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ウジ虫はどこから発生する?【この駆除方法が効果的です】

<監修医師 田中 恵文>
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言葉の響きだけでも嫌になるのに、実物を見てしまうとさらにうんざりしてしまうのがウジ虫です。

不衛生・汚物・不浄といったイメージのつきまとうウジ虫は、出来る事なら目にしないまま生活したいですよね。しかしその生態や発生の原因を知っておかなければ、知らないうちに繁殖を許してしまうかもしれません。

そこで今回は、ウジ虫がどこから発生するのか、効果的な駆除方法まで解説します

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ウジ虫とは

 

ウジ虫の発生方法

ウジ虫とは、ハエの幼虫を指します。ハエと同じく、腐敗した食品や汚物に発生します。足は全くありませんが、水辺に生息する昆虫の一種に分類されます。

 

もともとは森の土や水辺、陸上などに幅広く分布し、必ずしも腐敗物がなければ生きてはいけない生物ではありませんが、人間が目にするウジ虫は大抵が腐肉や糞に発生しているものなので、「ウジ虫=不衛生」のイメージがついてまわるようになりました。

 

親ハエが汚物や動物の死体に直接幼虫を産む場合もあります。この場合は卵から孵化する手間がないため、あっという間に汚物は大量のウジ虫に覆われてしまうことになります。

水洗式ではない便所では、便器の穴を開けてみるとこの様子を観察することが出来ます。

 

ウジ虫が大量発生できる理由

日本ではウジ虫が発生することを「ウジがわく」と表現しますが、これはかつて、「ウジ虫は何もないところでもいきなり出現する」と信じられていたためです。

卵も必要なく、いきなり幼虫の状態で生み出されるウジ虫をみた昔の人がそう信じるのも無理はありません。

 

しかもウジ虫が成虫になりハエになってから次の世代の幼虫(=ウジ虫)を生むのではなく、成長を待たずに幼虫の内に次世代の幼虫を生み出す「幼生生殖」という繁殖機能があります

 

もちろんウジ虫が発生するのは成虫であるハエが腐敗物や汚物に卵もしくは幼虫を産みつけたためです。しかし幼虫が幼虫を量産できるわけですから、短期間で大量発生することが可能になるのです。

 

ウジ虫は医療効果がある?

ウジ虫の「腐敗物を食べる」という習性を利用し、第二次世界大戦前までは治療用にウジ虫が使用されたこともあります。

ウジ虫は正常な細胞は食べず、腐敗した細胞や壊死している細胞のみを食べます。そのため怪我人に傷口などにウジ虫をあえておき、腐敗した細胞を除去させるのです

 

ただしウジ虫は無菌状態で育てられたものを使用しなければ別の感染症を引き起こしますし、戦場など医療技術が十分に整っていない環境で行われていた非常手段です。

現代ではメリットよりもデメリットの方が多いので、実践されることはありません。

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ウジ虫はどこから発生する?

 

ウジ虫の正体や生態についてご紹介しました。実際に、どこから発生するのかくわしく解説します。

 

生ゴミ

生ゴミ、しかも夏場の生ゴミはハエとウジ虫の温床です。ウジ虫は卵から孵化するのに半日から2日、成虫になるまでに最短で9日、長くて20日です。気温が高ければ高いほど、このサイクルは短くなります

つまり夏場に生ゴミを放置していると、あっという間にウジ虫が大量発生してしまうことになります。

 

腐った肉

腐った肉はハエの大好物です。ハエは腐った肉を食べ、そして卵を産みつけます。卵から孵化したウジ虫はやはり腐った肉を食べて成虫になります。

 

飼い主がきちんと始末をしなかった犬や猫の糞に、ハエが集っているところを見たことがある人は多いのではないでしょうか。

動物の糞にハエがまとわりついている場合、同時に卵も産みつけています

人間の糞も同じで、水洗式ではないトイレや野外の公衆便所でウジ虫を見かける確率が高いのはこのためです。

 

動物の死骸

動物(人間も含む)の死骸は、すなわち「腐った肉」に他なりません。まずはハエがやって来て動物の死骸にむらがり、次にハエが産み落とした卵や幼虫から大量のウジ虫が発生します

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この駆除方法が効果的です

 

実際にウジ虫が発生してしまったら、どのように駆除を行うと効果的なのか、その対策方法をご紹介します。

 

殺虫剤を使う

ウジ虫には通常の殺虫剤は効果を発揮しません。しかしウジ虫専用の殺虫剤であれば効果があります。購入する際は、ウジ虫専用かどうかを確認して購入しましょう。

 

また液状と粉状、二種類のタイプがあります。液状タイプは濡れても大丈夫な場所で使用します。粉状タイプの殺虫剤は排水溝など水辺に発生したウジ虫に使用します。

 

薬品を使用する

ペルメトリンという合成化学薬品をウジ虫に直接かけます。

ペルメトリン(パーメスリン)は殺虫剤の一種ですが、人間に対する毒性は低く昆虫やダニに対する効果は高いため、広く害虫駆除に使用される薬品です。

 

