イライラする病気診断!【女性・男性別にチェックしよう】
<監修臨床心理士 鈴木崇弘>
人には感情があり、喜怒哀楽が備わっていますが、時に自分の思い通りに物事がうまく進まなくなったりする際にイライラする事があるかもしれません。
それは自然な感情なので良いのですが、理由もなくイライラするというのは一種の病気という可能性が考えられます。
今回はイライラする際に考えられる病気についてお話しします。
イライラの原因となる病気
イライラする原因となる病気に関して、主に4つの病気が考えられます。
1.自律神経失調症
人間には活動している際の「交感神経」とリラックスしている際の「副交感神経」が働いていますが、このバランスが乱れた際に起こる病気が自律神経失調症です。
主な症状として目眩、吐き気、冷や汗、頭痛、微熱、過呼吸、倦怠感、生理不順などさまざまな症状が起こり、必要以上にイライラしてしまう事もあります。
自律神経失調症に関しての治療法としては、薬物療法や漢方での治療が多く扱われています。また生活習慣の乱れも原因の一つとされていますので、ご自身の生活習慣を見直す事も重要になります。
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2.強迫神経症
強迫神経症はまたの名を強迫性障害とも言います。この病気は神経症の一種で、脳内の特定の部位で障害が起こったり、セロトニンやドーパミンを神経伝達物質とする神経系での機能異常が原因で発症すると言われています。
あまり聞きなれない病気かもしれませんが、汚れている場所を綺麗にしても何度も同じ場所が気になって不安感が募り、掃除をしてしまう潔癖症もこれに当てはまります。
他にも鍵の施錠を何回も気になって確認してしまう事も強迫神経症の一種です。
同じことを繰り返し行動したり、考えたりする事でイライラが生じてしまう事も良く見られます。
この治療法としては強迫的な考えを取り除くための薬物療法や精神療法を行います。
3.うつ病
最近は良く耳にするうつ病ですが、気持ちが落ち込むだけではなく、イライラもうつ病の症状の一つです。
うつ病は心の風邪とも言われていますので、しっかりと休養を取る事(仕事を休職するなど)、薬物療法、精神療法などをきちんと行うことで症状は緩和されていきます。
これらの相談をする際には「心療内科」「精神科」「神経科」などを受診するのが良いです。これらの症状の専門医であり、気になる症状がある場合には一度相談してみる事をお勧めします。
4.バセドウ病
バセドウ病とは甲状腺でホルモンを作り過ぎてしまう事で起こる病気です。
バセドウ病の主な症状として、甲状腺の腫れ、目が飛び出てしまう、体温上昇、高血圧、イライラなどの身体症状・精神症状など様々です。長期に渡っての治療が必要になりますが、治っても症状が再発する事も多々あります。
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女性・男性別にみる病気
イライラに関しては女性・男性特有の病気の可能性もあります。
1.月経前症候群
女性には生理前に下腹部の痛み、頭痛、腰痛、肩凝り、貧血、肌荒れや精神的な部分であればイライラや気分の落ち込みなどが出る方もいるでしょう。
これは月経前症候群(PMS)と呼ばれる症状であり、月経の1~2週間前から起こり、月経が来ると自然と消えていく症状の事を言います。
女性の身体の中では排卵によってホルモンバランスが変化していて、この女性ホルモンの変化が月経前症候群の原因とされています。月経は基本的に毎月起こるものなので、仕方ないと思われがちですが、ピルなどをうまく使うことでホルモンバランスをコントロールし、症状を改善させる事も可能です。
かかりつけの婦人科、産婦人科などで相談してみるのも良いでしょう。
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2.男性更年期障害
更年期障害は良く女性に起こりやすい病気と言われていますが、男性もテストステロン(男性ホルモン)の減少によって男性更年期障害が起こります。
症状としては精神的症状としては抑うつ状態や不安感、イライラ、身体的症状ではめまい、動悸、全身倦怠感、頭痛、頭重感、多汗、のぼせ、下痢、呼吸困難など、自律神経症状が起こります。
そして男性に起こりがちな症状としては「不眠」です。不眠により身体と心の疲れが取れず、ますます精神的・身体的な症状を悪化させる可能性があります。
加齢と共に増加傾向にある病気ですが、生活習慣などが原因とされています。食事や適度な運動などによって生活習慣を見直す事が、病気を防ぐ事に繋がると考えられています。
イライラを解消する方法
では、これらのイライラする症状を解消する方法をご紹介していきます。
1.ヨーグルトを食べて腸内環境を整える
近年の研究で人間の腸内環境が気分と関係している事が分かっています。脳だけでなく腸内環境を整えて、善玉菌を増やす事でイライラを解消する作用があるといわれています。
腸内環境を整えるのに効果的なのがヨーグルトです。便秘解消にも繋がりますので、積極的に摂取したい食べ物の一つです。
2.睡眠を良く取る
充分な睡眠が取れていないと、イライラしたり体調に支障をきたすことが多々あります。睡眠不足は身体にも心にもマイナスになりますので、質の良い睡眠がとれるように「適度な運動をする」「湯船浸かって身体を温める」などの工夫をしましょう。
3.ビタミンB1やカルシウム、ビタミンCなどの栄養素を摂る
ビタミンB1やカルシウム、ビタミンCの栄養素には、イライラを抑える効果があります。
✅ ビタミンB1・・うなぎ、豚肉、落花生
✅ カルシウム・・チーズ、牛乳などの乳製品、ごま
✅ ビタミンC・・キウイ、イチゴ、ブロッコリー
などの食べ物に含まれています。積極的に取り入れることでイライラを抑える事に役立ちます。
また飲み物でも摂取できます。くわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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4.爪もみをする
爪をもむ事で神経系の乱れを整えてくれる効果があるといわれており、イライラの原因として神経系の乱れが原因となっている場合があるので、効果が期待できます。
やり方としては爪の生え際の角を少し痛いかなと思うくらいの強さで、10秒ずつくらい反対側の親指と人差し指でもみます。これを両手に行います。
5.声を出す
過剰にストレスをためやすい人は、感情を抑えがちな事が多いです。感情を抑えるとイライラや怒りとなって爆発してしまう事もあるかもしれません。
ストレス発散を兼ねて大きな声を出して、ストレス発散する事で感情を表に出し、気持ちがスッキリする事もあります。カラオケなども良いですね。
6.適度な運動を行う
適度に身体を動かす事で、副交感神経が働き、リラックスした状態を保つ事ができます。イライラしたりした際にはウォーキングなどで身体を動かす事も効果が期待できます。
身近なところでイライラの原因は存在します。子供の足音や車の騒音がうるさいなど・・イライラのきっかけは様々ですが、些細な事でイライラしたり、イライラが止まらない場合には、自分に合った方法でイライラを解消すると良いでしょう。
症状が酷い場合には専門医を受診してみるのも一つの方法です。無理をせず、なるべく穏やかに過ごせると良いですね。
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