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脳腫瘍の初期症状を見逃さないで!【頭痛やめまいに要注意】

<監修医師 happy days !>

だるい

みなさんは「脳腫瘍」という病気にどのようなイメージをお持ちでしょうか?「治らない病気」とか「難しい病気」とか、悪いイメージがわいてくる人が多いと思います。

 

もし脳腫瘍になったら、できるだけ早く見つけて治療したいですよね?今回はこの脳腫瘍を早く見つけるための初期症状を中心に詳しく解説していきます

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脳腫瘍とは

 

まず「脳腫瘍」とは一体どんな病気なのでしょうか?少し難しい話になりますが「がん」ではありません。名前の通り「脳」にできる「腫瘍」なのですが、簡単に一言で言うと「脳にできるデキモノ」ということになります。

 

原発性(脳の細胞から発生する)脳腫瘍は、1年間で人口10万人に対して10人の割合で発生する病気で、乳児から高齢者までどのような年齢の人にも起こる可能性があります。

 

脳腫瘍といえば不治の病というイメージがあるかと思われますが、実は良性の脳腫瘍が半分以上も占めていて、完治可能の脳腫瘍もたくさんあります

 

脳腫瘍はできる場所でタイプが違う

 

脳腫瘍には「悪性」「良性」に大きく分けることができますが、その他にもどこから発生したかによって次のように分けることができます。

✅ 原発性脳腫瘍・・・脳の細胞から発生

✅ 転移性脳腫瘍・・・他の臓器のがんが脳に転移したもの

転移性脳腫瘍の原因となるがんで最も多いのが「肺がん」で約50%の割合を占めています。それから「乳がん」9.3%、「直腸がん」5.7%、「腎・膀胱がん」5.3%と続きます。

 

原発性脳腫瘍に関しても、できる場所で腫瘍のタイプが異なります。まずは代表的な原発性脳腫瘍について順番に紹介していきます。

 

神経膠腫(グリオーマ)

脳神経細胞は「神経膠細胞(グリア細胞)」という細胞によって支えられています。この神経膠細胞から発生する脳腫瘍が「神経膠腫(しんけいこうしゅ)」と呼ばれる脳腫瘍です。

 

神経膠腫は大きく2つに分類することができます。

 

✅ 星細胞腫(アストロサイトーマ)

✅ 乏突起膠腫(オリゴデンドログリオーマ)

 

この2つの腫瘍が混ざったような腫瘍もありますし、星細胞腫自体も病理組織検査の結果でたくさんの種類に分類されます。複雑になりすぎるのでやめておきます…。

 

これらの神経膠腫は悪性度が4段階に分けられています。良性のものがグレード1で、最も悪性のものがグレード4になります。数字が大きいほど悪性度が高くなり、手術治療などでも治すことができなくなってしまいます。

 

髄膜腫

髄膜腫は原発性脳腫瘍のなかで最も多く、全体の約20%を占めています。髄膜腫は脳を覆っている「硬膜」などから発生する脳腫瘍で、ほとんどの場合が良性です。

 

症状もないのに、脳ドックでたまたま発見されることもあります。非常にゆっくりと大きくなりますが、大きくなりすぎると脳の障害が出てきてしまうので、約3cmを超えるような髄膜腫は手術になる場合が多いです。

 

髄膜の位置や役割についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
髄膜刺激症状の3つの原因【検査方法も簡単に解説!】

 

下垂体腺腫

下垂体腺腫のできる「下垂体」は、鼻のずっと奥に入って行ったところにある「トルコ鞍」と呼ばれる場所に収まっている小さな臓器です。

 

下垂体の主な役割は、生命活動に必要なホルモンを産生することです。したがって下垂体腺腫ができると、さまざまな下垂体ホルモンが大量に産生され、その産生されるホルモンによって色々な症状が出現します。

 

例えば成長ホルモン産生腺腫であれば「先端肥大症」「巨人症」などで、プロラクチン産生腺腫「月経不順」「無月経」「乳汁分泌」などが症状として出現します。

 

神経鞘腫

神経鞘腫神経を包む「鞘(さや)」から発生する良性の腫瘍です。特に多いのが「聴神経腫瘍」といって、耳の神経の鞘からできる腫瘍になります。

 

