女性不信の心理や克服法を詳しく解説【自己診断で不信度をチェック】
<監修医師 豊田早苗>
今回は「男性が女性に対して抱く女性不信」を取り上げます。そもそも女性不信とはどのような状態なのかを説明したあと、その特徴や克服方法についても紹介します。
気になる所から確認してみよう
女性が嫌いな訳じゃない!女性不信とはどんな状態か
女性不信とは、言葉の通り、女性を信じられない状態になることを言います。
過去に受けたトラウマ(心的外傷)体験が原因となり、それにとらわれてしまうために、女性に対して否定的な思考や言動、行動をするものを言います。
トラウマ体験になる出来事は人によって様々ですが、児童虐待、いじめ、セクハラ、モラハラ、恋愛における失敗体験(破局、裏切りなど)があります。
こうした出来事が影響し、「女性はみな信じられない」、「他の女性にも同じように裏切られるのではないか」などの極端な思考にとらわれます。
すると、女性と接する(会話など)することに対して過度に緊張したり、恐怖心を抱いたり、苦手意識を持つようになるため、女性と接する場面を避けるようになります。
また、人によっては冷や汗をかく、顔面が紅潮するといった身体症状が現れることもあります。
セルフチェックで女性不信度を診断しよう
ここでは、女性不信の傾向についてセルフチェックできるように、会話・会合・視線に関する症状を紹介します。
当てはまる項目が多いほど、女性不信の傾向が強いと言えます。
女性との会話に対して
女性と1対1で会話する場面になると、
①緊張する、②落ち着かない、③不安になる、④恐怖感がある、⑤赤面する、
⑥思うように会話ができなくなってしまう(何を話したらよいか分からない)、
⑦異常に汗をかく、⑧異常に疲れるなどが現れます。
また、⑨相手に嫌われているのではないかと思う、⑩あとで悪口や嫌味を言われるのではないかと思う、
⑪会話する場面を避けたいと思う、⑫会話する場面を避けようと言い訳を考える、
⑬一人でいることを好む、なども女性不信から起こります。
女性との会合に対して
人が集まる場所に女性も混じっていた場合(パーテイ会場、電車やバスの中など)に、小見出し1に挙げたような症状が現れます。
女性の視線に対して
実際に会話などをしていなくても、女性からの視線を意識するだけで小見出し1に挙げたような症状が現れます。
なぜ女性不信になったのか心理を探る
ここでは、女性不信に陥る原因について説明します。注意したいのは、こういった原因があるからといって、必ずすべての人が女性不信になるわけではないということです。
また、一つの要因だけで女性不信になる人もいれば、いくつかの要因が複雑に絡み合って女性不信につながっている人もいます。
生育環境(家庭環境)にある場合
女性不信となる原因が生育環境にある場合があります。
例えば、
①母親がしつけや勉強にとても厳しかった、
②母親に加え、姉・妹などの女性が父親などの男性よりも優位(女性優位)だった、
③(②とは反対に)母親以外との女性と全く接点がなかった(男家系)といった家庭環境が、
後に女性への苦手意識から女性不信につながる可能性があります。
過去の恋愛経験にある場合
女性との恋愛において、何らかの失敗体験が女性不信の原因となる場合があります。
例えば、①突然別れを告げられショックを受けた、②浮気をされた、などの失恋が考えられます。
また、③好意を寄せていた女性の嫌な一面(例えば他人の悪口を言う、だらしない行動を見る)を見てしまい、「理想と現実とのギャップ」に幻滅してしまうことが女性不信につながる可能性もあります。
学校や職場環境にある場合
学校や職場において、女性から何らかのいじめや嫌がらせ(パワハラ・セクハラなど)を受けたことが女性不信の原因となる場合もあります。
学校では同級生ということもあれば、女性教師というケースも考えられます。同様に、職場では女性の同僚や後輩ということもあれば、女性上司というケースもあります。
コンプレックスがある場合
男性に限ったことではありませんが、自分に何らかのコンプレックスがあることで恋愛や結婚に否定的になる場合もあります。
例えば、①外見に関すること(身長、体型、容貌)、②仕事に関すること(正規雇用か非正規雇用か、年収)、③恋愛経験の有無がコンプレックスになる可能性があります。
女性不信の男性の3つの特徴
ここでは、女性不信に陥った男性にはどういった特徴があるのかについて説明します。当てはまる特徴の多い人の方が、より女性不信の傾向が強いと言えます。
