかして貧血?主な5つの症状を確認

 

貧血による症状は様々です。ここでは、貧血によって生じる代表的な症状について解説していきます。

 

動悸・息切れ

全身に酸素を送る役割を持っているのは赤血球に含まれるヘモグロビンです。貧血になるとこのヘモグロビン濃度が低下するため、全身に送られる酸素の量も少なくなってしまいます。

 

つまり、全身が酸欠状態ということになります。そのため、体は酸素を何とかして送ろうと心拍数を増やして血液を送ります。それにより、心臓に負荷がかかり動悸や息切れなどの症状を起こすのです。

 

貧血の程度によっては、横になっていても動悸が起きたり体を起こしただけでも息切れがすることもあります。

 

めまい・立ちくらみ

これも、酸欠状態が原因となります。特に、脳への酸素が十分でない場合にはめまいや立ちくらみを起こしやすくなります。

 

しかし、めまいや立ちくらみは貧血だけでなく血圧が関係していることが多くあります

 

急に立ち上がった時や、長時間立っているときに目の前が白くなったり暗くなったりして立っていられなくなることがある場合は、「起立性低血圧」と呼ばれる状態かもしれません。

 

低血圧の状態は全身を流れる血液の勢いがゆっくりになっている状態であるため、脳まで血液が十分に届いていない可能性があります。

 

つまり、酸素を含む血液が脳に届いていないため脳が酸欠を起こしてしまうのです。

 

めまいや立ちくらみは貧血でも、起立性低血圧でも症状として起こる可能性があります。症状がある場合には、貧血がないか確認しておくことも必要になってきます。

 

倦怠感・疲労感

貧血では程度に差はありますが、常に全身が酸欠状態となっています。酸素不足は体の中の多くの器官の機能を低下させるため、全身の疲労症状が出現しやすくなるのです。

貧血では、急に全身状態が改善することがないため疲労感や倦怠感が蓄積されやすくなります。

 

スプーン爪・口内炎

鉄欠乏性貧血では、鉄分の不足によって出現する症状があります。

 

スプーン爪(別名:匙状爪)は鉄不足によって爪の強度が低下し、爪の真ん中がへこみスプーンのような形になります。

 

また、口内炎が頻回にできる場合も粘膜を修復する力が追い付いていない可能性があります。

 

鉄欠乏性貧血では鉄不足が原因となりますが、鉄は、赤血球を作る以外に、細胞増殖にも必要となります。そのため、爪や口の中にも症状が現れるのです。

 

しかし、これらの症状が出現している場合は、貧血が重症化していることが考えられるため、早急に受診する必要があります

 

氷食症

氷食症とは氷を食べられずにはいられない症状のことを言います。鉄欠乏性貧血の症状の一つにこの氷食症があり、事あるごとに氷をバリバリと食べてしまいます。

 

原因は定かではありませんが、貧血により脳が酸素不足に陥ることで自律神経に影響を及ぼし、口の中の温度を下げようと氷を食べているのではないかという説があります。

 

ジュースに入っている氷を食べてしまう程度から、わざわざ製氷機から氷を取りだして食べずにはいられない人まで様々です。

 

貧血が原因であれば、貧血が改善されていくと症状も落ち着いてきます。

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ちゃんと食べているのに貧血?原因はコレかも

 

貧血の中でも最も多い「鉄欠乏性貧血」は、鉄分が作られる(摂り入れる)量と出ていく量のバランスが取れずに起きます。

 

出血として出ていく量として、大半を占めるのが女性に起こる月経です。

 

月経は月に1回、数日間の出血であるため通常の月経量であれば、一時的に鉄分量が減少しても次の月経までには回復しているため、貧血が進むことはあまりありません。

 

しかし、過多月経であったり月経以外での不正出血がある場合には、出ていく量が多くなるため鉄分は不足してしまいます

 

月経量は個人差も大きく、他人と比較することが難しいため自分で気づきにくいものです。過多月経の原因としては「子宮筋腫」「子宮内膜症」が挙げられます。

 

どちらも過多月経と同時に月経痛が強いのも特徴的です。子宮の病気は婦人科での超音波検査を行わなければ気づくことができません。

 

自分自身で月経量が気になる場合や、月経でレバーのような塊が出る場合には受診し検査してもらいましょう。

 

ほかにも、貧血の種類の項目でも解説したように様々な病気が原因で貧血となることがあります。

 

血液の元になるもの(造血幹細胞)の異常によって血液を作っていくこと自体が難しいこともあります(造血不能)。

 