耳が聞こえにくくなったり、耳鳴りやめまいなどの症状が出現します。基本的には良性腫瘍なのですが、大きくなると命に関わる症状が出てくるので、手術や放射線治療などを行う必要があります

 

頭蓋咽頭腫

頭蓋咽頭腫は、胎児期の「頭蓋咽頭菅」と呼ばれる組織が消えずに、脳の中に残ったものから発生する良性腫瘍です。

 

下垂体の茎のところに発生することが多い腫瘍です。基本的には良性腫瘍なので、手術で全摘出できれば完治しますが、周辺組織との癒着が強い場合は再発を繰り返し、治療が難しくなることもあります

 

胚細胞腫

胚細胞腫は、精子や卵子の元になる細胞が腫瘍化したものと考えられています。ジャーミノーマやテラトーマ(奇形腫)など、さまざまなタイプの種類の胚細胞腫があります。

 

胚細胞腫は下垂体や松果体という場所にできることが多く、腫瘍が大きくなってくると、頭痛や吐き気、目がかすむなどの症状が出てきます。

 

松果体にできると眼を上に向けることができなくなる特徴的な症状が出現します。

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子供にも発症してしまう脳腫瘍の原因はなんだろう

 

子供から高齢者まで、どの年代の人にも発症してしまう脳腫瘍の原因は一体なんなのでしょうか?はっきりとした原因はわかっていませんが、正常細胞が遺伝子変異を起こして腫瘍になることは間違いありません。

 

この遺伝子変異を起こす可能性があるものや、脳腫瘍を悪化させるリスクがあると言われている代表的なものを挙げてみます。

 

✅ 放射線の被曝

✅ 喫煙

✅ 高タンパク食品、高脂肪食品

✅ ストレス

✅ 飲酒

✅ 携帯電話やパソコンなどの電磁波

 

これらのものは、いろんな意味で体にも悪そうですね。原因がわからない分、やはりリスクとなる可能性のあるものは避けて生活をしたいものです。

 

電子機器が身体に与える影響についてはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
スマホ老眼を簡単チェック!【対策と予防法もわかりやすく解説】

 

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頭痛やめまいは危険信号?初期症状をチェック

 

脳腫瘍はさまざまな種類のものがあって、それぞれ発生する場所が異なっていることを説明してきました。発生する場所によって出現する症状が異なってきますが、共通した症状もあります。

 

脳腫瘍を早期発見するためには初期症状を見逃さないようにしなければなりません。脳腫瘍の主な初期症状5つについて説明していきます。

 

慢性頭痛・嘔吐

脳腫瘍ができると「慢性頭痛」に悩まされるようになります。頭痛の特徴を挙げて見ます。

 

✅ 朝起き時に頭痛がある

✅ 吐き気、嘔吐をともなっている

✅ 夕方になると少し回復する

 

夜眠っている間は副交感神経の作用で、呼吸をする回数が少なくなっています。メカニズムは少し難しいのですが、呼吸回数が少なくなると脳は生理的に腫れてくるのです。

 

脳腫瘍によって頭蓋内圧亢進症状をきたしているため、夜間の脳の生理的な腫れが加わると、さらに頭が痛くなります。そのため朝起きた時に頭痛が起こるのです。

 

腫瘍が大きくなると吐き気嘔吐といった症状も出現してきます。慢性頭痛は脳腫瘍の共通の症状なので要注意です。

 

手足のしびれ

運動神経が集まっている脳の近くに脳腫瘍ができると、手足のしびれや動かしにくさを自覚するようになります。脳腫瘍によって神経が圧迫されて、脳の機能が一部障害されることが原因です。

 

脳腫瘍の発生場所によっては、言葉が出にくくなったりすることもあります。また認知症が進んだと思っていたら、原因が脳腫瘍であったということもあります。

 

視力障害

下垂体腺腫が大きくなると視力障害視野障害を起こします。下垂体が視神経の近くにあるため、腫瘍ができて大きくなると、視神経が圧迫されて視力に影響が出てくるのです。

 

視野障害の特徴としては「両耳側半盲」というものがあります。両方の視野の耳側が欠けて見えにくくなります。腫瘍の進展具合によって、視野障害の出方も変わってきます。

 

見ているものがぼやけるといった症状があれば、それは眼科の病気ではなくて、脳腫瘍などの脳の病気である可能性もあるのでご注意ください。

 

