お腹がぐるぐる鳴る原因はコレ!下痢なのは病気かもしれない
<監修医師 吉野 聖奈>
「お腹がぐるぐる鳴るのはどうして?」と原因が気になる方、真面目な席で急に鳴るのは恥ずかしくてたまらないですよね。
せめてなぜ鳴るのか知りたいところです。
そこで今回はお腹が鳴る原因についてご紹介します。
また「お腹がぐるぐる鳴る上に下痢なのはなぜ?」と下痢にも苦しんでいる方、それはもしかしたら病気が原因かも知れません。
お腹が鳴る場合と下痢の関係性についてもご紹介します。最近お腹の調子が気になっている方、ぜひご覧下さい。
お腹がぐるぐる鳴る原因
そもそもなぜお腹が鳴るのかというと、それはお腹の部分にある内臓が音の発信源です。
お腹の部分にある内臓といえば、胃や腸といった消化器官です。
特に腸は「ぜん動運動」と呼ばれる収縮を繰り返す器官です。
ぜん動運動によって胃からの分泌物や消化液と飲食した物を移動させるのです。
動く器官ですから、音が出やすいとも言えます。
そしてなぜ腸が動くのかというと、様々な理由がありますのでご紹介していきます。
お腹が空くとお腹が鳴る
誰もが経験したことがあるとは思いますが、「お腹が空いたときに」お腹がぐるぐると鳴りますよね。
なぜお腹が空くと腸が動くのかというと、「空腹期収縮」と呼ばれる作用が腸で起きるからです。
空腹期収縮とはその名の通り、空腹時に腸が収縮する作用を指します。
なんとなく胃が最も働くのはご飯を食べている最中だと思いがちですが、じつは腸を食べ物が通過し終わってからの方が腸は活発に動くのです。
なぜなら、腸のひだなどにかすかに残ってしまっている食べ物のカスなどを完全に腸の外への運び出す必要があるからです。
私たちもチューブにかすかに残ったマヨネーズは、全て絞りだそうと思って強く上から順に絞っていきますよね。
腸でも同じ事が起きるのです。
そして激しく腸が動くために、「ぐるぐる」とお腹が鳴るのです。
つまりお腹がぐるぐる鳴ると言うことは「掃除が終わったから次の食料が入ってきても大丈夫だよ!」と腸が主張しているという証になります。
お腹が鳴るのは恥ずかしいですが、腸が元気に働いている証だと思うとお腹が鳴っても仕方なく感じますね。
なお、もっとも空腹期収縮が起きやすくなるのは食事を終えてから7時間前後となります。
空腹時のお腹の音を聞かれたくない用事があるときは、食事時間と用事の時間を逆算しておくとよさそうです。
満腹でもお腹は鳴る
逆にご飯を食べた後にお腹がぐるぐると鳴ってしまい、「まだ満足できないの?」と同行の人に呆れられるという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かにお腹いっぱいのハズなのに、なぜお腹が鳴るのでしょうか。それは腸が正常に働いている証だからです。
空腹時にも腸は動きますが、満腹時にも腸はぜん動運動を行います。
それは食べたものを消化する必要があるからです。
腸や胃が活発に活動することで身体の健康は守られます。
食事の後にお腹が鳴って「まだ食べる気?」と言われたら堂々と「消化中だからだよ」と答えておきましょう。
はっきり理由を告げられれば、お腹が鳴る音を聞いた相手も納得してくれます。
身体の正常な働きに文句をつけることなど誰にも出来ませんからね。
食べ方の問題でお腹が鳴る
腸が動くのは食べ物を消化するときだけではありません。腸に充満したガスにより動く場合もあります。
またガスだけではなく、「空気」が原因となって腸が動くこともあるのです。
しかも口から含んだ空気はお腹が鳴る原因となるだけではなく、おならの原因にもなるのです。
おならが臭い場合は、食べたものの影響を受けています。
不必要な空気を口から摂取してしまう大きな原因は「食べ方」にあります。
早食いやよく噛まずに食べ物を飲み込むと、一緒に空気も飲み込んでしまうことになります。
また朝ご飯をいつも食べないなど、三食きちんと摂らない人もお腹がよく鳴る傾向にあります。
頻繁にお腹が鳴ることが悩みの種の方は、もしかしたら習慣化した食べ方に原因があるかも知れません。
一度、自分の食べ方を見直してみるといいでしょう。
妊娠中にお腹が鳴りやすくなる
