シアナマイドの6つの副作用【飲酒後の正しい服用方法を解説】
<監修薬剤師 藤沢 淳司>
ビールやワインなどのアルコールを休日の前など、気分転換などに飲む方は多いでしょう。アルコールも楽しく飲む程度なら良いですが、時に多量に摂取したり常用したりする事で「アルコール依存」に陥る事があります。
そのような事態は出来るだけ避けたいものですが、万が一アルコール依存になってしまった場合に「シアナマイド」というお薬を使い、治療をします。
今回は「シアナマイド」の特徴や副作用などについてお話しします。
シアナマイドの特徴
アルコールは体内で分解される際に「アルコール→アセトアルデヒド→酢酸」という経路を辿ります。この時に作られる「アセトアルデヒド」が悪酔いする原因とされており、アセトアルデヒドが体内に蓄積する事で、二日酔いが起こります。
アセトアルデヒドが酢酸に変わる過程でアセトアルデヒド脱水素酵素という酵素がありますが、この酵素を阻害する事でアセトアルデヒドが体内に蓄積するので、アルコールを摂取しても悪酔いしかしなくなります。
アセトアルデヒド脱水素酵素を阻害するための薬が、シアナマイドです。アルコール依存症の場合にシアナマイドを服用してからアルコールを飲むと、不快な症状を引き起こします。
シアナマイドを服用している際には少量のエタノールを含む食品にも、反応してしまい悪酔いを起こす可能性がある為、アルコールを含む食品には注意が必要です。
シアナマイドとアルコールを一緒に摂取するとかなり苦しい状況になります。臨床実験でも7~8割の有効率が認められています。
あくまでも特徴としてはお酒を飲んだ際に気分が悪くなる事なので、飲酒を「抑制する」ものではありません。継続して薬を服用する事が重要になります。
酒癖をなおすにはこちらを参考にして下さい。
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シアナマイドの6つの副作用
シアナマイドがアルコールを分解する際に作用して、不快な症状を引き起こす事はお話ししましたが、アルコール依存症の治療に有効的な反面、薬なので副作用が無いとは言えません。
シアナマイドの副作用についてお話しします。
主な副作用は
主な副作用は「吐き気や頭痛、倦怠感、不眠」です。しかしながらこれらの症状は継続して服薬していると軽快していく事が多いようです。
不眠が悪化した場合の対処方法としてはこちらを参考にして下さい。
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皮膚科的な副作用
「発疹、発赤、皮膚のかゆみ」などが起こる場合があります。これらの症状が出た場合には処方した医師にすぐに相談するようにしましょう。
こんな時はシアナマイドの服用に注意が必要
シアナマイドの服用の際には注意したいことがいくつかあります。
持病、アレルギーなど
持病がある場合、アレルギー体質の方は服用の際に医師に伝えましょう。
また妊娠中や妊娠の可能性がある方は安全性が確立されていないため服用できません。
心臓病や肝臓病、腎臓病、呼吸器に病気のある方
病状によっては服用できない可能性があります。また服用し続けることで、肝機能の低下が見られる事がありますので、定期的な血液検査等が必要になってきます。
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飲み合わせや食べ合わせに注意しましょう
アルコールを分解する段階で不快な症状を引き起こす事がありますので、アルコールの飲用は原則として禁止です。
また他にもアルコール分、少量のエタノールなどを含む食材や飲み物(栄養ドリンクなど)も不快な症状を引き起こす可能性がありますので、注意が必要です。
車の運転
服用する事によって注意力や集中力、反射運動能力が低下する事がありますので、車の運転などの危険な作業は避けるようにしましょう。
アルコール依存症は薬を服用するだけで治るとは言えません。あくまで飲酒することで不快な気分になるだけであって、飲酒の量を減らすわけではありません。
薬の服用と共にカウンセリングなどの精神療法なども重要になってきます。
シアナマイドの正しい服用方法
シアナマイドの正しい服用方法についてご紹介します。
服用方法
通常1日50~200mgを1~2回に分けて、経口服用する。このお薬を1週間服用した後に通常、飲酒試験を実施します。その際には普段の飲酒量の10分の1の量を飲酒して様子を見ます。
飲酒試験の結果発現する症状の程度により、服用する量を調整し、維持量を決める。
節酒療法の場合
患者さんのそれまでの飲酒量によっても異なりますが、酒量を清酒で180mL前後、ビールで600mL前後程度に抑えるには、通常シアナミドとして15~60mg (1%溶液として1.5~6mL)を1日1回経口服用する。
飲酒抑制効果の持続する場合は隔日に服用してもよいです。シアナマイドはあくまで、飲酒をする事で不快感を与える事が元々の作用ですので、飲酒そのものを抑制する訳ではありません。
服用に関しても継続的に行い、それと同時にカウンセリングなどの精神療法も重要になってきます。治療は医師と納得するまで話し合い、根気強く取り組む事が大切です。
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