大人の起立性調節障害の5つの原因!治療法も分かりやすく解説!
<監修医師 WASHIO>
起立性調節障害の患者は主に子供が多いという実態ですが、成人になっても約4割の方が改善していない事実があり治らないケースもあります。
少し前までは怠け病といって判断されていましたが、近年その原因や病態が解明されこの病気の実態が明らかになってきました。
今回は、この起立性調節障害、特に大人の場合の原因、症状チェック、治療法について解説します。
気になる所から確認してみよう
大人の起立性調節障害の原因
大人の起立性調節障害の患者は子供の時に発症し約4割の方がそのまま成人してもこの疾患を抱えている、また再発する実態があります。
原因を取り除いてもいつ治るのか、治ったと言えるかどうか微妙な時があります。
自律神経のバランスの乱れ
人の身体は交感神経と副交感神経という相反する自律神経がバランスよく体を管理してくれていますが、起立性調節障害の方においてはこのバランスが崩れているために起きます。
自律神経についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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血流の悪化
大人の場合、起立性調節障害の診断基準は以下の症状が参考になります。
【大症状】
・A 立ちくらみ、あるいはめまい。
・B 立っていると気分が悪くなる。または倒れる。
・C 入浴時、または嫌なことを見聞きすると気分が悪くなる。
・D 少し動くと動悸やいきぎれがする。
・E 朝起きにくく午前中の調子が悪い。
【小症状】
・a 顔色が青白い
・b 食欲不振
・c 腰痛を時々訴える
・d 倦怠、易疲労
・e 頭痛 f乗り物に酔いやすい
・f 起立試験で立位心電図T1 T2の0.5mV以上の減高、その他の変化
・g 起立試験で脈拍狭少16mmHg以上
・h 起立試験で収縮期血圧低下21mmHg以上
・i 起立試験で脈拍増加1分21以上
以上の症状のうち大症状1と小症状3以上、または大症状2と小症状1以上、または大症状3以上 で診断となります。
生活リズムの乱れ
起立性調整障害の原因の一つに夜更かしや朝起きるのが遅いといった不規則で生活のリズムが崩れている事があげられます。
生活のリズムが崩れると自律神経のバランスが崩れ朝起きても副交感神経が優位に立っており元気が出ず起きられないという事が起きます。しっかりと睡眠をとる必要があります。
遺伝
起立性調整障害は遺伝による場合があると言われています。特に母親が子供の頃や大人になって起立性調整障害の症状を発症していればその子供も同じ症状を呈すると言われています。
体内時計の狂い
私達には体内時計と言って、身体のリズムをつかさどる生理上の機能があります。不規則な生活でこの体内時計に狂いが生じ生活のリズムが狂い身体の変調をきたします。
大人の起立性調節障害の症状診断チェック
大人の起立性調整障害の症状としては
1. めまいがする
2. 立ちくらみがする 3. 立っていると気分が悪くなり吐き気がしたり、倒れる、失神する 4. 朝起きられない 5. 午前中は調子がでない 6. 顔色が悪く青白い 7. 食欲がない 8. 頭痛がある 9. 腹痛がある 10. 少し動くと動悸、息切れがする 11. 疲れやすい 12. 乗り物酔いをする 13. 寝つきが悪い 14. いらいらする 15. 風呂に入ると気分が悪くなる 16. 身体がだるく疲れやすい |
以上様々な症状が見られます。これらの症状が複数出ているようでしたら、起立性調整障害を考慮の一端にいれなければなりません。
また、起立性調整障害が疑われた場合、新起立試験(仰向けに寝て一定時間経過後起き上がってその前後の血圧を測定する検査方法です)によって以下のチェックポイントを考慮します。
☑ 脈圧の差 → 16mmHG以上
☑ 収縮時血圧の安静時との差 → 21mmHG以上
☑ 脈拍差 → 21以上(1分間)
☑ 心電図の変化
その他、怠け病という呼び名についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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大人の起立性調節障害の治療法
起立性調整障害の治療は、自律神経の乱れを正しくするのが基本で、それにそって薬物治療やそのほかの治療をすすめます。
入院は必要ありませんが、外来でカウンセリングを中心に治療します。
薬物療法
症状によって各種の薬を処方しますが、主な症状に対する治療薬は次の通りですが、医師によるカウンセリングで相談して下さい。
1. 血圧低下を伴う症状 → 昇圧剤
2. めまい → 漢方薬
3. 疲労感、だるさ → 漢方、ビタミン剤
4. 寝つきが悪い → 睡眠導入剤
5. 体内時計の狂い → 専門の睡眠剤
自律神経を鍛える
自律神経に刺激を与え血管の収縮・拡張といった働きをよくするために、皮膚のマッサージなどを行います。
具体的には、風呂上がりに冷水をかぶる、乾布摩擦などです。皮膚に炎症や皮膚炎などがある場合は控えて下さい。
規則正しい生活
起立性調節障害は生活リズムの乱れが原因で自律神経の乱れを引き起こしますので、夜更かしや朝寝坊をしないように規則正しい生活を心がけます。
そして夜更かし等の生活パターンを改善し正しい生活習慣を身につける事が大事です。
早起きや運動、食事を見直す
身体の生活リズムを正しくするために、決まった時間に早起きをしましょう。そして、朝の日光を浴びる事によって体内時計のリズムを修正します。
また、運動することによって適度な疲労をすることで、食欲の増進をはかり、良好な睡眠をとるようにします。
起し方も無理やり起すのではなく自分から起きるよう仕向けましょう。食事を見直すことも重要です。
病院で何科を受診すべきか
受診するには何科が良いかですが、子供の場合は小児科を受診しますが、大人の場合内科、循環器科、心療内科、神経内科などを選びます。
内科などでは他の疾患と混同しむしろ悪化したり、見逃しもある可能性もありますので注意が必要です。
子供のころにかかり大人になるにつれ回復することもありますが、自分の環境の変化や仕事でストレスを受けたりし辛い思いをしますと再発する場合があります。
環境の変化と心の関係についてはこちらをみて参考にして下さい。
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病院に行く目安はどれくらい?
子供のころ発症した経験のある方は、同じような症状が起きれば病院にかかる必要があります。大人になってから症状が発症した方は、速やかに病院にかかりましょう。
改善せずに放置しておくとうつ状態からうつ病を発症したりしますので注意が必要です。また、周りの人も注意し受診を勧めるよう努めましょう。
うつについてはこちらを見て参考にして下さい。
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