ネガティブ思考になっている
女性不信に陥っている男性の特徴の一つとして、女性や恋愛・結婚に関することについてはネガティブ思考になっているということが言えるでしょう。
例えば、女性や恋愛・結婚に関して長所よりも短所ばかりに目がいき(減点方式)、批判的になります。
感情を抑えている
小見出し1に挙げたように、表面上は女性や恋愛に対して否定的な態度をとっていても、「本当は女性と仲良くなりたい」、「恋愛や結婚がしたい」という感情があります。
ただ、過去の失敗体験から「また失敗するのではないか、だったら積極的に行動しないほうが良いのでは」という葛藤が生じます。
こうして、女性や恋愛に対する感情を抑制してしまうようになります。
一人でいること(孤独)を好む
小見出し2に挙げたように、感情を抑制していると、徐々に異性と接する機会そのものを回避するようになります。
つまり女性と距離を置くようになります。女性とのコミュニケーションの機会を避けるなど、基本的に一人でいることを好むようになります。
女性不信の克服法4選
では、女性不信を改善・克服するための対策法について説明します。
まずは原因を究明すること
見出し3に挙げたように女性不信に陥る原因には様々なものがあります。
そして要因が一つの場合もあれば、複数の要因が絡み合っている場合もあるため、まずは自分がなぜ女性不信に陥ったのか、丁寧にその原因を探るようにしましょう。
会話しやすい女性とまずは話すこと
女性とのコミュニケーションそのものを避けている男性にとっては、いきなり合コンなど出会いの場に足を運ぶのはハードルが高いものです。
そこで、家族や親戚の中にいる女性との会話から始めるようにしましょう。相手と学校や仕事での出来事を話したり、悩みを聞いてもらうのも一つです。
それに慣れてきたら、学校や職場での仕事上の付き合いのある人との会話にステップアップしていくようにします。
徐々に自分に免疫を付けることで、女性への恐怖心や不安感も軽減していくはずです。
0か100か(白か黒か)で女性を判断しない
過去のトラウマが原因となり、「女性はみな自分を傷つけるものだ」という極端な思考(白黒思考などと呼びます)がある場合や女性に完璧(100点)を求める傾向にある場合は、少しずつ変えていく必要があります。
具体的には、
①自分にも女性にも短所があり、また長所もあるということを認める(ありのままを受け入れる)、
②男性も女性も十人十色で性格や価値観の合う・合わないがある(みなが自分を傷つけるわけではない)、
③始めから恋愛関係を目指さなくても良い(まずは女友達を見つける、失敗する自分でも良いという気持ちを持つ)などを心がけるようにしましょう。
こうして自分の頑固で閉鎖的な思考を変化させ、行動に移していくことによって、それまでの悪循環から抜け出していくことができます。
心理カウンセラーなどによる治療を受ける
自分一人で小見出し1から3に挙げた項目を実践してみても、なかなか改善が見られない場合は専門家の力を借りるのも一つの方法です。
というのは、人格形成に関わる10代までの間に女性不信に陥るようなトラウマ体験をしていた人の中には、社会不安障害やパーソナリティ障害といった病気が隠れていることがあるからです。
そのため、セルフケアで改善が見られない場合には、専門家による治療(カウンセリング、薬物治療など)が必要かどうかを判断してもらうためにも、一度受診をお勧めします。
男性不信には女性不信と違う心理があった
さて、ここまでは男性の女性不信について説明してきました。最後に女性の男性不信について少し触れていきます。
女性が男性不信に陥る原因は、
恋愛での失敗経験(浮気、別れを告げられるなど)やDV、父親から母親への暴力(殴る・蹴るといった身体的暴力の他にも、怒鳴る・相手が傷つくことを言うといった精神的暴力も含みます)、
父親からの虐待、異性からの性的嫌がらせ(痴漢なども含みます)など男性と同様に様々です。
男性不信に陥った女性には、男性や恋愛・結婚に関することについては、恐怖心、不安感、緊張感、落ち着かない、嫌悪感など様々なマイナスの感情を抱くようになります。
すると、男性と会話する機会を避ける、近づかないようにする、目を見ないなどの行動を取るようになります。
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