マグロの栄養や8つの効能に驚き【意外な刺身のカロリーは?】
<監修医師 まっちゃん>
日本人がよく食べる刺身の一つであるマグロ。マグロは健康に欠かせないたんぱく質の豊富な食材で、その他にもビタミン、ミネラル、脂質などをたくさん含んでいます。
刺身では赤身とトロの部分がありますよね。どちらも特徴があっておいしいですが、この2つは栄養的にもそれぞれ特徴があるんです。
今回はマグロの栄養や効能についてまとめてみたいと思います。また、刺身で食べるときに意外と知られていないカロリーのことをご説明します。
気になる所から確認してみよう
マグロに含まれる栄養素
マグロの良質な栄養素は女性におすすめ
マグロは、サバ科マグロ属の硬骨魚の総称で、クロマグロ、メバチマグロなどは聞いたことがあるのではないでしょうか。そんなマグロを世界でいちばん食べている国は日本だって知っていましたか?
お寿司のネタやツナ缶としておなじみのマグロは、ビタミンB群(ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12など)、ビタミンD、ビタミンE、リン、マグネシウム、カリウム、鉄…など、赤身とトロの部分それぞれに豊富なビタミンやミネラルを含んでいます。
しかも、赤身は良質なたんぱく質、トロは良質な脂質が豊富に含まれています。その効果はたくさんあって、ダイエット効果や女性ホルモンを整える効果まで、まさに女性におすすめしたい食材なんです。
マグロの赤身はたんぱく質が豊富
マグロの赤身にはたんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質は、筋肉、内臓、皮膚、爪、毛髪などの体をつくるために欠かせない栄養素です。また、女性ホルモンを活性化させる役割も持っています。
たんぱく質は体内ではアミノ酸という物質に分解されて筋肉や皮膚の材料となりますが、たくさんの種類があり、体内で作り出せるものと食物から摂取しなければならない必須アミノ酸があります。マグロはどちらも含めた多種のたんぱく質を摂取することができます。
たとえば肝臓の働きを助けるメチオニン、抗酸化作用のあるシスチン、中でも精神安定作用のあるセロトニンの素となるトリプトファンが豊富に含まれています。
マグロの目の周囲はDHAが豊富
マグロには脂肪分が多く含まれていますが、それは良質な不飽和脂肪酸という脂質です。
不飽和脂肪酸は常温で固まりにくいという特徴があり、体内で液体として存在し、血中の中性脂肪やコレステロールを運搬・排出する役目をしてくれるため体脂肪になりにくい脂質です。
このうち、マグロの目の周囲に豊富に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)は脳細胞を活性化させる働きを持ち、脳の栄養素とも呼ばれています。マグロのDHA含有量は、魚の中でトップといわれています。
マグロのトロにはEPAが豊富
マグロに含まれる不飽和脂肪酸として、トロの部分に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)もコレステロール値を下げる働きをしてくれます。この他、血液をサラサラにして血栓ができにくくする作用があります。
マグロの赤身に豊富なセレン
マグロの赤身にはセレンというミネラルが多く含まれます。セレンは体内では酵素やたんぱく質の一部を構成し、甲状腺ホルモンの活性化や抗酸化作用があります。
この強力な抗酸化作用はガン発生や転移を抑えるのに作用があるとされていますが、毒性が強く、過剰摂取すると爪の変形、脱毛、肌荒れ、胃腸障害などを招く恐れがあるため注意が必要です。
ミネラルの効能についてはこちらを見て参考にして下さい。
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マグロの血合いに豊富なタウリン
マグロの血合いにはタウリンという成分が多く含まれ、血圧や肝臓の働きを正常にする作用があります。肝臓が元気になることで、コレステロール値を下げて血液をサラサラにしたり、肝臓でのアルコール分解・解毒作用が促進されます。
マグロの効能
ダイエット効果