ペルメトリンは犬用のシャンプーやシラミ対策シャンプーに含まれています。

 

これらの薬品を熱湯に混ぜてウジ虫にかけるとより効果があります。ただし人間に対する影響が低いと言っても、口にしないように気を付ける必要があります

 

しかも猫や魚類にも毒性が高いですので、ペットとして飼育しているご家庭でペルメトリンを使用する際は注意が必要です。

また家庭用の漂白剤でも効果があります。家庭用漂白剤と水を1:1で混ぜ合わせ、ウジ虫と一緒にビニール袋に注ぎしっかり口を塞ぎます。この時発生するガスで、ウジ虫を死に至らしめることが出来ます。

 

人間にとっても有害なガスなので、出来ればビニール袋を蓋付きのゴミ箱に入れて1時間ほど放置していると安全な上、一緒にゴミ箱を殺菌することも出来ます。

 

天然駆除

人体に少なからず影響を与える薬品を使用することに抵抗感がある方は、天然の素材で駆除しましょう

まず有効なのが、熱湯です。煮立ったお湯にウジ虫がたかっている食べ物ごと入れ、よく煮沸します。効率よく熱を与えたい場合は、さらに蓋をするといいでしょう。

 

次に有効なのが、珪藻土や塩、石灰(水酸化カルシウム)です。珪藻土とは堆積岩からできた土です。いずれもウジ虫の体内から水分を奪うはたらきがあり、ウジ虫に直接振りかけると、ウジ虫は体内の水分を失い死滅します。

 

ナメクジが塩に弱いのと同じ、浸透圧を利用した撃退方法です。

またウジ虫は水辺でも生息できますが、水に酢が混じると呼吸できなくなります。熱湯の代わりに水と酢を1:1の割合で混ぜた物を使用しても効果があります。

酢の性質を利用した生活の知恵についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
木酢液の危険性【3つの効果や正しい使い方を徹底解説!】

 

アルコール

ハエを駆除する際にも使用されますが、コップにビールを注いで蓋をせずにそのまま放置します。勝手にウジ虫がビールに引き寄せられ、死滅します。

 

ビールだけではなく焼酎などの度数の高いアルコールでも効果はありますが、受け身な方法である上、大量発生したウジ虫にはあまり効果がありません

 

また消毒用のアルコールスプレーを直接ウジ虫に噴射してもある程度は効果が見込めます。どちらもハエやウジ虫の呼吸用の穴「気門」から体内に入り込み、急性アルコール中毒と同じ症状を発症させることができます。

 

凍死

大量のウジ虫を処理するにはきつい方法ですが、数匹のウジ虫を確実に死滅させる方法が「凍死」です。しっかりと口を塞ぐことができる密閉容器や密閉袋にウジ虫を入れ、冷凍庫で凍死させます。

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ウジ虫を発生させないために

 

駆除方法をご紹介しましたが、できることならば見たくもないし触りたくもないウジ虫は、発生自体を回避したいものです。どうずればウジ虫を発生させずに済むのかご紹介します。

 

生ゴミを放置しない

生ゴミはハエとウジ虫の大好物です。卵を産まないように四六時中ゴミ箱を監視するのは難しいですので、まずは発生源を絶つことが重要です

 

シンクの三角コーナーに生ゴミを放置するのはやめましょう。生ゴミはよく水を切り、新聞紙にくるめてビニール袋に入れ口を固く縛ると、夏場でもウジ虫の発生を抑制することが出来ます。

 

定期的にゴミ箱を掃除する

ゴミ袋にだけ気をとられ、ゴミ箱への注意が疎かになっていませんか?

ゴミ袋から漏れた生ゴミの汁や水分がそのまま残っていると、ハエはそこに卵を産みます。ウジ虫は水辺でも生息できるだけあって、水の中でも呼吸する術があります。(おしりだけ水面に出して呼吸が出来ます。)

 

ゴミ箱の内部も定期的に掃除を行いましょう。

臭いが籠もると不衛生ですから、丸ごと水洗いをしてよく水分を拭き取り乾燥させたら、エッセンシャルオイルを振りかけておくと臭いが気になりません。

 

おすすめはレモンなどの柑橘系やペパーミントやゼラニウムなどのハーブです。これらの香りは人間にとっては爽快に感じますが、ハエにとっては苦手な香りなので、忌避剤になります。

 

ナフタリンを活用する

衣料用品に虫が付くのを予防するために活用されるナフタリンですが、ウジ虫対策にも効果があります。最もオススメの設置場所はトイレの汚物入れやゴミ箱の蓋の裏にナフタリンをセロハンテープで固定しておくことです。

 

ウジ虫が発生する理由とその駆除方法、対策方法までご紹介しました。どこからともなく発生したかのように見えるためゾッとする存在ですが、しっかり対策を取っていれば防ぐ事が出来ます。

 

ペットを飼っている方、野生動物が住居の近辺に出没する方はウジ虫がわく可能性があるので特に注意が必要です。

 

またウジ虫以外にも、人間の生活を脅かす害虫はいます。害虫対策についてはこちらも参考にして下さい。

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