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子供のうつ熱が心配【症状や対処法、高齢者うつ熱など幅広く紹介】

<監修医師 まっちゃん>

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「うつ熱」という言葉を耳にした事はありますか。「うつ病」と言葉は似ていますが、このうつ熱はうつ病とは全く異なる病気になります。

今回は「うつ熱」の症状、対処法などについてご紹介していきましょう。

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うつ熱とは?

 

うつ熱とは「高体温」の一種です。私達の体温は普段一定状態に保たれていますが、何らかの原因により体温が上昇してしまい、体温が高すぎる事を「高体温」と言います。

 

高体温は「発熱」「うつ熱」という2種類に分類されます。

発熱は風邪などの感染症や体内のアレルギー反応などによって起こるものになります。身体の中を正常に戻そうとする働きが「発熱」の状態を生み出している事になります。

風邪で熱が出るメカニズムについてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
風邪や熱で関節痛が出る原因と対処法を徹底解説!

 

一方でうつ熱は感染症やアレルギー反応といった「病気」が原因で起こるものではありません。

身の周りの高温環境、つまり外部の環境が原因によって起こるのがうつ熱です。

 

私達の身の周りの環境の温度は普段、私達の体温よりも低いですが、夏などに気温が38度、40度などといった高温の環境になった場合に体温調節機能が上手く働く事が出来ずに、熱を身体の外に逃がす事が出来なくなる状態になる場合があります。

 

この状態のように「身体の中に熱がこもってしまった状態」の事を「うつ熱」といいます。身近な症状でいうと「熱射病・熱中症など」がうつ熱に当てはまります。

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発熱とは違う、うつ熱の特徴

 

発熱は病気が原因であり、身体の機能を正常に保とうとする働き、うつ熱は外部の環境が要因で身体の内側に熱がこもる事というのをお話ししていきましたが、次に発熱とうつ熱の違いについて見ていきましょう。

 

発熱の特徴

✅ 病気が原因による熱(免疫機能が働いている為)

✅ 高熱にも関わらず寒気や震えを感じる。(体温調節機能が上手く働かない為)

✅ 手足が冷たい。

✅ 熱を下げる為の解熱剤の服用が有効的。

 

うつ熱の特徴

✅ 外部の環境(高温・多湿など)が原因による熱。

✅ 手や足が温かく、汗をかいている。(放熱状態が続く為)

✅ 熱を下げる為の解熱剤での治療は効果がない。

つまり大きな違いは発熱は病気が原因であり、その病気の治療と解熱剤の服用で発熱状態が抑えられますが、うつ熱は外部の環境によって熱がこもった状態が続くので、身体を冷やすために発汗が起こります

また解熱剤を服薬しても効き目はありません。これが主な発熱とうつ熱の違いになってきます。

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うつ熱のこんな症状に注意して

 

うつ熱が外部環境が原因である事、発熱との違いをお話ししていきましたが、うつ熱の特徴的な症状をお話ししていきましょう。

 

1.突然熱が出る。

「風邪やアレルギーなどの前兆の症状もなく、さっきまで元気だったのが突然ぐったりとし、熱が出ている」という場合にはうつ熱の可能性が高いです。

その場合には「外部環境」を注意深く見る必要があります。

 

外部環境が高温多湿であったり、赤ちゃんや子どもだと昼寝の際の布団を多く掛け過ぎ、または衣服の厚着などがうつ熱の要因になる可能性は大いにあります。

特に首の後ろ、お腹が熱くなっていないかなどを確認しましょう。

 

この場合、外部要因を取り除く(涼しい環境に移動する、布団や衣服を取るなど)事で、熱が下がる場合があります。突然の熱には外部環境に目を向ける事が重要になります。

 

大人の急な発熱についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
危険!大人の急な発熱の6つの原因に注意して!

 

2.手や足、頬が熱くなっている。

風邪などの発熱の場合には寒気や悪寒を感じる事が多く、手足が冷える事があります。しかしながら、うつ熱の場合には手足、頬が熱くなっている事がほとんどです。

 

3.首の後ろ、背中、手足、頬に汗をかいている。

うつ熱は放熱状態が続く為、身体が温まり過ぎている事によって、体温を下げようとする機能が働き、をかいています。

 

4.うとうとしたり、ぐったりとしている。

うつ熱による発汗によって体内の水分と共にナトリウムミネラルなどが流れ出してしまいます。これにより、循環器や呼吸器の機能が正常に働かなくなり、意識障害を起こす可能性があります。

意識障害を起こすとうとうとしたり、ぐったりしている状態になる事が多いですが、風邪などが要因の発熱の場合にはこの状態には陥る可能性はまずありません。

 

意識障害についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
意識混濁とはどんな状態か【原因や段階別症状など詳しく解説】

 

5.呼吸困難

うつ熱の状態が悪化すると、体温を一定にしようとする働きが進み、他の様々な機能が一時的に低下してしまいます。

酸素を体内で循環させる事も体温の上昇に繋がってしまいますので、うつ熱の際には一時的に酸素の供給を抑えようとしてしまう為、呼吸困難の状態になってしまう事があります。

逆に感染症による発熱の場合には喘息や咳の症状がない場合には呼吸困難になる事は少ないです。

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うつ熱の原因とは

 

うつ熱の特徴や症状について見ていきましたが、うつ熱の原因とは一体何なのでしょうか

✅ 衣服の着過ぎ・・衣服は汗を吸収し、蒸発させる事を助けてくれるものになりますが、服を着過ぎてしまう事で身体の熱がこもり過ぎ、逆にうつ熱の原因になる事があります。

特に赤ちゃんなど子どもは元々体温が高いので、汗をたくさんかきます。着過ぎなくても、大人よりも衣服は少なめで大丈夫なのです。

 

