プロペトの4つの副作用!顔や唇への使用についても解説!
<監修薬剤師 藤沢 淳司>
プロペトとは、純度の高い白色ワセリンの事で、肌の保湿や保護に主に使用される外用薬のことです。
一番安価で販売されている黄色ワセリンと比べ、肌への負担が少ないのが特徴です。
ですが、医薬品はどんなものでも副作用が生じる可能性があります。
今回はプロペトの副作用、そして顔や唇、赤ちゃんに使用できるのかどうか、また使用時の注意点についてお伝えしたいと思います。
プロペトの効果や市販情報についてはこちらの記事を参考にしてみて下さい。
プロペトの4つの副作用
それでは早速プロペトの4つの副作用についてご紹介します。
かぶれ、赤み、発疹
プロペトは副作用の少ない外用薬ですが、副作用の中でも多いのがかぶれ、赤みや発疹です。
赤みなどが出てしまったらプロペトの使用をやめ、他の保湿剤などに切り替えましょう。
ニキビ
プロペトは油ですので、毛穴をふさいでしまいニキビを悪化させてしまうことがあります。
ニキビの上やニキビができやすいところは塗るのを避け、また他の部分もなるべく薄塗りにするようにしましょう。
色素沈着
プロペトなどワセリンは、紫外線に当たると焼けやすくなり、色素沈着につながる可能性があります。そのため、プロペトをつけただけで外に出るのはお勧めしません。
しっかりと日焼け止めを塗れば色素沈着は防げますので、外に出る際は十分注意してくださいね。
かゆみ
アトピー性皮膚炎の方にも有効なプロペトですが、例えば入浴後など、肌が熱を持っている時に塗ると、体内に熱がこもりやすくなり、かゆみが出ることがあります。
プロペトは、肌への刺激がすくないのが特徴ですが、体質的に合わないということもあります。上記のような症状が出た場合は、プロペトの使用を中止してください。
できれば保湿剤を変更するのが望ましいですが、白色ワセリンのもう一段階精製度を上げたものを使用するのも手です。
サンホワイトという医薬部外品で、プロペトより高価ですが薬局やネット通販で入手することができます。ただし、副作用の症状がひどい場合は病院で診察を受けることをお勧めします。
プロペトは顔や唇に使用できる?
今回はまずは副作用からお伝えしましたが、元来プロペトはお肌に非常に優しい成分でできています。その理由をご説明しましょう。
プロペトは自然成分
プロペトなどワセリンは石油から作られている油です。石油と聞くと、あれっ?と思われる人もいるかもしれませんが、石油は自然成分で、大昔の植物や動物が変化した有機物です。
また、元は石油から取れるワックスからできていますが、人の肌に触れても大丈夫なくらい精製度を高めています。
油なので、皮膚から吸収されることはありませんし、プロペトは精製度が高いので、眼科の軟膏の基剤として使われるほど。目の中に入れても大丈夫なくらい安全なものです。
プロペトは顔や唇への使用にぴったり
ドラッグストアでよく見かける、黄色っぽいワセリン(Vaselineと表記があったりします)をご存知でしょうか。
これはプロペト(白色ワセリン)よりも純度の低い黄色ワセリンです。もちろん、黄色ワセリンも肌の保護や保湿にぴったりです。ですが、それよりも純度の高いプロペトは皮膚の薄い部分、顔や唇の使用に適しているのです。
さて、肌に優しく、顔や唇にも使える万能なプロペトですが、幾つか使用上の注意点があります。
次の項目で詳しくご説明します。
プロペトを使うにあたっての注意点
プロペトは、肌にすっと伸びやすいワセリンで、肌の表面に油の膜を張ってくれます。すると、肌表面の水分を保持することができ、しっとりとした肌を得ることができます。
幾つか注意点をご紹介しますので、正しくプロペトを使いこなしましょう。
プロペトをつけるときの注意
プロペトをつけるときは、決して肌にすり込まないようにしてください。すり込むと肌への刺激になってしまいます。
しっとりとした肌を実現するためにも、塗り方は非常に大事です。プロペトは肌にのせるような感じで優しく、薄く馴染ませましょう。
さらに、先ほどもお伝えしたように、日光を長時間浴びるときは日焼け止めを忘れずに。色素沈着を防ぐためです。
アトピーの方は使用方法に注意
プロペトはアトピー性皮膚炎にも有効な薬で、皮膚科でもよく処方されます。ですが、アトピーの方の皮膚はとてもデリケートですので、必ずしも全員の方に有効というわけではないようです。
もし、プロペトをお試しになりたい方は以下の点に注意してください。
① 風呂上り直後の使用は避ける
② 保湿剤と組み合わせて使う(保湿剤を先に使用すること) ③ 寝る時など、肌が擦れて痒くなるのを防ぐために使う ④ 夏は使用を控えめにする |
汗をかきやすい時期はプロペトを大量に使うのはお勧めできません。
赤ちゃんの肌に使用する場合に注意すること
プロペトは肌に優しいのでもちろん赤ちゃんの肌にも使用できますし、赤ちゃんがなめてしまっても全く影響ありませんので安心してください。
ただし、赤ちゃんの肌は大人の肌と異なる部分もあるので、次のことに注意してください。
① 赤ちゃんにプロペトを使用する場合は、普段の肌の保湿用に使用するのがおすすめです。発疹や皮膚炎のある肌には使用しないでください。
② 赤ちゃんは大人より汗をかきやすいです。汗腺をふさがないよう、汗をかきやすい部分(脇や肘、膝の裏側など)は避けて、薄く塗るようにしてください。
③ 赤ちゃんのあせもにはプロペトを使用しないでください。
赤ちゃんに肌トラブル!そんなときは
赤ちゃんの肌は刺激に非常に敏感です。汗、オムツのムレなどであっという間に赤くなったり発疹が出てしまったりするでしょう。
プロペトは油で皮膚表面をラップしているように保護するものですから、赤みや発疹、炎症を治すことはできません。
新生児や乳児の赤みや発疹がある肌を治療するのにお勧めなのは、プロペトではなく、キンダベート軟膏です。キンダベート軟膏は、マイルドなステロイド成分の入った軟膏で、乳児や幼児に処方される塗り薬です。
もし、赤ちゃんが乳児湿疹やおむつかぶれ、あせもなどの症状がある場合は、こちらを使用してみてください。
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まとめ
さて、今回はプロペトの副作用や使用上の注意点についてお伝えしましたがいかがでしたか?
敏感な肌をお持ちの方は、十分注意して使用するようにしてください。最初は小さな範囲で試し付けをしてみて、徐々に面積を広げてみてくださいね。
プロペトの効果や市販情報についてはこちらの記事を参考にしてみて下さい。
普通〜やや敏感肌の方は、塗り方さえ気をつければ、ニキビや色素沈着などの副作用は抑えられますし、身体中に使えるプロペトは本当に便利です。ぜひ、プロペトでしっとり肌を目指しましょう。
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