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腎臓癌の17の症状を解説!【腰痛も重要なサインなんです】

<監修医師 吉野 聖奈>
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腎臓癌は初期症状が現れにくい病気です。症状が現れた時には進行してしまっているケースも少なくありません。

実は腎臓癌の症状の1つに腰痛があります。ただの腰痛だ、なかなか治らないと思っていたら実は腎臓癌という事も珍しくないのです。

今回は早期発見・早期治療の為に腎臓癌の17の症状をご説明するとともに、検査方法や治療方法、予防法についても解説いたします。

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腎臓癌の疑いがある17の症状

 

腎臓癌は初期症状がほとんど現れない病気です。腎臓にできた腫瘍が直径5cmを超えると症状がはっきりと現れるようになります。

ここでは腎臓癌の可能性が疑われる症状についてご説明いたします。

特に腹部の疼痛・血尿・腹部のしこりは腎臓癌の三大症状ですので、要注意です。

 

腹部の疼痛

初期の腎臓癌にはほとんど痛みはなく、進行するにつれて痛みが強くなっていきます。

腎臓癌の腹痛は激しい痛みではなく、ズキズキ・シクシクする、疼くような痛みが特徴的です。

ただ進行するにつれて、このような痛みから激しい痛みへと変わっていきます。末期になってしまうと常に痛みが現れるようになり、とても辛い状態になります。

痛みがひどくなる前に早めに治療を行いましょう。

 

尿の異常

血尿も腎臓癌の症状としてとても多いものです。

腎臓癌の方の50%以上の方に血尿の症状が見られます。ただし、最初は本当にごく少量の血液が尿に混ざる程度ですので、尿を見ただけではわかりにくい症状です。

だんだん悪化していくと、明らかな血尿の症状が現れたり、消えたりを繰り返すようになり、はっきりと見ただけでもわかるようになります。

また腎臓癌の中に尿の通り道である腎盂(じんう)にできる癌を腎盂がんといいます。腎盂がんの場合には血尿は目で見てわかるぐらいはっきりと色のついた血尿が出ます。

男女別に見る血尿と病気の関連性についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
血尿が出た男性はアノ病気が原因?痛みなしだと危険なの?

女性で血尿が出る原因!痛みなしだと危ない?

 

腹部のしこり

腹部のしこりは腎臓にできた腫瘍、がんです。進行するにつれ、だんだんと大きくなると、自分で腹部を触ってしこりがわかるようになります。

 

水腎症

水腎症とは、尿の流れが妨げられる事で逆流した尿の圧力が腎臓に加わる為に、腎臓が尿で拡張した状態の事をいいます。

腎臓癌の場合は、がんの腫瘍によって尿の流れが悪くなり、水腎症を引き起こします。そして腎臓が腫れ、腎臓の機能までもが低下してしまう事があります。

 

食欲不振・体重減少・全身倦怠感・発熱・貧血

初期の腎臓癌の場合にはこれらの症状は現れませんが、腎臓癌が進行するにつれて、症状が顕著に現れるようになります。

これらの全身症状が現れている場合には進行が早いがんであるといえます。

また初期症状が出にくい腎臓癌の場合には、骨や肺・リンパ転移、進行してから気付く事も多いのです。少しでも異常を感じたら早めに病院に行きましょう。

 

むくみ

腎臓には血液とともに運ばれてきた老廃物のろ過や体内の水分調節を行う役割があります。

ですが、腎臓癌で腎臓の機能低下を起こすと、老廃物は溜まり、余分な水分の排出ができなくなってしまいます。

その結果体にむくみの症状が現れるようになります。顔色も青みがかったような色になり、顔もむくんできます。

また進行が進み、転移してしまった場合にリンパの流れがせき止められる事で足のむくみ等も起きてきます。

 

このような腎臓の機能低下や腎臓癌によるむくみの症状が現れた場合には、病状もかなり悪化しているといえます。

進行していくと腹水や胸水が溜まるようになり、むくみもどんどんひどくなります。しっかりとした治療が必要になりますので、早めに病院に行ってください。

 

頻尿・排尿痛・残尿感

腎臓に異常がある場合には尿に異常が現れます。腎臓癌が悪化すると強い痛みが起こったり消えたりを繰り返します。

また尿管が血液でつまった場合等に尿路結石の症状と似ている症状が現れます。排尿痛や頻尿・残尿感等の症状が起きる事があります。

 

