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腸閉塞の手術時間や入院期間!【術後も安心できません!】

<監修医師 吉野 聖奈>
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腸閉塞になったら手術時間や入院期間はどれぐらいかかるのでしょうか?

無事手術を終えたとして、術後はどうなるのでしょう?費用はいくらぐらいかかるのか?など不安になりますよね。

今回は、腸閉塞の症状と治療から手術後の流れまでをお伝えしたいと思います。

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腸閉塞の症状

 

腸閉塞の自覚症状は、腹痛、疝痛から始ります。

疝痛とは空洞状・管状の臓器の筋肉の異常収縮により起こる、鋭い痛みをもった潜在性の急性腹痛のことです。

この疝痛が強まったり弱まったりを繰り返し、やがて吐き気や嘔吐がおこります。その他にも、脈が早くなる頻脈、発熱、脱水、排便・排ガスの停止、尿量の減少などが出るケースもあります。

 

腸が詰まるので便秘や排ガスの止まりが起こりますが、部分的な閉塞で下痢が起こる場合もあります。

嘔吐物は、最初は白色で透明の酸っぱい胃液か、黄色く苦い胆汁ですが、進行すると変化してきます。

腸が詰まり汚物が進めなくったのが原因で逆流するために、便臭を持った嘔吐物が出るようになります、これを吐糞症といいます。

高齢者の症例では、便秘がちで硬くなった便が詰まるケースもあります。

 

腸閉塞は、腸が捻じれたり、詰まったりして起こる機械的腸閉塞神経や痙攣によって腸が動かなくなって起こる機能的腸閉塞の2種類に大きく分けることができます。

機械的腸閉塞はさらに、単純性複雑性に分けられます。

 

✅ 単純性腸閉塞(単純性、閉塞性)

お腹を切開する開腹手術を行うと腹壁と腸が癒着を起こします。

これが原因で腸が折れ曲がったり、捻じれを起こすパターンが多いようです。盲腸を摂る手術をした後に腸閉塞で再手術等がこれにあたります。

他にも、大腸がん・ポリープ等の腫瘍、胆石、寄生虫の集まり、宿便などが詰まってしまう為に起こります。

✅ 複雑性腸閉塞(複雑性、絞扼性)

腸の中に腸が入り込んでしまう腸重積や腸が捻じれる腸軸捻転、鼠蹊部や大腿部で腸が飛び出してしまう鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア等が原因で腸が塞がれてしまう状態です。

中でも腸に血液を送る腸間膜が捻じれてしまう絞扼性腸閉塞は、血行障害から壊死を起こしてしまう恐れもあり、早急に手術が必要になるケースがあります。

 

機能的腸閉塞は麻痺性痙攣性に分けられます。

✅ 麻痺性腸閉塞

腸の運動が麻痺して、宿便が停滞してしまう状態です。原因は脳疾患や腸間膜血管の閉塞、腹膜炎、手術後の神経麻痺、ストレス、ショック、薬剤の副作用で起こります。

✅ 痙攣性腸閉塞

尿管結石、ヒステリー、胆石、虫垂炎、等により、腸管が部分的に痙攣して、宿便の移動に問題が生じます。

 

似たような症状についてはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
腸捻転の症状チェック【原因を知って治療しよう】

 

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腸閉塞の治療

 

腸閉塞の検査は主に次のように行われます。単純X線検査、腹部超音波検査、CT検査、注腸、イレウス管、血管造影などを患者への負担が少ない順に行ないます。

 

腸閉塞の治療によく用いられるのが、イレウス管です。閉塞している場所によって、小腸に近ければ鼻の穴から、大腸側では肛門から入れられる管状の器具です。

腹腔鏡的に内部を検査できるほか、詰まっている排泄物などを吸引することもできます。

イレウス管を挿入後は絶食し、点滴をしながら約2週間の経過観察を行ないます。イレウス管による腸内の減圧と、脱水の改善、抗生物質の投与による腸閉塞が解除されるのを待つ治療です。

 

このような保存療法をメインに進めていくのは、開腹手術を行い癒着が起こると再び腸閉塞になる危険がある為になるべく手術をしないで治療した方が再発の危険も減らせるからです。

しかし、絞扼性腸閉塞(腸捻転)、腸重積、ヘルニアなどが原因であると判断したり、再発を繰り返すケースでは開腹手術となります。

手術にはだいたい5~8時間かかり、腸閉塞で入院した患者の平均入院日数は13日、そのうち手術を受けた患者は平均17日間の入院となっています。

 

腸が痛い場合の対処方法についてはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
腸が痛い9つの原因【対処法も確認しよう】

盲腸(虫垂炎)になる4つの原因!ストレスのせいって本当?

 

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腸閉塞術後も安心できません

 

腸閉塞は、手術後も注意が必要です。手術の次の日には、歩き回ることはできますがトイレを普通にできるようになるのが3日目でまだ食事はできません。水分を摂れるようになるのが4日目、5日目に重湯、6日目から3分粥か5分粥になり、全粥が食べられるのは8日目以降です。

 

開腹手術により腸閉塞が無くなっても、開腹したことによる新たな癒着が起こると再発のリスクがあります。

術後は麻酔により腸の蠕動運動が停止してしていますが、麻酔が切れても蠕動運動が回復しないと、食欲不振、嘔吐、腹痛、膨満感、排ガスの停止や便秘が起こります。

 

稀に再手術となるほか、緊急手術による合併症として胃の中に残っていた消化物が気管に逆流すると細菌感染による肺炎のリスクが生じます。

腸閉塞の入院費用は、手術費もいれて20~30万円ぐらいになるようです。

手術が必要かどうかの判断は医師にも難しく、経験の豊富な外科医に委ねるのが相応とされています。

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