アスベリンの副作用はコレ!【2つの効果に驚き!】
<監修薬剤師 cinnamon>
「アスベリン」は、一般名 “チペピジンヒベンズ酸塩” が主成分の鎮咳(ちんがい)薬です。
鎮咳薬とは、咳を鎮めるとともに気管の繊毛運動を活発にして、痰を出す作用がある薬の事です。
咳は気道の異物を出そうとする身体の防御反応のため、むやみに止めればよいというものではなく、特に子供や高齢者の場合は気道の抵抗力が弱く炎症を起こしやすい上、痰を出す力も弱いので、適切な薬による治療も必要になります。
今回はそんなアスベリンの効果や副作用について解説していきます!
気になる所から確認してみよう
アスベリンの特徴や注意点
アスベリンの特徴
アスベリンは、咳を抑える作用・痰を排出しやすくする作用を持つ咳止めで、副作用も少なく安全性の高い咳止め薬「鎮咳薬」です。
鎮咳薬には「麻薬性」と「非麻薬性」がありますが、
✅ 麻 薬 性 : 効果はしっかりしているが、耐性や依存性があり、便秘などの副作用も起こりやすい
✅ 非麻薬性 : 効果は麻薬性よりには劣るが、耐性や依存性はなく、副作用も少ないという特徴があり、アスベリンは「非麻薬性」に属し、1歳未満からでも使用することが出来、錠剤以外にも乳幼児から高齢者まで飲みやすい散剤やシロップ剤などがあります。
✅ アスベリンの剤型 〔錠剤〕 アスベリン錠10㎎、20㎎
〔散剤〕 アスベリン散10%
〔ドライシロップ〕 アスベリンドライシロップ2%
〔シロップ〕 アスベリンシロップ0.5%
アスベリンシロップ「調剤用」2%
と、多くの剤型があります。
※ 耐 性 ; 薬を連用していると、身体が薬に慣れてしまい徐々に効果が悪くなること
※ 依存性 ; その薬に依存してしまい、薬を止められなくなってしまうこと
アスベリンの特徴をまとめると、
✅ 咳を抑える作用、喀痰を排出しやすくする作用を持つ咳止め
✅ 非麻薬性であり、耐性や依存性もない ✅ 副作用は少なく、安全性が高い |
となります。
アスベリンの注意点
アスベリンは、他の去痰薬などと併用するのが一般的ですので、飲み合わせ等の注意も必要になります。
アスベリンと一緒に処方される主な薬
✅ 去痰剤 : ムコダイン、カルボシステイン、ムコサール、ムコソルバン
✅ 抗生物質 : クラリス ✅ アレルギー用薬 : オノンドライシロップ ✅ 抗ヒスタミン剤 : ポララミン ✅ 気管支拡張剤 : ホクナリンテープ ✅ 解熱鎮痛剤 : カロナール |
これらは、咳・痰・鼻水・くしゃみ・熱など、風邪の代表的な症状に対応するために一緒に処方されることがあり、併用に問題はありませんが、薬の効果には個人差がありますので、服用中に異変を感じた場合は、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
アスベリンが効果を発揮する7つの症状
アスベリンの効能・効果
アスベリンが処方される主な疾患として、感冒、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺炎、肺結核、気管支拡張症 などがあります。
アスベリンには、上記のような疾患に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難に効果がみられるもので、主にウイルスや細菌などによる感染症です。
殆どがRSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザなどのウイルス感染によって咳をもたらします。
✅ アスベリンは、感染症によって咳が出て、痰を出すのが困難な場合に効果的です。
✅ 服用後、30~60分後に効き始め、効果は5~6時間続くとされています。
✅ 食前食後などの指定はなく、年齢に応じた用量と、1日の回数は指示されています。
✅ 飲み方は、なるべく水が適していますが、牛乳で飲んでも大丈夫です。
アスベリンの使い方
アスベリンは通常、成人には 1日 60㎎ ~ 120㎎ を 3回分割経口投与
小児には 1日 1歳未満 ; 5 ~ 20㎎
1~3歳未満 ; 10 ~ 25㎎
3~6歳未満 ; 15 ~ 40㎎3回分割経口投与
尚、年齢、症状により適宜増減があります。
アスベリンの副作用
アスベリンは鎮咳薬の中でも非麻薬性鎮咳薬であり、耐性や依存性もなく副作用も少ない安全性の高い咳止めですが、まれに副作用もあります。
主な副作用として ・食欲不振、便秘
重大な副作用として ・咳嗽、腹痛、嘔吐、発疹、呼吸困難等を伴うアナフィラキシー症状
その他副作用として
・精神神経系(興奮): 眠気、不眠、めまい
・消化器系(腹痛): 食欲不振、便秘、口渇、胃部不快感、膨満感、軟便、下痢、悪心
・過敏性(発疹): そう痒感
などがあります。
その他に、
✅ アスベリンを服用すると尿が赤っぽくなることもありますが、これは代謝物(アスベリンが分解されて出来た物質)の影響によるものですので、ビックリされると思いますが、何か問題がある副作用ではなく、単に代謝物の色というだけです。
✅ 眠気が現れた場合は、車の運転や危険を伴う作業は控えましょう。 ※ 禁忌:アスベリンの成分に対し、過敏症の既往歴がある方 又、下記の場合は注意が必要です。 ✅ 高齢の方への投与 ✅ 妊婦、産婦、授乳婦 等への投与 ✅ 過剰摂取 |
アスベリンは古いお薬ですが、安全性が高く子供から大人まで使えるお薬で、多くの疾患で処方されるため現在でも一般内科を中心に広く処方されているお薬です。
処方された用法用量を正しく守って服用しましょう。もし異変を感じた場合は、正しい対処をするためにもそのまま服用せず、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
又、咳が出た時には加湿器など部屋の湿度を適度に保ち、水分を取って安静にしましょう。特に乳幼児や子供は抵抗力が弱いため、日頃から部屋の環境にも注意が必要です。
ハウスダストやダニなど、咳の原因となるものは取り除き、タバコを吸われる方は控えるなど咳が酷くならないような環境を作ることを心がけましょう。
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