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腎動脈狭窄の症状まとめ【4つの治療法を分かりやすく解説!】

<監修医師 春田 萌>
胸が痛い

腎動脈狭窄とは聞きなれない言葉かもしれませんが、現代では誰もが身近に罹る恐れのある病気です。

その症状はなかなか自覚症状が出にくく、発見が遅れることが多いため危険です。

 

腎動脈狭窄症を放置すると、腎機能が低下し重症化すると慢性腎疾患腎不全を起こし、最終的には人工透析が必要になる場合があります。

 

今回は腎動脈狭窄の症状について解説するとともに、治療法についても解説していきます。

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腎動脈狭窄とは?

 

まず腎動脈とはみぞおちの高さで大動脈から左右にほぼ直角に分岐し、左右の腎臓に血液を供給する動脈のことをいいます。

 

この腎動脈が狭くなると腎臓への血流が減少し、腎臓が虚血状態となります。

 

その結果、高血圧症、腎機能障害、心不全など様々な病気を引き起こします。

腎動脈が狭くなる原因には粥状硬化症、繊維筋性異形成症、大動脈解離などがありますが、主に加齢動脈硬化症によるものが90%を占めています。

 

脂質異常や高血圧、高血糖などの症状があると動脈硬化を促進させるため、十分な注意を配る必要があります。

 

日常生活では、階段を上がると息切れや動悸がする、手足が冷えやすくなった、軽いめまいを時々起こす、尿が濁るなどの異常が見られるなどの症状が現れた場合が要注意です。

 

稀な疾患かと思われがちですが、食生活や生活スタイルの欧米化で動脈硬化が進んでいる現代では、珍しい病気ではなくなっています。

全国では約250万人の罹患患者がいると推計されています。

 

腎動脈狭窄症を疑う臨床所見としては、30歳以前に始まる高血圧、

55歳以降に始まる重症高血圧、薬物によって起こった高血圧や悪性高血圧、説明困難な急性心不全、説明困難な腎機能悪化などがあります。

 

その診断方法として最も簡単なスクリーニング検査は採血超音波法検査(エコー)です。

狭いところを血液が通過する際は急速に流れるため、腎動脈の血流の速さを測定することで腎動脈の狭窄を診断することが可能です。

 

この検査では同時に腎臓のサイズや腎臓内の血流状態も調べることができます。

またMRI造影CTでは3Dで腎動脈を立体的に視覚化することができます。ただしこの場合は、狭窄度を過度に評価しがちになるため注意が必要です。

 

腎臓のトラブルについてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
腎臓の位置はココ!【腎機能低下の4つの原因や症状をチェック】

 

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腎動脈狭窄の症状

 

高血圧

初期のうちは全く症状がありません。しかし狭窄率が約70%を超えると急に血圧が高くなります

腎動脈が狭まり腎臓内の血圧が下がると、腎臓は全身が低血圧になったと勘違いし、血圧を上昇させるレニンといわれるホルモンを出します。その結果高血圧となるのです。

 

腎機能低下

腎臓への血液量が不足すると、腎機能が悪くなり、最終的には血液透析が必要となることがあります。

 

腎機能が低下すると尿の状態に変化が見られますが、腎動脈狭窄症の場合は先に高血圧症状が見られることが少なくありません

そのため、普段から血圧測定をしながら血圧の変化には十分注意しておくようにしましょう。

 

心不全

原因不明の心不全が起こります。腎動脈に血栓ができていると、心臓の血管にも同様に血栓ができていることも多く、心筋梗塞などを起こすリスクも高まります。

海外では心不全で入院している患者の35%に腎動脈狭窄症が認められるとの報告もあります。

【関連記事】
心筋梗塞になる3つの原因や症状チェック!貴方は大丈夫?

 

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腎動脈狭窄の治療法

 

腎動脈拡張術

高度の狭窄があることが手術適応の前提条件となります。

その上で最近血圧が急上昇したり、急に少量の降圧剤ではコントロールが困難になったりするなど、急に腎機能が悪化した場合に狭窄部の拡張とステント(金属製の網目状のチューブ)留置を行います。

 

一般的に局所麻酔で行われ、手術時間は1時間程度です。翌日には退院できることもあり、身体的な負担の少ない手術といわれています。

 

腎動脈ステント留置術

大腿動脈から直径2mmのカテーテルを挿入し、腎動脈を造影します。その後カテーテルを通して柔らかいガイドワイヤーを腎動脈の中に挿入します。

 

そして血管内超音波で血管の直径、狭窄の程度を測定し、高度の狭窄があればバルーンで拡張しステントを留置します。

 

この治療後1か月間はアスピリンを含む2種類の抗血小板剤を服用し、その後アスピリンだけに減量し、副作用のない限り長期間継続的に内服します。

 

薬での治療

まず腎臓の血管が詰まらないように血液をサラサラにする効果のある抗血小板剤を投与し、動脈硬化症のリスクとなるものをなくすよう治療します。

 

狭窄の程度が軽く、進行が緩やかな場合には医師の判断のもと薬で血圧をコントロールしながら狭窄の進行を抑える治療が行われます。

 

人工透析

人工透析で最も一般的に行われるのが血液透析です。ダイアライザーという機器を通して血液を体内から取り出し、老廃物や余分な水分を取除き浄化した血液を再び体内に戻す治療法です。

 

腎臓に替わって、血液中の老廃物の除去、電解質の維持、水分量の維持を行います。

人工透析の必要となる重度の腎臓病患者の5〜22%が腎動脈狭窄症を合併しているといわれます。

 

血液透析は通常、週2〜3回、1日4〜5時間かけて行われます。

週末に2日空け、それまでは1日置きのペースでスケジュールが組まれます。休むことはできないため心身ともに非常につらい治療です。

 

人工透析についてくわしくはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
人工透析の4つの原因!【食事療法はココを注意して】

 

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