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涙腺が弱いのは悪いこと?【病気やストレスの可能性も疑って】

<監修医師 まっちゃん>

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映画や本などの感動的なシーンなどですぐに泣いてしまう人と、感動するけど涙は出ないという人がいます。

 

涙もろい人は涙腺が弱いと言われることもありますが、すぐに泣いてしまう人とそうでない人の違いは一体何が違うのでしょうか。

 

今回は涙腺が弱くなる原因や病気の可能性などについて解説していきます。

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涙腺の大切な役割

 

感動したときなどに「目頭が熱くなる」と表現されますが、実は涙が作られる涙腺は上まぶたの外側(眉とまぶたの間の外側)の奥にあります。

 

目にゴミなど異物が入った時や感動した時など何かしらの刺激によって涙が出ることを「反射性分泌」といい、涙の分泌量が増えることで涙が流れ出ます。

 

しかし、人間は感情などに関係なく常に涙が分泌されています。それを「基礎分泌」といい、まばたきするごとにごく少量の涙が分泌されているのです。

 

これによって、目は常に適度な潤いを保つことが出来ているのです。

 

また、角膜には血管が通っていないため、自力で酸素や栄養をとることができません。

 

そのため涙によって角膜に栄養や酸素を補給するため基礎分泌は重要になってきます。

 

他にも涙には外からの異物や雑菌などを洗い流し、目を保護するという大きな役割があります。

 

このように、涙は目にとって必要不可欠なものでありその涙を作っているのが涙腺なのです。

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涙腺が弱く涙が溢れやすい3つの原因

 

涙は無意識の中でも常に分泌されているものであることは説明しました。

 

では、少しの刺激で涙が溢れてしまう人にはどのような特徴があるのでしょう。涙腺が弱くなる原因について解説します。

 

女性ホルモン

涙もろい人は男性よりも女性に多くみられます。これには、女性ホルモンが影響していると言われています。

 

女性ホルモンの代表である「プロラクチン」には感情を動かす作用があるため、自然と涙腺が弱くなるのです。

 

そして、女性ホルモンのバランスが乱れた時には普段では泣くことのない場面でも、なぜか涙がでてしまうようなことが起こりやすくなります

 

そのため、妊娠中や生理期間などではいつもより涙腺が弱くなりやすい状態となります。

 

感受性が強い

感受性が豊かな人は人の気持ちに共感しやすかったり、自分自身の喜怒哀楽がはっきりしていることが多いのではないでしょうか。

 

感受性が強く涙もろい人は、感情移入しやすいといえるでしょう。

 

映画や物語などでも登場人物に感情移入していたり、話をしている相手の気持ちに共感し自分の事のように考えてしまっていたりします。

 

人の気持ちを推し量るのがとても上手にできるということは、人間としてとても素晴らしいことだと思います。

 

感受性が強いのも男性よりも女性のほうが多い傾向にあります。また、感受性の強い人は、その場の雰囲気に従って涙が出てしまうという人も多いです。

 

精神的ストレス

「情緒不安定」という言葉があるように、精神的なストレスが多くかかることでちょっとした刺激でも涙が出やすくなることがあります。

 

情緒不安定になる原因は、身体的な疲労や不安感など様々ですが実は自分の気づかないうちに思っていた以上にストレスがかかっていることも多くあります。

 

優しい言葉をかけられた時に、ほろっと自然と涙が出てきてしまった。など涙でストレスが溜まっていることに気づくこともあります。

 

一つ一つのストレスは小さいものであっても、溜まってしまうと自分では処理できないほどの負担となってしまうこともあるのです。

 

涙を流すことは、悪いことではなく自律神経を整えるという作用も持っています。どうしてもしんどいときには、我慢せず思いっきり泣くことも大切なことかもしれません。

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涙腺が弱いのはストレスのせい?

