下肢静脈瘤の予防には食事や運動が大切?ケアして防ごう!
<監修医師 まっちゃん>
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは、主に足にある静脈という血管が拡張し、瘤(こぶ)のように膨らんでしまったり、血管が浮き出て見えたりする病気です。
長時間立ち仕事をする方はなりやすいとされています。
ふくらはぎなどの人目の付きやすいところにできやすいので、できることなら予防しておきたいですよね。
今回は下肢静脈瘤にならないための予防法をお伝えします。
下肢静脈瘤になる原因
足の静脈は、重力に逆らい血液を心臓に運んでいます。
ふくらはぎの筋肉が血液を押し上げたり、血管内にある静脈弁と呼ばれる弁が血液の逆流を防ぐことで、正常に血液が流れる助けをしています。
しかし、この静脈弁が正常に働かなくなったり、壊れると血液が逆流してしまい、血管内に血液が溜まっていきます。
こうして血液が溜まることで血管が拡張し、瘤のように見えたり、血管がはっきりと見えるほど浮き出てしまうのです。
一般的に発症される方は女性が多いとされています。
女性はヒールの高い靴を履くこともあるので、それも足に負担をかける要因となるでしょう。
妊娠や出産を経験した方や、長時間の立ち仕事をする方、さらに遺伝的要因が原因として挙げられます。
下肢静脈瘤の予防に効果的な食事
基本的にバランスの良い食事をすることが一番なのですが、その中でも下肢静脈瘤を予防するために、効果的な成分や食べ物を紹介します。
タンパク質
タンパク質は、血管の形成や強化に関わっているので、下肢静脈瘤に良いとされています。
ビタミンCと一緒に摂るとさらに効率的です。
しかし、動物性脂肪は下肢静脈瘤に良くないので、魚や豆類からタンパク質を摂ることをお勧めします。
鉄分
下肢静脈瘤の方には、鉄欠乏性貧血の方が多いといわれています。
鉄分はコラーゲンなどのタンパク質の生成を助ける働きがあり下肢静脈瘤の改善やむくみを解消するのに良いので、積極的に取るようにしましょう。
パセリや納豆、あさりなどに多く含まれます。
ビタミンC
ビタミンCは循環を良くし、血管壁を強化して血管の拡張を防ぐ効果があります。
タンパク質と一緒に取ることで効率よくコラーゲンなどを生成することができます。
野菜やフルーツによく含まれており、中でも柑橘類に多いです。
ビタミンE
ビタミンCと同様に循環を良くするので、下肢静脈瘤の予防効果があります。
アーモンドなどのナッツ類や、植物油に多く含まれています。
また、しみやしわの予防や更年期障害、貧血の予防にも効果があるので、女性は積極的に摂りたい成分ですね。
食物繊維
便秘になると静脈に圧力がかかり、下肢静脈瘤になりやすくなります。
そのため食物繊維を摂るようにしましょう。主に、野菜やフルーツ、豆類、全粒小麦粉などに多く含まれています。
下肢静脈瘤に良くない食事
動物性脂肪や砂糖、塩は下肢静脈瘤に良くないといわれています。
そのため、チーズやバター、アイスクリーム、肉類、アルコール類、揚げ物などはなるべく避けるようにしましょう。
さらに、水分が不足すると、血液の粘度が高くなり、血流が悪くなりやすいため、こまめな水分補給も必要です。
下肢静脈溜の予防に効果的な運動
食事の他に、運動を取り入れて下肢静脈瘤を予防することもできます。
軽いウォーキングやジョギング
ふくらはぎの筋肉を中心に動かすことで、効率的に血液の流れを良くすることができます。
そのために、軽いウォーキングやジョギングで足を動かしましょう。
散歩程度の運動でも十分に予防として効果があります。
しかし、長時間のジョギングなどの激しい運動は、逆に下肢静脈瘤を悪化させる可能性がありますので、注意が必要です。
水泳
下肢静脈瘤の予防法として、非常に効果を期待できる運動が水泳です。
重力の負荷が軽減されるため、血流を良くするのに効果的です。
さらに体重の負荷も軽減されるので、膝への負担も少なく、高齢の方でも取り入れやすい運動とされています。
階段の上り下り
忙しくて運動をする時間がないという方は、普段の移動の際にエレベーターやエスカレーターではなく、なるべく階段を使用するだけで、下肢静脈瘤の予防となります。
その他にも、立ちっぱなしが非常に良くないので、こまめに足首を回したり、つま先立ちなどをしてふくらはぎを刺激するようにしましょう。
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ストレッチや体操
仰向けに寝て、足を上げてぶらぶらさせたり、足を上げ下げすることによって、血流を良くします。
むくみにも効果的なので、寝る前などに行うと良いでしょう。
下肢静脈瘤は自然治癒が難しく、悪化すると手術をしなければならない場合もあります。
そうならないためにも、毎日少しずつ運動を取り入れたり、バランスの良い食事を摂って、予防しましょう。
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