尿が臭い8つの意外な原因【この病気には注意が必要です】
<監修医師 まっちゃん>
尿の臭いといえば、あの独特なアンモニア臭ですよね。おしっこをしない人はいませんから、私たちにとっておなじみの尿。しかし、自分の尿の臭いや色をまじまじと観察したり、回数を把握している人ってどれ位いるのでしょうか。
たとえば、尿の臭いです。おしっこの後、「いつもより臭いがキツイな」とか「○○の臭いがする」のような尿の変化に気づいたことのある人は、体の異変や病気のサインかもしれません。
今回は、そんな身近な健康のバロメーターである「尿の臭さ」についてまとめました。
気になる所から確認してみよう
尿の仕組みを知ろう
尿は余分な水や塩分と老廃物
尿は身体にとって必要のない水、塩分と老廃物ですが、それが血液に混じり腎臓というフィルターでそれらが取り除かれることにより綺麗な血液になり、その要らなくなった水分や老廃物が尿です。
一日に排出される量は大人で約1.5リットルになります。これを膀胱がいっぱいになる毎におしっこで出していくのです。
腎臓はエコ、膀胱はオートマ
腎臓は腰の上に左右二つあり、そら豆の形をしています。腎臓と膀胱を繋ぐのが尿管、膀胱から出口までを尿道といい、これらを総称して腎と呼んでいます。
腎臓が血液を濾過して生産される尿の元(原尿)は一日で約160リットル。ここから身体に必要な成分を搾れるだけ搾り取って、膀胱へ送られるのがそのうちのたった1%になります。腎臓は身体にとってとてもエコなんですね。
膀胱にはだいたい300ミリリットルの尿が溜まると、「おしっこしたい」と感じるようになります。尿を溜める仕組みは自律神経でコントロールされています。
一方、尿道を引き締めることは自分の意思でできるので、排尿はある程度コントロールできますよね。男性が女性よりもおしっこを我慢していられるのは、尿道が長いためです。
腎臓についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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尿チェックで病気を防ごう
尿の色や臭いに異常がみられるとき、また量や回数に多すぎたり少なすぎるときは泌尿器系に異常があるかもしれません。
また、栄養吸収に関わる消化器系の病気や、その他の内臓の異常かもしれませんので、専門医で検査をおすすめします。普段から尿チェックをしておくことで、病気のサインを見逃さないようにしましょう。
健康な尿とは?
濁りのない淡い黄色
健康な尿の色は、淡い黄色をしています。これは、ウロクロームという物質の色です。ウロクロームは、肝臓で破壊された赤血球のヘモグロビンが代謝されビリルビンになり、それが腸内でウロビリノーゲンになり、尿中に排出され酸化されたものです。
健康な状態でも、水分摂取量が少なかったり、汗をたくさんかいた後、尿が濃縮されて濃い黄色になります。
赤褐色、赤色、白濁、緑色、青色、黒色など、感染症から癌など重篤な病気の可能性がありますので注意が必要です。
尿の色で見る健康状態に関してくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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泡立つ尿はタンパク尿
また、泡立つときは尿にタンパク質が出てしまうタンパク尿の可能性があります。健康な人でも激しい運動後や発熱時、妊婦さんも一時的にタンパク尿になることがあります。これらは、血液量や濃度の変化で腎臓が一時的に疲弊したり機能が低下しているときに起こります。
普通は排出されないタンパク質が尿に混じっている場合は、代表的なもので糖尿病の疑いがあります。もしも多尿なら検査をおすすめします。
ほぼ無臭
驚くことに尿は、腎臓が健康なら体外に排出されるまで全くの無菌状態、ほぼ無臭なんです。尿の成分である尿素と体外の細菌が反応して分解されるとアンモニアが発生します。細菌はどんどん繁殖しますから、あの特有のアンモニア臭は時間とともに強くなります。
もしも、アンモニア臭がきつかったり、他の刺激臭、甘い臭いがした場合は要注意です。感染症や糖尿病など、その他の病気が原因となっている可能性があります。
昼間8回以上、夜間1回以上は頻尿
尿は普通、私たちが水分を摂取してから3〜6時間後に排出されます。回数にすると一日におおよそ7〜8回になります。回数は水分摂取量に左右されますが、一般に昼間8回以上、夜間1回以上は頻尿とされています。
糖やタンパク質やストレスによる心因性多尿の人は、水分摂取量が多いため頻尿になります。一方、尿量が多くないのに頻尿や尿漏れ、残尿感などの症状がある人は、過活動膀胱の可能性があります。