 

涙腺が弱い原因の一つに精神的ストレスを挙げました。現代社会において、切っても切り離せないストレスについてもう少し詳しく解説していきます。

 

ストレスというと、イヤなことや辛いことを思い浮かべると思います。快・不快の感情でいうと自分にとって不快なもの。と考えがちです。

 

しかし、ストレスとはいいこともイヤなことも全て含めて自分自身への刺激がストレスとなります。

 

そのため、楽しいことであっても、それが続くことで疲労が溜まるとそれもストレスになるのです。

 

もちろん、仕事などでのプレッシャーや環境によるストレス・疲労もストレスの一つです。

 

身体的ストレスと精神的ストレスはつながっており、ストレスが大きくなるほど自分の感情には様々な葛藤が生じます。

 

そして、ネガティブな感情が大きくなるとバランスが取れなくなり精神的に不安定な状態となるため、小さなことでも涙を流しやすくなってしまうのです。

 

涙を流すことはストレスを解消するためにも、必要だと言われています。そのため、泣くことですっきりする場合には我慢しすぎずに思いっきり泣いてみましょう。

 

しかし、ストレスが大きくなり感情のコントロールが効かない・涙もろくなった・すぐに泣いてしまうなどの症状はうつ病の初期段階にもみられます。

 

うつ病の症状として、涙が止まらなくなる時は涙腺が弱いことだけが原因ではないため、早めに病院を受診して相談してみることも必要です。

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涙腺が弱いのは流涙症という病気のせいかも

 

自分の意思とは関係なく涙が溢れてくる場合は、流涙症という病気かもしれません。

 

一般的には「なみだ目」と言われる状況です。特に感動したわけでも、目に何か入ったわけでもなく、何も刺激を受けていない状態でも涙が溢れ出る場合は要注意です。

 

ここでは、涙が溢れ出てくる病気について解説します。

 

分泌性流涙

流涙症は二つの種類に分けられます。この分泌性流涙アレルギー性結膜炎やドライアイなどによって、眼の表面が刺激に対して敏感となり涙が過剰に分泌される状態です。

 

ドライアイと聞くと目が乾燥して、涙がでにくい状態なのではないかと思われがちです。

 

ドライアイの場合は基礎分泌が低下することで目が乾燥し、それが刺激になり反射性分泌が過剰過多になって涙があふれてしまうのです。

 

導涙性流涙

もう一つは涙の排出がうまくいかなくなり、涙があふれでてしまう「導涙性流涙」です。

 

涙の排出と聞いて不思議に思うかたもおられるのではないでしょうか。

 

涙腺の働きでも解説したように、人はまばたきをするたびに微量の涙が分泌され瞳が潤った状態を保つことが出来ています。

 

微量ながらも分泌された涙の約10%は蒸発されますが、残りの涙は涙道を通って鼻へと流れていきます。

 

目薬をしたあとに、上を向いていると喉に落ちてきた経験はありませんか。それは、涙道から鼻を通ってのどに伝ってきたためです。

 

このように、涙の分泌と排出がバランスよく保たれていることで涙が溢れることなく適度な潤いが保たれています

 

涙の出口の涙道が詰まってしまうことで起きる涙道閉塞「涙小管閉塞」「鼻涙管閉塞」などがあり、閉塞している部位によって病名が変わってきます。

 

涙点が閉塞してしまうことで起きる流涙症にはもう一つ「結膜弛緩症」があります。これは、加齢に伴い結膜がたるんできてしまう症状です。

 

白目がたるんでくることで、下まぶたが盛り上がり涙の出口である涙点を塞ぎます。それによって、涙が溢れてくるのです。

 

合併している場合

流涙症には上記の2つの種類が、それぞれ症状として出てくることもあれば合併していることもあります。

 

流涙症は様々な要因から発症します。目の違和感やなみだ目が気になる時や、良くならない場合には眼科を受診し適切な治療を受けることが大切です。

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流涙症と診断されたらしっかり治療しよう

 

流涙症の治療には点眼治療から手術療法まで様々な治療法があります。

 

アレルギー性結膜炎やドライアイでは症状に合わせた点眼薬を使用することで、症状は大幅に改善されることが多いです。

 

しかし、導涙性流涙では根本的な治療として手術が必要となることがほとんどです。

 

<涙道プロービング>

ブジーとも呼ばれ、涙点から金属の棒のようなものを入れ涙道を広げる手術です。

 

