浮き足は放置すると危険【正しいテーピングをマスターしよう】
<監修医師 豊田早苗>
足の役割は身体を支えることです。そこで重要になってくるのが地面と接している足の裏の部分です。
浮き足という言葉を聞いたことはないでしょうか?よく不安やソワソワする状況を説明する時に「浮き足立つ」という言い方がありますが、足の思わしくない状態として浮き足というものがあります。
浮き足は特に下半身太りに大きくかかわっています。今回は浮き足という足の状態についてどのように悪い影響をおよぼすのか?また改善策について原因を踏まえながら解説してゆきます。
気になる所から確認してみよう
浮き足の現象を知ってセルフチェックしてみよう
浮き足とは具体的に足の裏の指が浮いている状態で、浮き指とも呼ばれます。浮き足かどうかは自身でセルフチェックできます。
浮き足の指の状態には主に2種類あります。
一つは足の指が甲の方に反り返っている状態です。これをチェックするには手で親指を足の甲側に引っ張ってその際の角度をみます。
正常であれば45~75°、そして浮き指の場合は90°以上それば浮き足と判断できます。
もう一つは足の指の関節が常に曲がっている状態です。足の指はそのほとんどが地面についている状態です。
指の関節が曲がっている場合は足裏の指の付け根にタコができやすかったり、もしくは硬く角質化している場合があります。
人は本来であれば、足の裏の親指と小指の付け根より下(拇趾球、小趾球)、かかと、そしてそれぞれの指の腹の3点でバランスを取っています。
浮き足の状態になると足の裏の3点バランスが崩れ、体の体重を2点で支えることになり、体に様々な影響をおよぼします。
浮き足から起きる4つの体の不調
下半身太りの原因になる
浮き足によってバランスが崩れ、足の重心が外側に傾きます。足の重心が外側に傾くといわゆるO脚になります。O脚では足が太く見えてしまいます。
またヒップが下がるのでお尻も大きく見えがちです。また足首も浮腫んでしまいます。
下半身の痛みに繋がる
足の重心のバランスが崩れることによって、下半身のそれぞれの骨に負荷がかかりやすくなります。膝の関節の痛みや腰痛、股の関節の痛みが出てきます。
代謝が悪くなる
浮き足では歩いたり走ったりする際の衝撃が吸収されにくくなり、血液やリンパ液が循環しにくくなり、浮腫の原因となります。
そして代謝が悪くなる為に冷えやすい体質となってしまいます。
足の裏の皮膚トラブルも起こる
足の裏での衝撃の吸収が上手くいかないために皮膚にダメージが起こり、ウオノメやタコなどの皮膚のできものができます。
また足の裏の腱が炎症を起こして痛みを生じる足底筋膜炎という炎症も起こります。
浮き足が精神疾患の引き金になることもある
浮き足によって起こる自律神経失調症とは?
自律神経とは腕や足など自身の意思で動かす運動神経などとは違い血管や内蔵を動かすなどの自分の意思とは関係なく働いている神経です。
自律神経系は交感神経と副交感神経の2種類があります。興奮した際に呼吸を荒くしたり、目の瞳孔を開いたりするのは交感神経です。
逆にリラックスした際に胃酸を分泌させて食欲を亢進させたり、トイレの際の排尿などを担っているのは副交感神経です。
交感神経と副交感神経は基本的に相互に働く仕組みとなっておりバランスをとっています。
自律神経失調症は交感神経と副交感神経のバランスが崩れることによって様々な症状が起こります。ストレスや不規則な生活が原因です。
なぜ浮き足で自律神経失調症が起こるのか?
自律神経のバランスが崩れる原因の一つは首の骨の異常です。背骨の終点である首の部分の骨と脳が収まっている頭蓋骨の境目には自律神経が走っています。
足の裏と背骨は互いに体の重心を分散できるようになっています。
浮き足によってかかとに重心がかかりすぎてしまうと首の骨にも負担がかかります。
結果として圧迫された付近の自律神経の誤作動を引き起こすことにより、自律神経のバランスが崩れるのです。
自律神経失調症の症状は?
自律神経失調症では様々な症状が起こるのが特徴的です。興奮を司る交感神経が働きすぎればイライラや不眠症状が起こります。
逆に抑制を司る副交感神経が働きすぎれば、やる気が出なくなったり、うつ状態になったりします。
なぜ浮き足になるの?原因はコレだ
履き物のサイズがあっていない
靴やサンダル、ハイヒールなどの履き物のサイズが大きい場合、脱げないように無意識に足の指を反らして、脱げないようにしている場合があります。
これがずっと続くと普段の靴を履いていない状態でも足の指が地面についていない状態になるのです。
逆に靴のサイズが小さい場合には足関節が曲がっている状態が続くため、大きい場合と同様に靴を履いていない状態でも足の指が地面についていない状態になるのです。
子供の頃からのクセ
小さいときに外で遊んだり、歩くときに5本指で踏ん張る癖がないと、大人になってから浮き足になりやすいです。
運動不足
ランニングやウォーキングなど足を使う運動を行わなければ足の指の筋肉もどんどん衰えてしまうために浮き足になりがちです。
浮き足の改善はテーピングから
浮き足の改善にはテーピングが効果的です。テープには収縮性のあるものを用いましょう。ドラッグストアなどで販売されています。
巻き方としては足裏の一番太い部分からキツめに持ち上げるように巻くこと、反対側の甲の部分は緩めに巻くことがコツです。こうすることで足の正面から見てアーチ型になるように巻き付けます。
このテーピングによって足の指をしっかりと地面につけて浮き足を改善できるようになります。
浮き足の効果的な改善方法3選
歩き方や日常動作を意識する
浮き足は歩く際に意識するだけでも違ってきます。ポイントは足の指に意識を集中し、しっかりと指の全体をつけることです。
また立ち上がる際にもしっかりと足の指で踏ん張るように意識してみましょう。
矯正グッズを使ってみる
なかなか意識しても浮き足になってしまう場合は矯正グッズを使ってみましょう。
下半身ダイエットに注目が集まり、靴下やストッキング、靴のインソールなど様々な商品が販売されており、医師や大学との共同開発などの物も販売されています。
足指じゃんけんで筋肉を鍛える
指の筋肉をつけることも浮き足の対策として必要です。特別な道具を必要とせず、手軽に足指のトレーニングができる足指じゃんけんについて解説します。
まずグーは足の指を全部折り畳みます。
チョキは二種類あります。一つは親指を立てて他の4本は全てたたむ、もう一つは親指をたたんで他は全て立てます。
最後にパーは全ての指を開きます。グーチョキパーと繰り返してゆき10~30回やってみましょう。
足の浮き足について解説しました。最近の学校では子供を靴下でグランドで遊ばせたりして足の指を鍛えるところもあったりしており、足の裏の健康に注目が集まっています。
特に女性にとっては下半身のダイエットに関わっているので、積極的に浮き足は改善してゆきたい所です。
本稿で紹介した改善方法を試して理想のスタイルを手に入れて下さい。
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