タンパク尿

血尿にも注意が必要ですし、腎臓癌では特にとても多い症状の1つです。ただ腎臓に何らかの異常がある場合にはタンパク尿にも注意が必要です。

腎臓のろ過機能の低下により、本来は出ないはずのタンパク質が尿に漏れ出てくるのです。

尿を見てみると、尿の色は濁ったような色、また泡立っている尿が特徴的です。

なかなか自分の尿を見る事は少ないかもしれませんが、まず最初に現れる症状としては尿の症状が多いです。こまめに意識的に見るようにしましょう。

 

腰痛・脇腹の痛み

腰痛は一見腎臓とは関係のないようにも思えますが、実は大きく関係があります。

ただの腰痛だと思ってそのままにしておいても、なかなか改善せず、実は腎臓からの痛みだったという事も多いのです。

 

腰痛の原因としては、腎臓の機能低下からきています。特に腰の奥の部分に痛みを感じる場合には腎臓に異常がある場合が考えられます

また先程ご説明しました水腎症を発症した場合にも背中・腰・脇腹・下腹部に強い痛みを感じます。

 

それから腎臓癌で、尿管に血液がつまった場合や、がんが周囲に広がった場合等にも、腰痛や背中の痛み、脇腹の痛みが現れます。

この場合にはかなり進行してしまっていて、腫瘍が大きくなっている事も多いですので、ただの腰痛と思わずに痛みがある場合には病院に行ってください。

脇腹の痛みについてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
脇腹がつるような痛みの8つの原因【危険な病気に注意しよう】

 

口臭

腎臓の働きが低下する事で、本来は身体の外に排出されるアンモニアが体の中に残ります。すると再びそのアンモニアは血液の中に取り込まれ、血液に乗って全身を巡ります。

肺に運ばれたアンモニアは呼吸としてにおいが体の外へと漏れてしまいます。

腎臓の機能低下により、口臭がアンモニアやおしっこのにおいになってしまうのです。

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腎臓癌にかかりやすいタイプ

 

次に腎臓癌にかかりやすいタイプについてご説明いたします。

中にはとても意外なものもありますが、ご自身に当てはまる場合には注意しましょう。

 

男性

男性の方が女性よりも2、3倍もリスクが高く、年齢が上がるにつれてさらにリスクが高くなっていきます。

 

40代以降

腎臓癌は若い人がかかるのはまれであり、50歳以上に多い病気です。特に発症のピークとしては60~70歳代です。

 

肥満

高カロリーの食事を食べてばかりで肥満の方は血液がドロドロになってしまいます

腎臓には血液をろ過する働きがありますが、血液がドロドロになる事によって腎臓に過大な負担をかけてしまう事になるのです。

血液がドロドロになる事は腎臓癌だけでなく、体の色々なところに影響を及ぼします。自分で気を付ける事ができる原因ですので、注意するようにしましょう。

 

喫煙

喫煙は腎臓癌だけでなく、全てのがんや生活習慣病、ありとあらゆる病気の発症リスクを高めてしまいます。

特に腎臓の場合には血液中の老廃物や有害物質を尿とともに排出する働きを持っている為、影響を受けやすい臓器です。

がんや病気になって苦しむよりも、やめられるたばこをすぐにやめるようにしましょう。

 

高血圧

腎臓の機能が低下すると、余分な塩分や水分の排出ができなくなり、血液量が増加し血圧も上昇します。

血圧が上がる事でさらに腎臓への負担が増え、ますます腎臓の機能が低下してしまいます。

腎臓の機能が落ちる前に、常日頃から食生活や生活習慣に気を付けて、血圧をコントロールできるように気を付けましょう。

高血圧についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
若年性高血圧症の原因はコレ【5つの改善法や薬について解説!】

 

透析治療

人工透析は、腎臓の機能が著しく低下した人や、腎臓の機能がなくなってしまった人に行います。

腎臓の働きである血液のろ過を人工透析器を使って、人工的に血液をろ過する事を人工透析治療といいます。

この透析治療を受けている人は元々腎臓に病気を持っている人も多いですので、さらに腎臓癌になりやすいといえます。

また人工透析を長期的に行っている場合には高リン血症や副甲状腺ホルモンの増加や低下・腎性貧血や心臓病・多のう胞化萎縮腎等の様々な合併症等が起きる可能性が高くなりますので、注意しましょう。

人工透析についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
人工透析の4つの原因!【食事療法はココを注意して】

 