先天性の鼻涙管閉塞の赤ちゃんに対して、幼児期に行われることが多く、他にも閉塞している部位を特定するための検査の一つとして行われることもあります。

 

<シリコンチューブ挿入術>

涙点からシリコンチューブを挿入し、閉塞している部分を広げます。数週間から数か月の間、シリコンチューブはそのまま留置しておき十分に広がってからチューブを抜きます。

 

ヌンチャク型シリコンチューブは抜けにくいため、ほとんどがこのヌンチャク型が使用されます。

 

このシリコンチューブ挿入術は安全性が高く短時間で行えるのが利点である一方、再発する可能性があるのが短所といえます。

 

<涙嚢鼻腔吻合術(DCR)>

涙道を人工的につくる手術です。治療効果は非常に高いですが鼻の骨を一部分削る必要があり、顔にも少し傷ができてしまうためチューブ挿入などに比べると大きな手術となります。

 

しかし、最近では内視鏡を使用した傷の残らない方法もでてきています。

 

流涙症と診断された場合(稀な病気のために、専門医でないと診断できない場合もあります)には、症状や日常生活での困難感などによって治療法が変わってきます。

 

主治医としっかり相談して治療を進めていきましょう。

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涙が止まらない時の対処法

 

涙が止まらない時や、涙が出そうだけれどこらえたい時などの対処法について解説します。

 

環境を整える

アレルギー性結膜炎やドライアイなどで涙が溢れ出やすい場合には、まずは環境を見直し整えていく必要があります。

 

アレルゲンを除去するために、部屋の掃除をこまめにしたり乾燥を予防するために湿度の調整や人工涙液などの点眼薬を使用することも効果的です。

 

結膜炎では、悪化させないためにも目を洗って清潔に保ったり、手洗いをまめに行い、汚れた手で目をこすらないようにすることが大切です。

 

体を使う

泣いてしまいそうな時には、気を紛らわせるのが一番です。しかし、なかなか気をそらすことは思っているだけではできません。

 

そこで、実際に体を使って気を紛らわせる方法をいくつか紹介します。

 

まずは、深呼吸をして呼吸に集中します。高ぶっている感情を落ち着けましょう。

 

話をするときには意識して声を低くすることも有効です。水分を摂ったり、口を開けてみるのも良い方法です。

 

人間は口を開けながらでは深く考え事はできないからです。しかし、他の人を前にしていると、突然大きな口を開けることもできません。

 

そのような時は軽く舌先を噛んでみるという方法があります。

 

他にも、涙を抑えるツボ「承泣」を押さえるという方法もあります。この承泣というツボは眼精疲労にも効果があるそうです。

 

それでも、涙が今にもこぼれ落ちそうなときには上を向いてみるのもいいかもしれません。顔全体が向けなくても、目を上に向けるだけでも涙を食い止めることができます。

 

感情をコントロールする

涙がでるときには、感情が高ぶっていることが多いため感情をコントロールすることも対策としては良い方法です。

 

感動して涙が溢れてきそうになったときには、意識を他のことへ向けます。楽しかったときのことや、おもしろかったことなどを思い出すようにします。

 

でも、突然思い出そうとしても難しいものなので普段から考えるクセをつけておくのもよいかもしれません。

 

そして、自分を客観的にみることも大切です。自分がどのような場面で涙もろくなるのかなど、知っておくことも必要なことです。

 

思い切って泣く

実際に感情をコントロールすることは難しいことだと思います。

 

様々なストレスから気持ちに余裕がない時や、どうしても涙が抑えられない場合には思い切って泣いてみるのも一つの方法です。

 

思いっきり泣くことで、自律神経も整いすっきりとした気持ちになれることもあります。泣くことが悪いことではないと思えることも必要です。

 

今回は涙腺が弱いことがどのような影響を及ぼすのか、涙もろい人や病気の可能性があるなみだ目の人などを詳しく解説しました。

 

泣くことは決して恥ずかしいことではなく、必要なことであるという認識を持ちつつ、何もないのによくなみだ目になるという人は早めに眼科を受診するようにしましょう。

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