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危険!クラゲに刺された【症状や跡を残さない対処法を詳しく解説】

<監修医師 豊田早苗>

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夏に海に行くと大量発生していて泳げなくなることや、エチゼンクラゲのように魚にも大きな影響を与えることもあるクラゲ

刺されなければ大丈夫!なんて思う方もいらっしゃるかとおもいますが、場合によっては亡くなってしまう危険性もあります。

今回はクラゲの生態からクラゲに刺されてしまった場合の症状から対処法について詳しく説明していきます。

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クラゲって何者?

 

まずはクラゲ(海月)という生き物について説明します。

水族館で見るように、水槽にいれてライトを当てて幻想的なインテリアとして飼育されている方もいるかもしれません。

一般的なクラゲはミズクラゲです。淡水、海水に生息している生き物で、体の90パーセントが水分で出来ています

 

クラゲのことを難しく説明すると、腔腸(こうちょう)動物門の刺胞類・有櫛(ゆうしつ)動物門のうち、傘形又は鐘形でほぼ透明であり、体のほとんどが寒天質で浮遊生活を送っている無脊椎動物の総称です。

 

基本的には浮遊生活に適した体型をしていて、内と外は2層、中間はゼラチン質で満たされていて、触手が垂れ下がっています。

見た目がきれいな種類のクラゲもいれば、自分で身を守るためなどの理由で自ら発光する種類のクラゲもいます。

 

一見どの種類も同じような形をしていますが、雌雄異体(しゆういたい)といってオスとメスがあります。ただし、一部の種類に限っては雌雄同体(しゆうどうたい)です。

 

そして、見たままの通りで脳や眼はどこにもありませんが、実は神経が全身にしっかりとあって、光や平衡感覚を認識する細胞も持っています。

 

体はゼリーのようですが、筋肉があってエサに近づいて食べるために体を動かすことや、敵から逃げるために動くことができます。筋力が強くなく、魚などのように海流に逆らって移動することが出来ません。

 

どちらかというと、クラゲは潮の流れに身を任せながら広い海を移動しています。

 

ちょっとここでクラゲの成長について説明します。

クラゲは卵から生まれますが、成長に伴って名前が変化していきます。まず卵から孵化したものがプラヌラです。

生まれてから海の底にたどり着くと石などにくっついてイソギンチャクのような形状へと変化し、ポリプと言います。

次にポリプにくびれができてストローの蛇腹のように変化したものをストロビラと言います。

そして、くびれごとに離れていったその1つ1つが小さなクラゲであるエフィラ、少し大きなメテフィラになり、大きく成長していくことでクラゲへと変化します。

 

刺胞動物

→大昔から地球上で生活しているとされている生き物。毒のある刺胞細胞によって天敵への攻撃、餌の確保をする。

有櫛動物

→粘着細胞により餌の確保を行う。(離さないようにする)

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なぜクラゲは刺すのか

 

クラゲがなぜ刺してしまうのか、ということについて説明していきます。クラゲが刺す理由として、以下の2つの理由があります。

✅ 天敵への攻撃

✅ エサの確保

 

まず天敵への攻撃としては、自分が食べられてしまわないように触れたものについて攻撃をします。カクレクマノミがイソギンチャクに隠れるように自分の身を守るための手段です。

 

そして次にエサの確保です。海で生活するクラゲは自分で自由に動くことがあまり出来ません。ですが、エサを捕獲するためにはクラゲに付着した生き物を刺して毒を注入する事で麻痺させます。

 

クラゲ(刺胞動物)には理由があって刺してしまうのです。

 

※ちょっと不思議なクラゲのお話…

通常は刺胞細胞を持っていて、エサを捉えるだけでなく、植物のように光合成をしてエネルギーを得て生きているクラゲもいます。

サカサクラゲという種類です。藻によって光合成をし、光合成によって得られてエネルギーを利用して成長します。

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クラゲに刺されたらどうなるの

 

次に、知っておかなければいけないこととして、クラゲに刺された後の症状についてです。毒性の強弱によって症状を説明していきます。

 

毒性の弱い場合

毒性の弱い場合は局部的な症状が多いです。症状が落ち着いているのであれば、自宅で治療をしていいです。症状については以下に挙げます。

✅ みみず腫れ、水疱ができる

✅ 火傷のような痛み、ピリピリする痛み

✅ かゆみ、くしゃみ

 

強い毒性のある場合

強い毒性のある場合は全身的な症状が多いです。すぐに病院へ行かなければ命に関わる事もある為に、注意が必要です。症状については以下に挙げます。

✅ 鋭い痛み

✅ 痛みによってショック状態

✅ 倦怠感

✅ 頭痛

✅ 吐き気

✅ 全身の痙攣

✅ 呼吸困難

 

クラゲ以外に日常生活で気をつけたい毒のある生き物についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
ムカデに噛まれた跡が!【3つの症状や対処法を解説!】

 

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跡が残らない適切な4つの対処法

 

クラゲに刺されたからと言ってすぐ治る傷だと思ってはいけません。きちんと対処しておかなければ、みみず腫れにもなります。適切な対応の手順を追って説明していきます。

 

陸に上がる

クラゲに刺された場合、突然の痛みがあって動くことが出来ない事がありますが、まずは落ち着いてその場を離れる事が優先です。

海の中に居続けるとまた刺されてしまうこともあるために、陸に上がって刺された場所がどうなっているかを見ましょう。

 

刺された場所の確認

次に、刺されてしまった場所を良く見てください。クラゲの触手が刺さったままの状態では症状が悪くなる一方ですので、触手を取りましょう。

しかし、直接素手で触ってしまうと刺されてしまう為に、手袋を着けて毛抜きやピンセットで取り除いてください。

 

傷口の洗浄

次に傷口をきれいに洗います。ここでも注意したいのが、「海水」で洗い流すことです。真水で洗うと、浸透圧差によって体に毒素が入ってしまう場合があるために絶対してはいけません。

 

また、尿で洗うのも効果はありません。海水で洗った後は、市販の消毒液や酢で消毒してください。

※アンドンクラゲ、ハブクラゲに刺された場合は、酢をぬると効果がありますが、カツオノエボシは逆効果ですので注意してください!!

