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股関節唇損傷の原因や治療法まとめ【手術費用や入院期間を解説】

<監修柔道整復師 りんご>
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数々の著名人が手術をしたことでも話題になった「股関節唇損傷」という病気をご存知ですか?そもそも、股関節唇(こかんせつしん)という名前からして耳慣れないですよね。

 

今回は股関節唇損傷の手術がどんなものなのか、気になる症状や原因とともに解説していきたいと思います。

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股関節唇の役割

 

まずは損傷する前の“股関節唇”について見ていきましょう。股関節唇は、骨盤と足の骨(大腿骨)が接している部分にあり、水筒などに付いているゴムパッキンのような役割をしています。

 

骨盤には、両足の付け根のあたりに大腿骨と接するためのくぼみ(寛骨臼)というものがあります。それに対し、大腿骨側にはくぼみに入るような突出部分(大腿骨頭)があります。

 

足の付け根の部分では、寛骨臼と大腿骨頭が上手くはまっている状態になっているのです。股関節唇は、そのくぼみ(寛骨臼)の縁の部分に沿って付いているため、輪っか状になっています。

 

股関節唇の役割は大きく2つ。

先ほどゴムパッキンに例えましたが、あれって水筒の本体と蓋の部分が密閉するように間を取り持っていますよね。股関節唇も同じです。

 

✅ 寛骨臼と大腿骨頭がしっかりとはまった状態を安定させて、関節が抜けるのを防いだり、衝撃を吸収したりする。

✅ 中を密閉させることで、軟骨が栄養分を吸収しやすい環境を作る。

ゴムパッキンのような役割によって、骨盤と大腿骨の繋ぎ目を安定させて、股関節の動きをサポートしているのです。

 

股関節炎の働きについてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
股関節外旋筋を鍛えるストレッチ法を伝授【大事な役割ご存知?】

 

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股関節唇損傷の症状

 

損傷により不具合が起きる

股関節唇が損傷してしまうと、上記で説明したような、股関節まわりを安定させる働きが出来なくなってしまいます。

 

骨盤のくぼみ(寛骨臼)から大腿骨頭がずれてしまうことで、足を動かしたときに引っかかり感や違和感を覚えたり、軟骨に上手く栄養分が行き渡らないことで、軟骨がダメージを受けやすくなってしまったり。

 

股関節唇は柔らかい軟骨組織。そのため、あまり強い刺激や圧力が加わると、壊れてしまうことも十分に考えられるのです。

 

股関節の痛み

股関節唇には神経が通っています。そのため、組織が壊れれば、もちろん痛みが発生します。

 

あぐらをかくなどの股関節を外側に開いた時や、内股座りをするなど股関節を内側に曲げた時は、特に負担が大きくなるので、痛みが出ている時には気を付けたい動作です。

 

酷くなると、足を動かしただけで痛みや違和感が出てしまうので、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。

股関節にしこりができた場合はこちらを参考にして下さい。

 

【関連記事】
股関節のしこりが押すと痛い3つの原因【何科を受診すべき?】

 

股関節唇損傷の原因は?

損傷の原因として、最も多いのは「FAI(股関節インピンジメント)」と呼ばれるもの。

これだけだと何のことだか分かりませんが、つまりは、寛骨臼と大腿骨頭によって股関節唇が“挟み込まれてしまう”もののことを言います。

 

FAIが起きてしまうのは、寛骨臼や大腿骨頭が変形して出っ張りができてしまっていたり、股関節を深く曲げ伸ばしするようなスポーツ(バレエ・エアロビクス・体操など)により過度の負担がかかってしまうため。

 

放置すると、変形性股関節症になってしまうこともあるので、治療や改善が求められます。

ほかにも、骨盤のくぼみが不完全な「寛骨臼形成不全」でも、大腿骨頭との接続が上手くいかないために負担がかかりやすくなっています。

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股関節唇損傷の治療法を知ろう

 

検査

まずは、股関節唇損傷と診断されるまでの流れから。

 

検査では、レントゲンCT、MRIなどが行われます。

レントゲンでは骨の形や骨盤のゆがみをチェック、CTではFAI(挟み込みが起きているか)などを立体的な視点からチェック、MRIでは股関節唇をピンポイントで確認することができます。

 

基本的には外来診察でできますが、MRIでは造影剤を注射した時に、疼痛や違和感が出ることもあるので、希望すれば1日入院も可能です。

【関連記事】
CTとMRIの違いを徹底比較!【使い分け方から費用まで解説】

 

手術

股関節唇損傷で一般的なのは「股関節鏡視下術」と呼ばれるもの。

これは、1cm弱の小さな穴をいくつか開けて、そこから内視鏡を入れ、損傷部分を切除したり縫合したりする方法です。

 

膝関節や肩関節ではよく行われている方法なのですが、股関節は他よりも深い位置にあるため、それらより難しいとも言われています。

 

欧米を中心に発展していて、傷跡が目立たなくて済むこと、成功すれば負担も少なくて済むことなどがメリットとして挙げられます。

上手くいけば早期回復が見込め、元の生活レベルに戻したりスポーツや職場復帰も可能です。

 

この手術は、股関節唇損傷以外でも、骨折などの外傷が完治した後に股関節痛だけが治まらない人や、股関節内に遊離体(軟骨や骨の小片が入り込むもの)や腫瘍がある人などでも行われます。

 

疼痛の原因が股関節内にある疾患全般に、この手術法は有効なようです。

 

壊れてしまった股関節唇や変形している骨は手術でないと治せません。ただし、リスクも大きいため、納得して受けることが大事。気になることがあるようならセカンドオピニオンなども良いでしょう。

 

保存療法

寛骨臼や大腿骨頭などの骨に変形が見られたり、損傷が激しい場合には手術となりますが、軽症ならば保存療法が選択されることもあります。

 

保存療法では、股関節に負担がかからないような動作を習得して、損傷の予防や痛みの管理などを行います。あぐらをかくのはNG。

 

ほかにも、車を乗り降りする時や、床から立ち上がる時などに、手を添えてゆっくりと動くことなどが基本となります。

 

また、筋力アップや柔軟性を高めるためのリハビリも。股関節が硬いのはもちろん、柔らかすぎても負担が大きくなってしまうようです。

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手術費用や入院期間

 

では、手術について、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

手術費用は?

手術費用に関しては、保険適用となるため、3割負担で8~9万円ほどと考えておくと良いでしょう。病院によっても違ってくるので、きちんと確認してくださいね。

 

また、手術をするとなると、入院や検査などほかの部分でもお金がかかります。

高額療養費制度というものをご存知ですか?一定額以上のお金がかかった場合、払い戻しを受けられることもあるので、忘れずに申請したいですね。

 

手術時間と入院期間は?

お金だけでなく、時間的な問題も気になりますよね。

手術は平均2~3時間ほど。ただ、麻酔が効いている時間なども入れると、プラス1~2時間は意識のない状態が続きます。手術は基本的に全身麻酔

 

手術日は食事もしてはいけないので、栄養などは点滴から。麻酔薬なども点滴で入れることが多いようです。

 

入院期間は、簡単な手術なら3日ほどですが、損傷部分の縫合などの難しい手術となると1~2週間は入院しなければなりません。

ただし、手術の翌日からは車いすや松葉杖でトイレに行く時などの移動は可能なようです。

 

そして、大事なのはリハビリ

入院中はもちろん、退院後も外来で週に1回はリハビリに通う必要があります。病院に行く日以外でも、自宅でのリハビリは欠かせません。

 

スポーツをしている人や職業によっても、目指す復帰レベルは変わってくるので、リハビリのプログラムは個人個人で作られます。

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