腎不全患者

腎臓に何らかの病気があって、腎臓の機能が低下すると腎不全という状態になります。

尿の出が悪くなったり、全く出なくなったりもします。末期腎不全の患者さんは人工透析療法を行わなければなりません。

腎臓の機能も低下している、または動いていませんから腎臓癌のリスクも高くなります。

 

乳製品の過剰摂取

実は乳製品を過剰に摂取する事で腎臓病等を悪化させてしまいます。

慢性腎不全になると、食事で摂取したリンが尿中にうまく排出されなくなり、血液中にはリンが溜まってきてしまいます。

このような病状を高リン血症といい、ひどくなると骨が弱くなったり、腎臓の機能がさらに悪化する原因となってしまうのです。

 

乳製品や小魚等のカルシウムがたくさん含まれている食品にはリンも多く含まれています。その為、乳製品をたくさん摂取する事で、高リン血症を進行させてしまいます。

腎不全の患者さんはビタミンDの活性化障害もある為、乳製品やカルシウムを摂取するとリンだけが吸収されてしまい、さらに悪化させてしまうのです。

 

欧米人

食生活の偏りや肥満傾向の方が多い事から、欧米人の発症リスクは高いと考えられています。高カロリーの食事やファーストフードを好み、野菜不足の方が多いからです。

 

遺伝

腎臓癌自体は他の癌に比べるとまれな癌ではありますが、同一家系内の遺伝子異常が原因となる遺伝性があるとの報告があります。

ただ、まだ研究段階でありはっきりと証明はされていません。

 

利尿剤

腎臓は老廃物や有害物質をろ過する働きがあります。

その為、利尿剤等を長期間使用する事で、腎臓が疲れてしまい、腎臓癌の発症リスクを高めてしまいます。利尿剤をお使いの方は頭に入れておきましょう。

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腎臓癌の検査方法と治療方法

 

続いて腎臓癌の検査方法と治療方法についてです。

検査は身体に負担の少ないものが多いですので、定期的に受けるようにしましょう。

また腎臓癌の治療方法はいくつかご説明いたしますが、基本的には外科的手術を行います。2つある腎臓の1つは取ってしまっても、もう片方で補う事ができるとされています。

転移や再発を防ぐ為には外科的手術が最も効果的です。

 

超音波検査

超音波検査は苦しい検査ではなく、痛みもない、身体にも負担の少ない検査です。さらに腎臓の腫瘍を見つけるのに最も有効的な検査です。

副作用もほとんどなく、小さなブローブと呼ばれる機械を直接腹部や背中に当てます。

モニタ画面上で映像としてその場で見る事ができます。癌のある部分は、正常な部分とは違う光り方で見えます。

 

CT検査

X線検査での単純撮影と造影剤を使用した撮影方法があります。

腎臓の場合には、腕や足の静脈から造影剤を点滴注射します。臓器や血管の染まり具合、尿中に排泄される造影剤により、腎臓や尿管、膀胱等の診断を的確にしていきます。

腫瘍の大きさ・性状・周囲の臓器への広がりを調べる事ができます。

 

MRI検査

CT検査だけでは診断が難しい場合に行う検査方法です。磁気を使って様々な方向から断層像を撮影します。CTよりも細かいところや血管も鮮明に映す事ができます。

下大動脈という腎臓の横を通っている静脈に癌がある場合や、肝臓等の近くの臓器に癌が転移している場合にも有効的です。

腎臓癌の検査でMRI検査はとてもよく行う検査方法です。

 

尿路造影法手術

造影剤を静脈に入れて、尿の流れに異常があるかどうか、形状等を調べます。

癌の可能性が高い場合には、膀胱鏡を尿道から入れ、膀胱内の尿管口からカテーテルといわれる細い管を挿入します。その時に直接尿を採取し、尿細胞診検査を行います。

 

根治的腎摘除

癌の腫瘍が大きい場合、腎臓の周囲の組織やリンパ節、副腎をまとめて摘除する方法です。全て取り除く為、手術をした部位の再発はありません。

腎臓は身体に2つあり、もう1つの腎臓が2つ分の働きをしてくれるので、特に問題はありません。

転移や再発を防ぐ事ができ、最も成功率の高い手術方法です。

 

腎部分切除

腎臓癌である腫瘍と腎臓の一部を切除する方法です。癌の腫瘍が直径4cm以下の場合に行われます。

腎臓の機能を維持する事ができ、再発率も生存率も全摘出術と大きな差はありません

 