耳鳴り、めまい

聴神経鞘腫では、耳鳴りやめまいなどの初期症状が現れます。腫瘍が大きくなると聴力障害やふらつきなどの症状が出てきます。

 

腫瘍が小型のものであれば、検査だけで経過観察となることもありますが、大きくなると手術治療が非常に難しくなります。小さいうちであれば「切らずに治す」放射線治療というのもあります。

 

「耳鳴りだから耳鼻科の病気だろう」と思い込まず、実は脳腫瘍が原因になることもある、ということは知っておいた方がよいでしょう。

【関連記事】
耳鳴りの原因!止まらないキーンという音の原因はコレ!

 

てんかん・痙攣発作

脳腫瘍が脳の表面に近い場所にできると「痙攣発作」を起こすことがあります。全身に力が入って、手足を震わせて硬直する状態です。

 

痙攣発作を起こした時は早く痙攣を止めなければ、脳に重篤な後遺症が残ることもあります。一刻も早く救急車を呼ぶ必要があります。

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初期症状を感じたら早めの検査を

 

脳腫瘍の初期症状について解説してきました。もしこのような症状があれば、不安や心配を抱えたまま生活するよりも、まずは病院を受診してみる必要があります。

 

脳腫瘍という病気は脳神経外科で診てもらうことになりますが、脳腫瘍を診断するための画像検査は次のようなものがあります。

 

✅ CT

✅ MRI

✅ SPECT

✅ PET

 

一般的には、比較的カンタンに早く検査することができるCTの検査を行います。もしこのCT検査で脳腫瘍を疑えば、MRI検査(造影剤を注射する場合もあります)を行います。

【関連記事】
CTとMRIの違いを徹底比較!【使い分け方から費用まで解説】

 

脳腫瘍は、年間で人口10万人に10人しか発症しないとてもまれな病気ですが、もし不運にも脳腫瘍と診断されれば、手術治療の準備のために入院して、脳血管造影検査や血液検査を行います。

 

手術が難しい場合や、画像検査で診断がつかない時は、頭に穴を開けて脳腫瘍組織を少し採取して調べる「生検」という検査も行う場合があります。

 

さまざまな検査を組み合わせて脳腫瘍を診断し、適切な治療につなげていくことになります。

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脳腫瘍は怖くない!しっかり治療しよう

 

最後は脳腫瘍の治療についてです。脳腫瘍の性状が悪性・良性に関わらず、まずはどのような治療法があるか紹介します。

 

✅ 手術

✅ 放射線療法(ライナック、ガンマナイフ治療、サイバーナイフ治療)

✅ 化学療法(テモゾロミド、ニドランなど)、ステロイドなど薬物療法

 

基本的にはこの3つの治療を組み合わせて脳腫瘍の治療を行うことになります。

 

まずは髄膜腫や下垂体腺腫などの良性腫瘍ですが、最も確実に治すことができる治療法は「手術」になります。

 

もちろん腫瘍と周辺組織との癒着や腫瘍の発生場所によっては、完全に摘出できずに再発を繰り返している患者さんもいらっしゃいますが、手術がうまくいけば脳腫瘍を完全に治すことができるのです。

 

悪性脳腫瘍はどうすればいいのでしょうか?標準的な治療としては手術でできるかぎり腫瘍を摘出します。

 

残った腫瘍に対して放射線療法を行い、残存腫瘍を小さくします。そして最後にテモゾロミドなどの化学療法を行うことになります。

 

しかし悪性の神経膠腫(グリオブラストーマなど)はどれだけ適切な治療を行っても、残念ながらおよそ1年くらいしか余命がないのが現実です。

 

悪性脳腫瘍の手術治療をすれば、場所によっては運動麻痺が後遺症として残って、車椅子生活になってしまう患者さんもいます。

 

また髪の毛を剃毛しなければならないので、女性の方はつらいですよね。脳腫瘍は確実にQOLの低下を招くことになるでしょう。

 

小さいうちに脳腫瘍が見つかれば、良性・悪性に関わらず、治療法の選択の幅がとても広がります。

 

発見が遅れて治療することが困難になったり、不可能になる前に、できるだけ早期発見に努める必要があります。脳腫瘍の初期症状を見逃さないようにしましょう。

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