クラバモックスの簡単な飲ませ方！【副作用の下痢が心配・・】
＜監修薬剤師 サリー＞
小児用内服薬として処方されるクラバモックスですが、子供に薬を飲ませるにあたっては工夫が必要になりますよね。それに副作用の有無も心配です。
そこで今回は、クラバモックスの簡単な飲ませ方を解説します。また心配な副作用の下痢とその他の注意事項についても解説します。
クラバモックスの効果
クラバモックスは主に子供に処方される抗生物質ですが、どんな場面で処方されるのかをまず解説します。
殺菌作用
クラバモックスは合成ペニシリン系の抗生物質です。
配合されている「アモキシシリン」が細菌が細胞壁を合成する機能を阻害します。細胞壁が合成できないと、細菌は浸透圧の作用により死んでしまいます。
またクラバモックスには「クラブラン酸カリウム」も配合されており、こちらはアモキシシリンの働きを補助し、無効化を防ぐ役割を担っています。
抗菌作用
体内に侵入した細菌が増殖するのを防ぐ作用がクラバモックスにはあります。
効果のある症状
細菌が体内に侵入したことが起きる各症状に効果があります。主にクラバモックスが使用される病気には以下のようなものがあります。
✅ 耳鼻咽喉科感染症(扁桃炎･咽頭炎や急性気管支炎など)
✅ 中耳炎
✅ 副鼻腔炎
✅ 皮膚感染症
✅ 泌尿器感染症(膀胱炎など)
✅ 好気性のグラム陽性・陰性菌
✅ 溶連菌感染症
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クラバモックスの副作用
強いショック症状を伴う副作用が皆無ではなく、まれにひどい副作用が出る場合があります。
異変に気付きすぐに対応すれば命に別状はない副作用ばかりです。まずはどんな副作用が出るのか、よく理解しておく必要があります。
下痢・嘔吐・軟便・腹痛
消化器官の不調が副作用として起こる可能性が非常に高いのが、クラバモックスの特徴でもあります。これは抗菌作用により腸内環境のバランスが崩れるためです。
軟便程度の症状であれば、放置していれば症状はやがて治ります。ただしひどい下痢が続くようであったり、便に血が混じるようであれば医療機関を受診した方がいいでしょう。
かゆみ・発熱・めまい
痒みや発熱を伴う発疹症状が出た場合、アレルギー反応による症状が出たと考えていいでしょう。
放置したり、症状を無視して薬の服用を続けると、最悪の場合アナフィラキシーショックが出る場合もあります。アレルギー症状のような湿疹が出た場合は、早めに医療機関を受診します。
接触性皮膚炎
接触性皮膚炎とは、ある物質と皮膚が接触したことで刺激やアレルギー反応が皮膚に生じ、痒みを伴う湿疹がでる症状を指します。
直接原因となる物質が接触した事で症状が出る場合もありますし、飲食により原因物質を服用したことが原因となって症状が出ることもあります。
クラバモックスの服用による接触性皮膚炎の原因は後者になります。
これは体がクラバモックスを｢異物｣として認識してしまったためで、一度症状が出た場合、症状が治まってもクラバモックスを服用すると再び発疹が発生します。
過去にクラバモックスを服用したことが原因で接触性皮膚炎を起こした人は、その旨医師に伝えて別の薬を処方して貰うようにしましょう。
モニリア症
モニリア症とは、酵母(カンジダ・アルビカンス)に感染したことで起きる症状で、オムツかぶれとも呼ばれます。この酵母は私たちの体内に普段から存在していますが、免疫が弱った際などに炎症を引き起こす存在です。
クラバモックスの服用による副作用としては非常に稀ですが、長く服用を続ける人に見られる症状です。
服用に注意が必要な人
親兄弟などの血縁者に以下の症状を持つ人がいる場合、アレルギー症状が出やすい可能性があります。医療機関でクラバモックスを処方された場合は、医師に相談した方がいいでしょう。
| ✅ アレルギー体質
✅ ショック症状(気管支喘息・蕁麻疹)が出たことがある ✅ 伝染性単核症の疑い、あるいは起こしている患者 ✅ 肝機能障害を起こしたことがある |
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また妊娠中･授乳中の女性も服用には注意が必要です。その他、現在別の病気の治療を受けている人は薬の飲み合わせによっては相互作用を引き起こしたり、薬の効果を半減させてしまいます。
以下の薬を服用中の方は医師に相談の上、服用するかどうかの医学的判断を仰ぎましょう。
✅ 経口避妊薬(ピル)を服用中の方
✅ 痛風の薬(ベネシッド)を服用中の方
✅ 血栓の薬(ワルファリン)を服用中の方
✅ 免疫抑制薬(ミコフェノール酸など)を服用中の方
クラバモックスの簡単な飲ませ方
以前は自分で計量して服用しなければならなかったクラバモックスですが、現在は飲みやすいように1回分が分包されたドライシロップを服用直前に水分に溶かして服用するのが一般的です。
ドライシロップはもともと小児用に開発されたもので、薬の独特な味が苦手な子供でも飲みやすいように、人工的に甘い味付けが加えられた薬です。
とはいえ、ほのかな甘みですので、やはりそのまま水に溶かしただけでは子供にとっては飲みにくい味と言えます。子供が嫌がらず飲めるように工夫する方法について、ご紹介します。
甘い飲み物に溶かす
基本的にはドライシロップは水に溶かしますが、飲みにくいようであればジュースに溶かしても薬の効能に変化はありません。
おすすめの飲み物は以下の通りです。
| ✅ オレンジシュース
✅ チョコレートアイス ✅ バニラアイス ✅ ヨーグルト ✅ プリン |
特におすすめはオレンジジュースです。
チョコレートアイスとバニラアイスはよく溶かしてから薬を溶いて服用するようにします。冷たいまま飲むとお腹を冷やしてしまい、副作用である下痢の症状が出やすくなるので温度には注意が必要です。
逆に飲みにくくなる飲み合わせ
甘い味なら何でもいいというわけではなく、中には逆に飲みにくくなる組み合わせもあります。
以下の飲み物と飲み合わせるのはやめましょう。
✅ 牛乳
✅ りんごジュース
✅ 乳酸菌飲料
ジュースならば何でも合うわけではなく、味によっては逆に苦味が倍増されるので注意が必要です。
牛乳の特徴についてはこちらを参考にして下さい。
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感染症に効果があり、副作用が少ないためクラバモックスは子供の感染症治療によく処方される抗生物質です。
ただし完全に副作用がないわけではなく、クラバモックス本来の働きのせいで便が緩くなたり下痢症状を起こしやすいので注意が必要です。
また子供用には水で溶かして飲むドライシロップタイプのクラバモックスが主流ですが、飲みにくく感じる場合は水以外の甘い飲み物に溶かすと抵抗なく服用できるようになります。
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