✅ 高温多湿の環境・・うつ熱の原因は外の環境によるものが大きく、中でも気温と湿度の上昇はうつ熱の原因になりやすいです。

気温が高いだけでなく、湿度が75%以上であったり、高温多湿な状態に加え、無風の状態であれば、汗を蒸発させる事が出来なくなってしまい、うつ熱になりやすくなってしまいます。

外の環境に関しては「温度、湿度、無風かどうか」に気を付ける必要があります。

 

✅ 暖房器具・・ホットカーペットや暖房、電気毛布などの上にそのまま寝たり、布団を敷いたりして寝ると、身体に熱がこもってしまい、体温の上昇に繋がります。

私達の身体は眠っている間には体温は下がりますので、身体の熱が下がらないままだと気づかないうちにうつ熱になっている可能性もあります。

 

✅ 水分不足・・汗が出なくなるとうつ熱になるリスクがとても高いですが、体内に必要な水分がなければ汗をかく事が出来ません。

暑い日や喉が渇いた時にはこまめに水分補給を行う事が大切です。

 

脱水症状についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
脱水症状の5つの対処法【高齢者は注意して!】

 

大人も子どもも起こりうる可能性のある「うつ熱」ですが、特に赤ちゃんは自分の異変を言葉で伝えられない事が多くあります。

体温の急な上昇や衣服の着せすぎ、暖房器具など身近な事に注意するようにし、うつ熱を防ぐように心がけましょう。

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子供がうつ熱に!慌てずしっかり対処しよう

 

前述でもお伝えしたように、子どもは自分の異変を周りにうまく伝えられない事が多くあります。その為、気が付かないうちにうつ熱になっている可能性もあるのです。

万が一、うつ熱になってしまった際の対処法についてご紹介していきます。

 

涼しい環境(日陰など)に移動させる

うつ熱は外の環境が原因で起こる事が多いものです。もし暑い夏などに外に居た際にうつ熱が疑われる場合にはすぐに日陰などの涼しい場所に移動しましょう

またはエアコンの効いた涼しい室内に速やかに移動するのも良いです。

 

衣服を脱がせる

衣服を着ていると、うつ熱の際には身体に熱がこもってしまいます。熱を逃がす為にも衣服や靴下は脱がせるようにし、首周りなどもしめつけないようにしましょう

 

身体を冷却する

うつ熱の場合には皮膚の表面に血液が集まり、それによって体温が上昇しますので、身体をとにかく冷却する事が大切になります。

濡れタオルや保冷剤などで首周り、脇の下、太ももの付け根などを冷やしてあげると効果的です。

 

水分補給を行う

うつ熱の場合には体温調節機能が上手く働いていない為、汗がどんどん出てしまいます。それにより身体の中の水分やミネラルが失われてしまいます。

体温調節機能を正常に戻す為にも水分補給をしっかりと行うようにしましょう。

 

ナトリウムや電解質を補わなければなりませんので、スポーツ飲料経口補水液を摂取するのが良いです。

万が一意識障害などがあり、口からの水分補給が出来ない場合には速やかに点滴で水分を補う必要がある為、救急車を迅速に呼ぶようにしましょう。

 

対処方法には熱中症への対処が役に立ちます。くわしくはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
熱中症と眠気の関係とは【だるさなど症状について詳しく解説!】

 

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うつ熱が引き金になってしまう病気に要注意

 

うつ熱は外の環境が原因により起こりますが、これが原因となって怖い病気を引き起こす可能性もあります。

うつ熱が引き起こす可能性のある病気についてお話ししていきましょう。

 

乳幼児突然死症候群(SIDS)

何の病気も前触れもなかったのに突然元気だった赤ちゃんが、睡眠中に息を止めてしまう病気の事を乳幼児突然死症候群(SIDS)と言います。

 

原因不明とも言われていますが、睡眠中の赤ちゃんに衣服を着せすぎていたり、暖房による身体の熱の上昇、うつぶせに寝ている事によって汗が発散できなくなる事によって「うつ熱」を発症する事がSIDSを起こす要因の1つではないかとも指摘されています。

 

体温調節機能がまだ発達していない赤ちゃんは特に自分で不調や変化を訴える事が出来ませんので、室内の温度や寝ている場所の環境などを見直して、うつ熱を防いであげる必要があります。

 

熱射病

夏場に起こりやすい症状で良く耳にする人も多いのではないでしょうか。

うつ熱が進む事によって体温調節が出来ず、身体に熱がこもってしまう事で内臓機能が維持できなくなってしまったり、水分不足によるミネラルや電解質不足によって、意識障害を引き起こしてしまう重症の熱射病を引き起こしてしまう可能性があります。

 

老人性低体温症

高齢者も良く熱射病になりやすいというのを耳にしたことはありませんか。

高齢者は温度の変化に鈍くなってしまっている事が多い為、暑さや寒さに気が付かずに熱射病になっている事も多いのです。

 

また寒さを感じにくい為、寒い時に身体が熱を発しようとする働きも鈍くなってしまい、どんどん体温が下がる事で老人性低体温症になる可能性が高くなってしまいます。

 

高齢者の場合には常に目に見える場所に温度計や湿度計を置いておくなどの対策を行うようにし、うつ熱による病気を防ぐようにしましょう。

 

うつ熱はうつ病と名前は似ていますが、全くの別物であり、外の環境が原因で子どもから高齢者までなる可能性のあるものです。季節を問わずに夏の暑い日だけでなく、暖房器具によって冬場にもなる事があります。

うつ熱を防ぐために気温や湿度、身の周りの環境に注意するように心がけましょう。

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