めんちょうが鼻に出来た【この治し方をご存知ですか?】
<監修医師 豊田早苗>
鼻にできるニキビは危険。どこかで聴いたことがありませんか?それはニキビではなくめんちょうかもしれません。
めんちょうは、ニキビとは明確に違いがあり注意が必要です。
また現在ではほとんどなくなりましたが、医療が発達する前はめんちょうが原因で死に至ることもあったと言われています。
今日でも、放置せずに早めに対処することが望ましい事に変わりはありません。今回はめんちょうのニキビとの違いから、対処法まで紹介していきます。
めんちょう(面疔)とニキビの症状の違い
ニキビの原因はアクネ菌です。この菌が増えてしまい炎症を起こした状態を指します。触っても痛くないのも特徴です。アクネ菌自体はどこにでもいる菌です。
皮膚には古くなってはがれた角質や老廃物が発生し、これらが詰まりを起こした毛穴にたまると、アクネ菌が繁殖しやすくなります。
思春期に、ニキビができるのは成長過程で皮脂分泌が多いことが原因です。
成人以降になってからのニキビは運動不足やストレス、ビタミン不足、睡眠不足などが原因で起こるものが多く、食生活や生活習慣の乱れのサインであるとも取れるので、最近増えているという方は要注意です。
対して、めんちょうの原因菌は黄色ブドウ球菌という菌で、食中毒を引き起こす事でもよく知られている菌です。ニキビやおでき、水虫などにもいるというやはりどこにでもいる菌です。
そして黄色ブドウ球菌が最初に毛包というところに感染し増殖することを毛包炎といいます。
この毛包炎がまわりの皮膚を巻き込んで炎症が広がって腫れあがったものがおできと呼ばれ、皮膚であればどこでもできる可能性があります。
そのなかで特に顔にできるものをめんちょうとしています。小さくても化膿して膿が溜まるものなので、触ると痛いところがニキビとの一番の違いです。
ストレスやビタミンの不足、睡眠不足など、免疫力が低下しているときに感染が起こりやすいという点はニキビと似ています。続いてめんちょうがなぜ危険なのかを見ていきましょう。
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めんちょうを放っておくとどうなるのか
現代では抗生物質が普及したため減少しましたが、めんちょうは昭和初期ごろまでは死亡する恐れのある病気でした。
鼻の周辺と鼻の中には細い血管が張り巡らされていてそれらの血管の多くは脳まで到達するものです。
ですから、ここに黄色ブドウ球菌が入り込むとこの血管を通って脳まで到達します。
脳に到達した菌は、そこでも感染し炎症を起こしますから脳炎や脳髄炎を起こすと危険な状態となります。放置することは避けて下さい。
なお、軽度のめんちょうが自然に治る期間は半月程度と言われています。
めんちょうの治し方
悪化させると危険なことはわかりました。できるだけ早く治したいめんちょうにはどのような治療法があるのでしょうか。
応急処置の方法
時間がないなどの理由で応急処置したい時には、化膿性皮膚疾患用クリームがおすすめです。化膿性皮膚疾患用クリームでよく知られている薬は、オロナインH軟膏です。
洗顔フォームなどで、顔を清潔にしてから塗布するようにしましょう。ニキビの場合でも言える事ですが、決して潰したりしてはいけません。
跡が残ることに付け加えて、潰す際に手に菌が付着すると自分の手を介して別の場所に感染する可能性があります。
病院で治療を受ける
万が一の危険性を考えると早めに病院にかかりましょう。皮膚科が良いでしょう。軽度の場合は、軟膏を塗った後に絆創膏を貼る湿潤療法をおこないます。
ハイドロコロイド絆創膏という傷が残りにくい絆創膏もありますが、使用できない場合もあるので気になる方は医師などに相談してください。
状態が酷い場合には、よく効く薬として抗生物質が処方されます。また、腫れが大きく熱を持っている場合には切開して膿を出すことになることもあります。
治しても症状が繰り返す場合や治らない時は、肌質自体を改善する必要があります。
あとで解説する予防法を試してもよくならない時は、皮膚科に相談しましょう。
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めんちょうになる原因
前述の通り、めんちょうの原因菌は黄色ブドウ球菌です。感染すると毒素を出して炎症を起こさせます。皮膚に傷があったり、湿った状態が続く、皮膚の油が多い状態でも感染しやすくなります。
つまりもともと脂の多い肌質、いわゆるオイリー肌の人はなりやすく、頻発することもあるようです。オイリー肌か否かの判断が難しいところです。
例えば朝洗顔しても昼頃にはギトギトしている、鼻の下を伸ばすと脂の匂いがする、という方は注意です。
そして、病理的な原因は以上ですが、物理的な要因もあります。それは手です。
人は無意識に顔を触ります。起きているときも癖で頬や鼻を触っています。
実は寝てる間も触っています。どこにでもいる黄色ブドウ球菌をこのとき顔に塗りつけているといえます。
肌がオイリーな状態にあれば脂をのばす感じでしょうか。爪が伸びていれば皮膚に傷がつきますよね。たまたま睡眠不足で体力・免疫力が低下しても感染する可能性が上がります。
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めんちょう予防法
前項の原因を踏まえれば、予防方法は見えてきますね。めんちょうに限りませんが、手や顔をできるだけ清潔に保ち、黄色ブドウ球菌やその他の菌を皮膚に近づけない。
ストレス、睡眠不足など疲れをためすぎない。菌はどこにもでも存在する以上完全にシャットアウトすることはできないでしょう。
繁殖する余地を与えないことも重要です。ビタミンの不足も原因になりますから、普段から食生活にも気をつけたいところです。
まとめると、以下の事が大事です。
✅ 皮膚を清潔に保つ。(オイリー肌は改善する)
✅ 疲労や睡眠不足を溜めない。
✅ ビタミンをはじめバランスのよい食事。
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健康的な生活をおくり自然治癒力を高める事がそのまま予防になってくるでしょう。
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