マグロの赤身は健康維持のためのたんぱく質が豊富に含まれていますが、低カロリー・低脂肪なのでダイエット食品にぴったりです。代謝ビタミンといわれるビタミンB群や、新陳代謝を活発にするタウリンも痩せやすい体づくりの手助けをしてくれます。
この他、カリウムによるむくみ解消効果によって痩せる人もいます。
肝臓の働きを助ける
肝臓を元気にするタウリンやメチオニン、抗酸化作用のあるシスチンによって不摂生や老化による肝機能の低下を防ぐことができます。
肝機能についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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肝機能低下で起こる4つの症状【その原因や改善方法を徹底解説!】
生活習慣病を予防
DHA、EPAなどの不飽和脂肪酸がコレステロール値を下げ、血液をサラサラにしてくれます。また、タウリンやナイアシンなども血行促進作用があるため、血液がドロドロになって起きる動脈硬化や血栓が原因の心筋梗塞・脳梗塞などの病気を予防できます。この他、カリウムには減塩効果があり高血圧を予防できます。
心筋梗塞についてはこちらを見て参考にして下さい。
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老化防止
DHAが脳細胞を活性化させるので、最近では認知症予防に効果があるとされています。この他、ビタミンE、セレンには抗酸化作用がありますので、細胞の老化を予防することができます。
この他、マグロにはカルシウムとカルシウムの骨への吸収を助けるビタミンDが含まれているため、老化に伴う骨粗鬆症の予防も期待できます。
貧血予防
鉄分やビタミンB12には貧血を予防する効果があります。サプリメントだけではなく、マグロの赤身のような食材からもしっかり鉄分を摂りたいですね。
美容効果
マグロを食べることで皮膚や毛髪などの材料となるたんぱく質を摂取できます。その他、ビタミンB6には皮膚や粘膜の健康維持や女性ホルモンの代謝を助けてくれる作用もあるため肌荒れ・口内炎改善など、美容に効果的です。
また、ビタミンE、セレン、ビタミンCの抗酸化作用も肌を若々しく保つために有効です。
免疫力アップ
マグロに多く含まれるビタミンB6やビタミンEには、皮膚を保護し免疫力をアップさせる働きがあります。この他、細胞を元気にして抵抗力を高めるビタミンCや皮膚や粘膜保護作用のあるビタミンAも含まれていますので、風邪予防や疲労回復にも効果がありますよ。
うつ病改善
トリプトファンが生成するセロトニンは精神安定作用があるため、不眠症やうつ病の改善にも効果が期待できます。また、DHAの脳細胞を活性化させる効果もうつの症状に効果的で、特にイライラ感などの攻撃的な症状を抑えてくれるといわれています。
不眠症の対処方法についてはこちらを参考にして下さい。
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意外な刺身のカロリーは?
トロのカロリーは赤身の3倍!
マグロの赤身は100gあたり125kcalと低カロリーで、その豊富なたんぱく質からもダイエット食材としても有効なのですが、トロは100gあたり344kcalで、カロリーは赤身の約3倍なんです。
良質な脂質やその他ビタミン、ミネラルを多く含むからといって赤身のように食べると太ってしまうので注意が必要です。
食べ過ぎに注意!
マグロは食べ過ぎると気をつけたいことがあります。不飽和脂肪酸であるDHAやEPAは3g以上摂取すると吐き気や下痢、鼻血などの症状が現れることがあります。トロは4〜5切れほどで十分な摂取量とされています。
また、食物連鎖で上位に位置するマグロは水銀が比較的多く含まれており、妊娠中に食べ過ぎると胎児に悪影響を及ぼすとされていますので注意が必要です。
今回は、マグロに含まれる栄養素と効能についてまとめました。そして、赤身とトロの部分ではカロリーや脂質の含有量が違うので食べ方には気をつけたいですね。
マグロはたくさんの栄養素を含んでいますので、他に同様の効果がある野菜などの食材とあわせて食べることで相乗効果も期待できます。みなさんも、いろんな食べ方を試してみてください。
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