骨髄には問題がなくとも、腎臓病などによって赤血球をつくるために必要なホルモンの分泌が出来なくなり赤血球が減少してしまうこともあります。

 

貧血となる原因は様々ですが、貧血の人の7割は「鉄欠乏性貧血」とも言われています。

 

まずは、自分自身が貧血かもしれないと感じる場合には検査を受けるようにしましょう。それによって、貧血の原因を知ることもできるのです。

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貧血は3つの方法で改善しよう

 

貧血は種類によって治療方法が異なります。中には、自分では改善が難しいものもありますが、ここでは自分でも意識することで貧血の改善に役立つ方法を解説していきます。

 

食事療法

まずは不足している鉄分を補うために、日々の食事で鉄分を摂取できるようにしていきます。

 

鉄分の多い食事といえば、レバーやほうれん草などがイメージとして持たれているかたが多いのではないでしょうか。しかし、レバーは苦手な方も多いですね。

 

そして、鉄分は量の多いものをただ摂るだけでは貧血の改善にはつながりません。一番大切なのは、鉄分をいかに吸収できるかなのです。具体的に進んで摂るべき食材について説明します。

 

<ヘム鉄>

鉄分の中でもヘム鉄と非ヘム鉄の2種類あり、吸収率は大きく異なります。吸収率の高い鉄分は「ヘム鉄」です。

 

ヘム鉄は肉・魚などの動物性食品に多く含まれており、野菜などの植物性食品に含まれている鉄分は非ヘム鉄になります。

 

<ビタミン>

鉄分は量よりも、いかに効率よく吸収するかが大事です。ビタミンCは鉄分の吸収率を高めてくれます。

 

食事の際に、野菜を積極的に食べたりフルーツを添えるなどするとよいかもしれません。

 

また、非ヘム鉄もビタミンCと同時に摂取することでヘム鉄へと変化させることもできます。しかし、ビタミンCは体内に貯めておくことが出来ないため毎日摂取できるようにしたいものです。

 

そして、ビタミンB12も非常に大切なビタミンです。赤血球をつくる(造血する)ためにビタミンB12は欠かすことができません。

 

赤血球自体を増やすことも貧血を改善していくためには必要なのです。ほかにも、ビタミンB6や葉酸も造血作用があります。これらは、食事でとっていく必要があるので意識してみましょう。

 

サプリメント

食事で摂取していきたいものを紹介しましたが、生活環境によってはなかなか難しいこともあると思います。

 

貧血の程度が軽度であり、治療の必要性まではないと診断されている場合や、日々の生活で少し注意していきたいという方であれば、サプリメントで鉄分を補充していくのも一つの方法です。

 

食事療法の項目でお伝えしたように、鉄分だけでなくビタミン類も配合されているサプリメントであれば効率よく鉄分を吸収することもできます。

 

ご自身の生活習慣に合わせたものを選ぶようにしましょう。

 

薬物療法

貧血の程度や症状によっては、自分自身での食事療法では追い付かないこともあります。

 

貧血は徐々に進行すると、体が貧血に慣れてくるため重症感がないまま進行していくことがあります。

 

検査によって、貧血が進んでいると診断された場合にはまずは鉄分を補充し症状を改善させていくことが一番です。

 

薬物療法には、「内服薬」で治療していく場合と「注射」を用いて治療していく場合があります。

 

<内服薬>

硫酸鉄やクエン酸第一ナトリウムなどの鉄剤が一般的です。また、鉄剤と同時にビタミンB12B6・葉酸なども処方されることがあります。

 

鉄剤はお茶やコーヒーと一緒に飲むと吸収が悪くなるため注意が必要です。指示された通りに飲むようにしましょう。

 

鉄剤の内服でよくみられる副作用に「吐き気」「嘔吐」「便秘」などが見られます。副作用の程度も個人差が大きいため、内服することが難しい場合には主治医に相談しましょう。

 

<注射>

鉄剤の内服が困難な場合や、貧血の程度が強い場合などでは注射で鉄分を補充します。

 

注射は静脈注射で行う場合や点滴に鉄剤を混ぜて使用する場合など様々です。内服よりも効果が早くみられ症状の改善も早いですが、注射を打つ頻度が高いため身体的な苦痛を伴うこともあります。

 

これらの薬物療法は貧血の程度や症状に合わせて行われるため、主治医としっかり相談し治療していくことが大切です。

 

今回は貧血について解説しました。ふだん、病院に行く機会が少ない場合には一度まぶたの裏に色を確認してみてください。

 

そして、貧血っぽい症状があるようなら早めに受診するようにしましょう。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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