 

体の状態確認

弱い毒性のクラゲに刺された場合は大丈夫かもしれませんが、強い毒性のクラゲに刺された場合はショック症状や呼吸困難などの重篤な症状が出る事もあります。

 

クラゲに刺された場合は無理をせずに病院に行くか又は救急車を呼ぶことが大切です。

 

症状が軽い場合は、市販の軟膏(抗ヒスタミン剤、酢酸ヒドロコルチゾン、ステロイド)などを塗り、刺された場所を保冷剤で冷やすなどの対応をした後に、念のため病院で受診しておくと安心です。

 

しかし、カギノテクラゲなどのように時間がたってから症状が悪くなる種類のクラゲもいます。クラゲに刺された時は、絶対に無理をせずしばらく様子を見ると良いでしょう。

 

虫刺されに効果を発揮する市販薬についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
毛虫に刺されたら!3つの症状や塗り薬をチェック!

 

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クラゲに刺されたくない!予防法はあるのか

 

偶然にもクラゲに刺された時は仕方ありませんが、出来れば楽しい海で一人ショックを受けて泳げなくなるのは悲しいですよね。

そんなことにならない様に、まずはクラゲが多く見られる8月後半のお盆の時期を過ぎた頃に海に行く場合は注意をしてください。もし行く場合はクラゲに触れないようにしておきましょう。

 

クラゲ予防ローション・クリーム

クラゲ専用の予防ローションやクリームがあるのをしっていますか?日焼け止めや虫除けのようなものと同じです。中には日焼け止め効果も含まれたクリームやローションもあります。

 

肌がデリケートな方には避けた方が良いかもしれません。また、体に塗る量や塗った後にきちんと乾燥していなければ効果が表れない事もある為に、きちんと薬の注意事項を読むようにしてください。

 

ワセリン

保湿効果のあるワセリンを塗るのも効果があります。ワセリンは肌の表面に油膜を作りますが、この油膜のおかげでクラゲに刺されません。

クラゲ予防のローションやクリームと比べると、少し効果が無いような気がするかもしれませんが、肌の弱い人でもつけることができるのはいいですよね。

気を付けてほしいのは、少しべたつきがあることと、ローションやクリームと同じように泳いでいると次第に取れてしまう事があるために、塗り直しが必要になります。

 

ワセリンはこのほかにもこんな使い方があります。参考にして下さい。

【関連記事】
マダニの3つの取り方【人間が刺されたらワセリンが活躍!】

 

ラッシュガード

ラッシュガードは日焼け防止の為の衣類で、ウエットスーツよりも薄くできていて、半袖や長袖といった形があります。

しかし、日焼け防止が目的ですのでクラゲの触手が肌に触れることが無いとは言えませんが、直接肌に刺されてしまうよりも軽症で済みます。肌に直接触れないという面ではスポーツタイツも同様でしょう。

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クラゲの他にも海水浴に注意が必要な生き物

 

これまでクラゲについて色々と説明をしてきましたが、最後にクラゲ以外にも気を付けなければいけない海の生き物について説明します。楽しむ為にも知っておくと良いでしょう。

 

✅ イモガイ

モリに強力な神経毒があります。魚や貝類は即死します。

✅ オニヒトデ

棘に強い神経毒があります。皮膚に刺さると激しい痛みがあり、棘が折れて皮膚の中に残る事があります。自ら攻撃することはありません。

✅ アカエイ

尾っぽに返しがついた毒針を持っています。これまでにアナフィラキシーショックによる死亡例があります。

✅ カツオノエボシ

別名を「デンキクラゲ」といいます。電撃を受けたような激痛が全身を走ると言われています。触手が触れた所は赤くミミズばれになり、以前にショックで死亡した例もあります。

✅ ヒョウモンダコ

唾液に猛毒があります。噛まれると麻痺を起こして呼吸困難となり死に至るケースもあります。

✅ ウンバチイソギンチャク

猛毒を持つイソギンチャクです。刺された場所の壊死や嘔吐、痙攣、呼吸困難などの症状があります。

✅ ガンガゼ

「返し」が付いた長い棘に、激しい痛みを起こす毒があります。

✅ ウミケムシ

海に生息する毛虫で、左右両側の毒の毛針で相手を威嚇します。刺されたら、激しい痛みや火傷のような腫れとかゆみがあります。

✅ ウツボ

鋭い歯を無数に持っていて、口に入ったものは絶対に逃げられません。指など、ひとかみで切り落としてしまいます。

 

これまでクラゲについて説明してきましたが、注意しなければいけない事が沢山あったかと思います。海に行く時には特に高齢者や子供のケガには注意しなければいけません。

 

もしケガやトラブルがあったときはライフセービングの方に頼るようにしましょう。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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