妊娠すると、お腹がぐるぐると鳴りやすくなります。
これは、妊娠中に血液の循環が良くなるために以前より身体が脈動に敏感になることが原因です。この時無理に便意を感じても我慢すると便秘になりやすくなります。
便秘は妊婦の大敵なのでシグナルと捉え、便秘解消に励みましょう。
また同じ「お腹が鳴る」でも、妊娠の経過によって原因が変わります。
妊娠初期は腸のぜん動が原因ですが、妊娠初期を過ぎてからのお腹の動きは実は「赤ちゃんの胎動」です。
最初のうちは腸の動きと見分けがつきませんが、徐々に慣れると赤ちゃんの動きが分かるようになっていきます。
また生理前もお腹がぐるぐるしやすいですが、これはホルモンバランスの乱れが原因です。
生理の周期によってはまた正常に戻るので、心配はいりません。
お腹がぐるぐる鳴るし下痢もおこる原因
どれも正常な消化器官の働きとして避けることが出来ない理由が多いですが、もしも下痢まで併発している場合は、病気のシグナルかも知れません。
お腹がグルグルと鳴る上、下痢も起きる原因についてご紹介します。
腸内の炎症
腸内の内膜に炎症が出来た場合、消化機能に支障をきたし下痢を催すことがあります。
痛いと感じる場合とそうでない場合どちらも可能性があります。
また腸内に炎症が出来ると、腸の機能が低下します。
低下した機能を補うべく分泌液の量が増え、お腹が鳴りやすくなるのです。
腸内に炎症が起きる原因としては、細菌やウイルス、アレルギーや食習慣などざまざまな理由が考えられます。
胃腸炎は傷んだ食品を食べたときだけではなく、ウイルスが原因で罹患することもあります。
食べてすぐ腹痛や胃痛を感じたり吐き気や気持ち悪いといった症状が併発した場合は、胃腸炎を疑うといいでしょう。
細菌で有名なものはコレラ菌やサルモネラ菌、O-157があります。ウイルスではエンテロウイルスやロタウイルスなどが有名です。
また「夏風邪」として有名な胃腸風邪も消化機能に支障をきたします。
食習慣ではアルコールの過剰摂取や暴飲暴食が挙げられます。
食べ過ぎは胃腸の機能を著しく低下させる原因になります。
また寝る前に食事をする場合も、胃腸に負担をかけてしまいます。
いずれにしても原因を特定することで治療を行うことが出来ますので、お腹がぐるぐる鳴って「水っぽい下痢」が出るようであれば医療機関を受診した方がいいでしょう。
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過敏性腸症候群
お腹がぐるぐる鳴るだけに止まらず、下痢まで起きている場合は、過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)という病気かも知れません。
ただし病気とはいえ、病院で診察してもハッキリした理由が分からないことが多いため、罹患しているのに気がつかない人が多い病気です。
自律神経失調症の一部として考えられています。
身体に目立った異常は起きていないのに胃や腸に異変が起きる病気で、患者さんのうち大部分がストレスで症状を発症すると考えられています。
ストレスにより自律神経に狂いが生じた結果、胃腸の働きがおかしくなってしまうことが原因です。
たとえ下痢止めの薬を飲んだとしても、原因であるストレスを解消しなければ症状はいつまで経っても改善しません。
「お腹が鳴るしずっと下痢が止まらない」と長く続く症状にお悩みの方は、早めに医療機関で受診しましょう。
病名が判明すれば改善すべき原因もハッキリするので、精神的な負担からは解放されます。
まとめ
お腹がぐるぐる鳴るのは、胃や腸が消化している証拠です。
健全な身体機能の維持にはなくてはならない機能です。
とはいえデート中や大事な商談中にうるさいくらい鳴ると困るという方は、食事時間を考慮すると防ぐことが出来ます。
またお腹が鳴るだけではなく下痢も起きる場合は、消化器官に支障が出ている証拠です。
痛くない場合でも一度医療機関を受診することをお勧めします。
無理に我慢するよりも、理由がハッキリした方が気持ちが楽になりますよ。
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