健康な人でも塩分が足りていないのに水分を多めに取った場合や、子宮で膀胱が圧迫される妊婦さんは頻尿になります。
逆に、おしっこの回数が少ない場合は脱水の可能性もありますが、尿量も少ないときは注意が必要です。老廃物を十分に排出できないため、むくみや倦怠感、吐き気、頭痛などの症状がある人は、腎機能低下や尿路結石、がんなどの可能性があります。
尿が臭い8つの原因
アンモニア臭は脱水症状かも
水分摂取が少ないと、腎臓で水分がほとんどが吸収されてしまうため尿量も自然と減ります。濃縮された尿は普通よりも臭いが強いです。たくさん汗をかいた後も同様なので、他に気になる症状がない場合はまず水分を補給しましょう。
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強いアンモニア臭は膀胱炎
いつもより強いアンモニア臭は、膀胱炎の可能性があります。
膀胱炎は、細菌やウィルスが膀胱に侵入し炎症を起こした状態で、ストレスや疲労による免疫力低下が引き金になることが多く、子どもや女性がなりやすいです。
哺乳力の低下、嘔吐、けいれんが乳幼児のうちから見られ、成長するにつれて知能の遅れがみられます。
一回の尿量が少なく頻尿、残尿感などがあり、おしっこの終わりに痛みを感じます。ときに尿は血塊など沈殿物の混じった赤色になります。
尿路感染症は腐った臭いがすることも
腎臓から尿道のどこかで感染を起こした状態で、膀胱炎と原因は一緒ですが、まれに血液やリンパ液から細菌が侵入することもあります。
強いアンモニア臭の他に、白血球と細菌が戦った残骸である膿が混じって腐ったような臭いがしたり、白濁色になることがあります。
甘い臭いの多尿は糖尿病
糖尿病の人はブドウ糖をエネルギー源として利用できずに血糖値が上がり、尿に糖が出てしまうため、甘い臭いがします。
また、タンパク尿により泡立ち、量も多いのが特徴です。
ネズミの尿の臭いのするフェニルケトン尿症
アミノ酸の一種であるフェニルアラニンを代謝できずに体内に蓄積してしまう遺伝性の病気です。生後数ヶ月で発症し、皮膚は白く髪の毛は赤茶色をしており、運動や知能の遅れを併発します。
尿だけではなく体臭もネズミの尿の臭いがするのが特徴です。
メープルシロップ尿症
アミノ酸の一種であるロイシン、イソロイシン、バリンを代謝できずに体内に蓄積してしまう遺伝性の病気です。知能の遅れがみられます。
尿や汗からメープルシロップの臭いがするのが特徴です。
甘酸っぱい臭いはケトン体による異常
糖をエネルギー源として使用できず、代わりに脂肪を分解したときに生成される物質が酸性のケトン体です。血中のケトン体の量が過剰に増えると尿にも排出されるようになり、尿は甘酸っぱい、柿の腐ったような臭いがします。
糖尿病、過度なダイエットによる栄養失調、脱水症状でもみられることがあります。
臭いの強い食事の影響かも
「コーヒーを飲むとおしっこがコーヒーの臭いになる」や、「アスパラを食べた後の尿がゴム臭い」というおもしろい少数派の意見もありますが、その他もニンニクやお酒など、臭いの強い物を摂取すると、尿にまで臭いがすることがあります。その場合は、口や汗、体臭としても臭っている可能性があります。
一時的なものなので、水分をたくさん摂って臭いのもとを体外へ排出させる、デオドラントを使うなどの対処で良いでしょう。
また排尿に痛みを感じたら、それも身体からのサインかも知れません。こちらを参考にして下さい。
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腎臓の健康が大切
尿が臭い原因の多くは腎機能の異常にあります。感染症や代謝異常の病気の他に、高尿酸血症という病気をご存知でしょうか。痛風といえば聞いたことがある人も多いと思います。
プリン体の多い食品などの摂取により血中の尿酸値が高まると、尿酸値の結晶が体中の至る所にできてきます。
とくに泌尿器系や腎臓にできたものは、尿路結石や慢性的な腎臓病、尿毒症の引き金となります。
尿毒症になってしまうと、だるさ、吐き気、食欲不振、頭痛、呼吸困難、出血しやすい等の様々な全身症状が一生続くことになります。
このような重篤な病気にならないよう、日頃から健康管理は大切です。
今回は、尿が臭くなる原因から、腎臓が身体にとって重要な役割を担っていることをお話しました。尿検査は、尿タンパク、尿糖、尿潜血反応を調べることができ、様々な病気がわかります。もしも尿に異変を感じたら、取り返しのつかない病気になる前に病院で検査することをおすすめします。
まずは、今日からできる尿チェックを!あなたの尿はどんな臭いがするでしょう?
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