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嘔吐物に血が混じる原因!【この病気に注意して!】

<監修医師 まっちゃん>
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嘔吐物に血が混じると、だれもが病気、それもちょっと大変な病気を覚悟するでしょう。血が混じるのは何が原因でしょうか。どんな病気に注意すればいいのか、嘔吐物と血にまつわる知識をお伝えします

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嘔吐物に血が混じる原因

 

傷による出血

嘔吐物に血が混じった場合、当然ながらどこかから出血している事になります。お酒の好きな人は経験があるかもしれませんが、過度の飲酒による嘔吐の繰り返しが原因で、胃と食道のつなぎ目あたりが裂傷を起こして出血します。

 

この部分に急激に腹腔圧力がかかってできた損傷で、飲みすぎの嘔吐だけが原因ではありません。過食嘔吐や、妊娠によるつわりで吐き過ぎたり、咳やくしゃみ、排便・分娩によるいきみといったものも圧力が発生する原因になり、裂傷、出血へとつながります。

 

このような症状の中でも特に飲酒後に吐血が起こる場合をマロリーワイス症候群と呼びます。出血の量は少なく、あまり痛みなどはありません。特に心配する必要はなく、安静にしていれば出血は自然に止まり、それで終わることが多いようです。

 

裂傷が深い場合は出血量が多く、止まりにくくなります。また、つわりの場合は嘔吐・出血を繰り返すことで不安がつのるので、そんなときは早めに胃腸科を受診しましょう。

また、大量飲酒の場合は、吐いたものが詰まって窒息する恐れがあるので、しばらくは見守りが必要です。

 

病気の出血

嘔吐物の血の多くは病気によるものです。代表的なものは上部消化管である胃や十二指腸の潰瘍、それが進行した穿孔(せんこう)からの出血です。

胃液で酸化されるので普通は黒っぽい赤色ですが、大量だと赤い色が強く鮮紅色になります。他には食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)の破裂や胃がんなど多数あります。詳細は次項で解説します。

 

口から血が出るよく似た症状ですが、咳とともに血を吐くことがあります。呼吸器からの出血で、嘔吐物を伴わないので消化管からの出血とは簡単に区別できます。肺がん、肺結核などの病気による出血です。

肺がんの初期症状についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
肺がんの11の初期症状【咳や胸痛を見逃したら危険です】

 

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嘔吐物に血が混じる病気

 

吐血(とけつ)と喀血(かっけつ)

口から血を吐いた場合、大きく分けて二つの種類があります

 

まず嘔吐物の中に血が混じっている場合は吐血と呼びます。前項でふれたマロリーワイス症候群を除き、上部消化管の病気が原因で、多くは胃、十二指腸潰瘍や、潰瘍の穿孔からの出血になります。

 

喀血は、肺や気管など呼吸器からの出血です。嘔吐物はなく、咳とともに血を吐きます。鮮やかな鮮紅色の血で、痰が混じるとか気泡が多いのが特徴です。肺炎、肺がん、結核、気管支拡張症などの病気によるものです。

吐血と喀血について、くわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
喀血とは怖い病気?【吐血との違いや治療法を徹底解説!】

 

消化性潰瘍(しょうかせいかいよう)

嘔吐物に血が混じる原因の大半を占める病気です。消化性潰瘍とは、胃潰瘍および十二指腸潰瘍のことを言います。潰瘍ができると胃の部分の痛みに悩まされ、それが進行すると周囲の組織や血管を損傷して出血するようになります。

 

静脈からじわじわと出血する場合は胃液で酸化されるので、吐き出される血は黒っぽくなります。進行して動脈からも出血すると、量が多くなって赤い色のまま吐き出されます。潰瘍がさらに進行すると胃の筋肉層まで損傷が及び、やがて穴が開く穿孔(せんこう)がおこります。激しい痛みを伴い、腹膜炎を併発して危険な状態になります。

 

大量出血

◎食道静脈瘤

急に血のかたまりを大量にどんどん吐き出します。このような症状は、食道にできた静脈瘤(静脈にできたこぶ)が破裂して出血している疑いがあります。食道静脈瘤ができる病気には、重症の肝硬変、門脈圧亢進症などがあります。お酒をよく飲む大酒家に多い病気です。

 

◎動脈性出血

食道や胃など消化管の動脈が損傷して、そこから出血します。動脈は圧力が高く、流れる血液の量も多いので大量出血になります。胸の大動脈瘤の食道穿孔、腹部大動脈瘤の腸管穿孔などが元になって起こります。

 

このような動脈性出血や食道静脈瘤による大量出血の場合は、血圧が急降下してショック状態になり、そのまま死亡することがよくあります。大至急救急車を呼んで大きな病院へ入院、すぐに処置を始めることが大切です。

 

黒っぽい、少量の出血

黒っぽい血を吐いた場合は、しばらく胃にたまっていて胃液に酸化された血液が出てきたものです。黒っぽい少量の出血を繰り返すときは、重大な病気の可能性があります。出血とともに次のような症状がみられたら、受診して原因となる病気を調べます。

 

✅ 腹部の痛み(空腹時、食後、早朝など)…胃・十二指腸潰瘍、急性胃粘膜病変(急性胃炎など)、胃肉腫、胃がん

✅ 胸やけ…逆流性食道炎

✅ 黒い便が出る…胃・十二指腸潰瘍、胃がんなど

✅ 倦怠感、黄だん症状…肝硬変、腹水

✅ 貧血、発熱が続く…白血病

✅ 鼻血、歯ぐきからの出血…血液の異常凝固

 

くわしい症状についてはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
歯茎の出血が止まらない6つの原因!【白血病の可能性もあります】

黄疸の症状を新生児と大人で分けて解説【末期がんとも関係してるの?】

 

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日常でできる予防法

 

✅ 飲み過ぎない

マロリーワイス症候群で一番多いお酒の飲み過ぎによる嘔吐については、吐くほど飲まない という一語につきます。ほどほどに飲んでおけば吐き気もおこらず、出血することもありません。上手な飲み方、酔い方を身につけましょう。

 

ほどほどのお酒だと、肝臓も傷めません。肝硬変からできる食道静脈瘤が破裂、大量出血で亡くなるのはたいてい大酒飲みと言われる方々です。また飲み過ぎは食道や胃、十二指腸の粘膜を傷つけ、炎症、潰瘍、がんなどの出血のきっかけを作ります。

飲み過ぎさえなくせば、消化管からの出血の大半を防げるといっても過言ではありません。日頃から適量の飲酒を心がけるようにしてください。

 

✅ 定期健診

吐血がおこるのは、大部分が相当病状が進んだ段階になります。少なくとも年に一回は定期検診を受けましょう。費用は少し高くなりますが、内視鏡検査を受けておけば確実に早期発見でき、出血にまで進行する恐れが少なくなります。

 

✅ 除菌

ヘリコバクター・ピロリ菌は消化性潰瘍や胃炎、胃がんの最大の原因と言われます。感染の有無は簡単な検査ですぐわかります。結果が陽性であれば、抗生物質2種類を制酸剤といっしょに1週間飲むだけで除菌できます。

 

除菌の成功率は1回目で70%、2回目では90%と言われます。普段から胃のあたりが痛む人は一度検査・除菌しておけば、以後痛みに悩むことがほぼなくなるでしょう。それに胃がんの予防にも有効です。

 

まとめ

しるし   

嘔吐物に血が混じる原因、病気についてみてきました。中には至急救急車のお世話になるようなこともありますが、あまり心配のないものもありました。いつ当事者になるかもしれませんので、その時にはこの記事を思い出してください。

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