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チアノーゼの症状チェック【3つの原因と対処法も確認しておこう】

<監修医師 春田 萌>
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チアノーゼとは、顔や指先、唇などが青紫色になる症状のこと。チアノーゼが起こる原因の中には命に関わる危険なものもあり、素早い処置が必要となることもあります。

 

今日はチアノーゼの症状や原因、対処法について解説していきたいと思います。いざという時に慌てないよう、チアノーゼについて学んでいきましょう。

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チアノーゼの症状

 

チアノーゼとは、何らかの原因や病気によって「皮膚や粘膜が青紫色になる」状態のこと。チアノーゼ自体に危険性はそれほどありませんが、その背景に隠れている原因や病気を正確に見つけ出すことが重要になってきます。

 

チアノーゼが起こるメカニズム

血管内を流れる血液。その中の赤血球に含まれるヘモグロビンには、酸素を全身へと運ぶ役割があります。酸素と結合したヘモグロビンは「酸化ヘモグロビン」と呼ばれ、赤い色をしています。

 

しかし、病気などの影響でヘモグロビンが酸素を手放してしまうと「還元ヘモグロビン」という、青白い色へと変わってしまいます

これが「皮膚や粘膜が青紫色になる」原因です。

 

チアノーゼになると、上記のような理由で、全身のあちこちで酸素不足の状態になります。これにより、特に爪床や口唇周囲で青紫色になる現象が起こるのです。

 

全身の酸欠状態というと貧血を思い浮かべる人もいるかと思いますが、逆に重度の貧血においてチアノーゼを発症することはありません。その理由は、もともとのヘモグロビンの量が少ないことによります。

貧血についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
貧血で倒れる症状や対処法【甘く見てませんか?】

 

身近なチアノーゼ

実は、皆さん一度はチアノーゼを経験していると思います

 

例えば、手首にヘアゴムや輪ゴムなんかを付けていて、その状態でしばらく放置していたら指先が青白くなっていたという経験はありませんか。または、寒いところやプールなどの冷たい水に長時間入っていた時に、唇が青紫色になるなど。

 

これらもチアノーゼの一つとされています。

 

末梢性チアノーゼと中心性チアノーゼ

チアノーゼは大きく分けて2種類があります

 

一つ目は「末梢性チアノーゼ」

 

これは新生児が発症しやすいもので、唇や手足の末端、爪などが青白くなるもの。原因は鼻づまりや泣き過ぎにより、酸素を十分に体内へと取り込めないために起こる酸素不足。喘息持ちの人にも起こりやすくなっています。

 

もう一つは「中心性チアノーゼ」

 

こちらは注意が必要で、心臓または肺の疾患によるもの。主に皮膚や粘膜に症状が出ます。血液を全身へと送り出す大元である心臓に何らかの異常が見られるか、呼吸器疾患により酸素を十分に体内へ取り込めていない可能性があります。

 

これはすぐに治療や処置をしないと、重症化したり命に関わる病態になることもあります。速やかに病院を受診するようにしましょう。

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チアノーゼになる原因

 

心臓疾患

以下のような状態の時には、心臓の疾患がある可能性があります。

 

チアノーゼが起こるのは先天性心疾患であることが多く、特に新生児~乳幼児は注意が必要。子供の状態を、お父さんお母さんがしっかり観察してあげてください

 

✅ 常に青白い

✅ 体重が増えにくい

✅ 泣くとチアノーゼが悪化する

✅ ミルクを飲むのに時間がかかる

✅ ミルクを飲んだだけで息切れをする

 

先天性心疾患の主な症状はチアノーゼと心不全。

その中でチアノーゼが起こるのは全体の30~40%。病気の種類で言うと20~30種類ほどがあり、重症度の高いものが多くなっています。

 

先天性心疾患の6割を占めるのが「心室中隔欠損」。

これは左心室と右心室を隔てる壁に穴が開いてしまうもの。1000人に3人が発症すると言われています。もう一つ有名なのは「心房中隔欠損」で、左心房と右心房の間の壁に穴が開くことによるもの。

 

この2つはチアノーゼを伴わないことが多くなっています。

 

チアノーゼが出る先天性心疾患で最も多いのは「ファロー四微症」という疾患。

 

これは先程の「心室中隔欠損」のほかに「肺動脈狭窄」「右室肥大」「大動脈騎乗」の3種類の病気を併発するもの。

酸素を含む動脈血と、二酸化炭素を含む静脈血が混ざってしまうことにより、チアノーゼを発症します。

【関連記事】
肺動脈弁狭窄症の3つの症状や手術法【楔入圧をご存知ですか?】

 

呼吸器疾患

チアノーゼの原因が呼吸器疾患の場合は、以下のような症状が見られます。

✅ 呼吸が浅くて早い

✅ 鼻呼吸をしている

✅ 胸部が凹むような呼吸の仕方をしている

✅ 呼吸に雑音が混じる

 

チアノーゼが起こる時に考えられるのは、気管支喘息や気胸、肺炎など。

 

また、子供で注意したいのは「熱性痙攣」によるチアノーゼです。これは6歳以下の子供の10人に1人の割合で起こるもので、38度以上の発熱があった時に見られます。

 

急に呼吸が止まり痙攣を起こすため周囲は慌ててしまいがちですが、数分でチアノーゼと共に治まるので、まずは冷静になることが需要。揺すったりせずに、吐しゃ物が喉につまらないように体を上向きでなく横向きにしましょう。

気管支喘息の症状についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
気管支喘息の4つの症状【意外な原因や治療法を解説!】

 

高齢者に多いチアノーゼ

心疾患と呼吸器疾患による中心性チアノーゼは、主に小児を中心にみられるものですが、高齢者が陥りやすいチアノーゼというものもあります。

 

それは食べ物などの異物を喉に詰まらせた時。呼吸が出来なくなることにより酸素が取り込めなくなるため、顔をはじめとする皮膚が青紫色になります。

 

もし近くで高齢者がこの状態になった時には、すぐに救急車の手配をすること。それから救命処置へと移ります。まず意識がある場合には、できるだけ咳をしてもらい異物を吐き出せるように促します。

 

問題は意識がない時。その場合は、高齢者の背後から腕を回して腹部を圧迫する「腹部突き上げ法」や、俯かせて背中を叩く「背部叩打法」などが有効です。

 

お時間のある人は是非、これらの救命処置の詳しい方法を調べて、いざという時のために覚えておきましょう。

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チアノーゼの対処法

 

中心性チアノーゼの場合

中心性チアノーゼの場合は、心臓や肺などに異常があることが多く、早急な処置が必要となります。

 

とにかく、まずは病院へ行くこと。もし間に合わないというような緊急の場合には、心臓マッサージや人工呼吸が必要となるレベルなのだということは頭に入れておいてください。

 

病院では、様々な検査をして病名を突き止めます。検査は以下に示すようなものを、複数行うことが多くなっています。

 

✅ 心エコー検査

✅ 胸部レントゲン検査

✅ 心臓カテーテル検査

✅ 肺機能検査

 

末梢性チアノーゼの場合

末梢性チアノーゼは、一時的に血管内の酸素濃度が低下しているために起こるので、患部を温めたり、さすったり、マッサージをすることで解消されることが多くなっています。

 

また、赤ちゃんの泣き過ぎによるチアノーゼの場合は、その泣いている原因を突き止めてあげることも大切。赤ちゃんが泣いている時は、必ずお母さんに何かしらのサインを送っている時。

 

「お腹が空いた」「オムツを替えて」「抱っこして」「眠い」など。赤ちゃんに寄り添って、何を求めているのか一緒に悩んであげてください

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