内視鏡下手術

お腹に小さな穴を開け、腹腔鏡というカメラを入れます。そのカメラからモニタに映し出される映像を見ながら手術を行います。

術後の回復が早いというメリットがあります。

 

免疫療法

腎臓癌は免疫療法の効果が認められていて、様々な方法が考案されています。

ですが、骨や肺・リンパへの転移や再発の可能性がある為、基本的には外科的手術が確実な治療方法です。

免疫療法はあくまでも手術ができない場合や、再発防止の為の補助療法になります。

 

放射線治療

腎臓癌には放射線治療はあまり効果がないとされている為、あまり実施される事はありません。

ただ、患者さんに体力的な問題や、手術を行えない場合には放射線治療が行われます。

 

分子標的治療

分子標的治療では4つの分子標的薬を使用します。

2つは癌が栄養を得る為に血管を作り出す事をブロックします。もう2つは癌の増殖を調節する酵素の働きを抑え、癌の増殖を抑制します。

 

腎動脈塞栓術

患者さんの体力がない場合や、腎摘出術ができない場合に行います。

足の付け根の内側の大腿動脈からカテーテルを挿入します。腎動脈まで進めて塞栓物質を注入し、腎動脈をふさぎます。

癌細胞への血液を止め、癌を壊死させる事ができます。

 

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腎臓癌を予防しよう

 

腎臓癌の早期がんの5年生存率は90%以上ですが、腫瘍の直径が5cm以上の場合には予後は悪くなります。

また腎臓癌は治療後10~20年の間は再発の可能性がありますので経過観察が必要です。その為、腎臓癌には早期発見・早期治療がとても重要になります。

最後に早期発見の方法や腎臓癌の予防法についてご説明いたします。

 

定期健診

やはり定期的に健康診断を受ける事はとても大事な事です。腎臓癌の場合には、人間ドック等で発見する事ができます。

近年の人間ドックでは腫瘍マーカーまで調べる事ができますので、きちんと受けましょう。

腎臓癌は初期症状が現れにくい病気でもありますので、自覚症状がなくても必ず健康診断を受けてください。

 

禁煙

たばこは絶対にやめましょう。

腎臓は有害物質を排出する働きを持っている為、たばこによる影響をとても受けやすいです。

また腎臓癌だけでなく、その他の癌や生活習慣病、あらゆる病気の原因となるたばこですので、やめましょう。

 

減量

肥満は血液をドロドロにしたり、腎臓癌のリスクを高めます。日常生活の中で少しでも運動を取り入れ、食生活にも注意して減量を行いましょう。

癌だけでなく、生活習慣病の予防にもなります。なるべく歩くようにしたり、意識的に運動をするように心掛けましょう。

 

食生活の改善

高カロリーの食事を好む人、また塩分の高い食事にも要注意です。

糖尿病や高脂血症、動脈硬化、高血圧等を招く危険性もあります。

緑黄色野菜やビタミンCの多く含まれている果物等が腎臓癌のリスクを低くする事ができます。塩分の摂り過ぎも腎臓に大きな負担をかけます。

また手術後には腸閉塞が起きやすくなる為、繊維質の多い食べ物も意識的に摂りましょう。バランスの良い食生活を心掛けましょう。

腸閉塞に関してくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
腸閉塞の手術時間や入院期間!【術後も安心できません!】

 

がん遺伝子検査

患者さんが持っている遺伝子を調べる事で、病気の予防やその人に合わせた治療を行う事ができます。

個人の細胞の遺伝子情報から、病気のかかりやすさや、体質等を知る事ができます。

画像診断や内視鏡検査では発見できないような小さな癌細胞(5mm以下)のものも早期発見する事ができます。

費用は高めですが、癌になりそうな兆候、軽度の遺伝子異常を発見する事ができ、癌になる前に未然に防ぐことができます。

 

がん検査キット

近年では病院に行く事なく、自宅で手軽に検査のできるがん検査キットというものがあります。

がん検査キットはあくまでもスクリーニング検査であり、病名の特定までを行う事はできません。ですが、郵送可能なもの等、自宅で手軽に行う事ができる検査です。

 

スクリーニング検査によってがんになっている可能性があるかどうかを調べる事ができます。

もちろん何らかの自覚症状がある場合、少しでも異常を感じる場合には必ず病院に行ってください。

早期発見・早期治療を行う事で完治させる事が可能になります。

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