肋間神経痛の症状チェック!背中や胸の痛みを放置しないで
<監修柔道整復師 岡部大輔>
ある日、何の前触れもなく肋骨のあたりがズキッと痛んだ経験はありませんか?この症状を肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)と呼びます。
肋間神経痛は様々な病気や体の状態によって引き起こされます。
ズキッと痛むその症状が肋間神経痛かどうか、まず症状チェックしてみましょう!
肋間神経痛の痛む場所
肋間神経痛は、文字どおり肋間神経がチクチク痛む症状のことです。
肋間神経は、あばら骨とあばら骨の間を通るように走っている神経のことですが、肋骨は鎖骨の下からみぞおちまで、人の体の広い範囲を覆っています。
その分、ひとくちに肋間神経痛と言っても、人によって痛みを感じ方が様々です。
特に肋骨は肺や心臓といった、生物には不可欠な内臓の上部を覆っているため、心臓や肺由来の病気による痛みと間違えやすいので注意が必要です。
痛みを感じる場所
まず、痛みを感じる部分や部位の例をまとめてみました。具体的な痛み方も説明しますのでご確認下さい。
✓ 背中
✓ 体の側面、あばら ✓ 心臓(のように感じる) ✓ 脇腹 (左脇腹、右脇腹) ✓ 脇の下 ✓ みぞおち (胸の真ん中) |
痛みの特徴
肋間神経痛は、何の前触れもなく急に起こることが特徴です。しかも、鈍痛というよりはズキズキっと刺すような鋭い痛みを感じます。
痛みの続く期間としては数秒から数分が一般的です。
最大数分で痛みは消えるので、特に病院に行かず放って置かれる方も多いようです。
もし、何度も痛むようでしたら専門医を受診することをお勧めします。
肋間神経痛の症状チェック
それでは、あなたが経験した痛みが果たして肋間神経痛かどうか、以下の項目をチェックしてみましょう。
✅ 左胸、右胸のどちらかだけに起こる胸の痛み
通常、肋間神経痛は左右どちらかだけに起こります。これは、痛みを感じている神経が背骨を中心に左右に分かれているからです。
両方痛む場合は他の原因の可能性があります。
✅ 突発的に起こる痛み
肋間神経痛は、前触れなく急に鋭い痛みを感じます。これが肋間神経痛の大きな特徴です。
狭心症や心筋梗塞の場合も一瞬のうちにビリビリと痛みが走りますが、我慢できない位の激痛になります。
その一方、肋間神経痛は痛みの度合いは下がるのが特徴です。
✅ 肋骨の下の部分を押すと起こる痛み
人によっては、肋骨の下を押すと痛みを感じることがあります。ですので腹痛なのかな?とも感じてしまうこともしばしばあります。
✅ 胸を広げると痛み
背伸びやストレッチ、深呼吸など胸を広げる動作をすると痛む場合は肋間神経痛でしょう。
✅ くしゃみや咳をすると痛み
くしゃみや咳の衝撃でズキッと痛みが走ることがあります。
✅ 体を捻ると痛み
肋間神経痛は運動時など、体を急にひねった時などにも起こります。
「もしかして腰を痛めたかも」と思っていたのに、実は肋間神経痛だったというケースもよくあります。
✅ ものを持ち上げる時に痛み
ものを持ち上げようと腕に力を入れ上半身を動かした時に痛みを感じる方もいます。
✅ その他 こんな異変も
上に記した他に、肋骨の部分が冷えているまたは熱を持っている感覚がある、口に苦味を感じる、喉が熱く感じる、息苦しい、吐き気など普段と違う感覚になることがあります。
また、胸がモヤモヤする、動悸がする、のぼせている感覚がすることもあるようです。
女性の場合、特に妊婦が肋間神経痛を患うケースが多いので注意が必要です。
妊娠中のストレスが原因ということもありますが、妊娠中は内臓が圧迫され、神経にも支障をきたすことが多いためです。
【関連記事】
肋間神経痛になる5つの原因はこちら!
肋間神経痛は何科を受診したら良い?
肋間神経痛が起こったのが一回だけであれば、そこまで心配する必要はないでしょう。
ですが、何度も続くようであれば、なんらかの異常のサインですので、病院で診察を受けてみて下さい。
まずは整形外科
肋間神経痛は、まずは整形外科を受診することをお勧めします。
肋間神経痛は、神経が圧迫されて起こることが多いので、整形外科でその原因を診てもらいましょう。
痛みがひどければペインクリニック
もし、痛みがひどい時は、麻酔科外来やペインクリニックを受診してください。
痛みを一時的に止める処置をしてもらうことができます。
針やツボ押し、整体
肋間神経痛の患者さんの中には、痛みがひどいけれど薬の治療を望まない方もいるようです。
そのような場合は中医学の針やツボ押し、あるいは整体で治療をされている方もいます。
ツボ押しやマッサージも効果はありますが、場所が場所だけに素人判断で行うのではなく、専門家に施術してもらいましょう。
【関連記事】
肋間神経痛になりやすい人の特徴はコレ!
肋間神経痛の治療方法
肋間神経痛の治療方法は原因によっていくつかあります。
薬で痛みを和らげる
まずは、なんらかの炎症が神経を圧迫していて痛みを起こしている場合は、消炎鎮痛剤や湿布を使用して炎症を鎮めます。
肋間神経痛の痛みがひどく、長引く場合は、神経ブロック注射(局部麻酔)を使用して、痛みを和らげます。
この時、もし神経の炎症も同時に起こっている場合はステロイド剤も混ぜて治療します。
患部を固定する
もし、あばら骨自体にヒビが入っている場合などは、患部を固定して動きを制限し、痛みが再発しないようにします。
体を整え痛みを和らげる
薬以外で治療をする場合は、ツボ押しや針治療、低周波治療などで痛みを和らげるようにします。
このような対処療法で痛みを和らげながら、もし他に原因があれば原因を取り除くように治療を進めていきます。
肋間神経痛は、もしかしたらどなたでも一回は経験したことのある症状かもしれません。年齢も関係なく発症しますので、大人も子供もかかる可能性は同じくらいあります。
激痛なので少し心配になりますが、一回ズキッと痛むくらいであれば、特に健康への害はないと考えていいでしょう。
ですが、もし慢性的に痛みが発生するようなら、まずはその痛みが肋間神経痛かどうか、症状をチェックしてみて下さい。
【関連記事】
肋間神経痛になる5つの原因!痛みやすい人はこんな人!
肋間神経痛が続くと、集中力や注意力が失われて日常生活に支障をきたしてしまいます。
寝起きからチクチク痛むと一日を嫌な気持ちで始めることになってしまいます。きちんと原因を探って治療しましょう。
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。