寝すぎた腰痛の4つの治し方【原因を知って改善しよう】
<監修医師 まっちゃん>
日々の疲れを癒すのに、生活で一番大切な睡眠。連勤が続いた久しぶりの休日や、長期休暇でまとまったお休みがあるとき、ついついダラダラとベッドの上で寝て過ごしていたりしませんか?
今日は楽をしたい」と考えてしまうのは、誰しもあることですが、存分にダラダラと寝すぎていざ立ち上がろうとしたときに、腰が痛いと感じたこともあるはずです。
それは単純に身体が疲れているわけではなく、寝すぎが原因である可能性もあります。寝すぎからくる腰痛は身体に良くないサインの一つなのです。
今回はなぜ寝すぎが身体に悪いのか、そして寝すぎの腰痛に悩んでいる方に、その治す方法などをご紹介します。
寝すぎると腰痛が出てくる原因
身体を横にしてリラックスすることは、一見して休めているように見えますが、実は寝た態勢をずっと取り続けることも腰にとって負担となっています。
長時間イスに座っているとお尻が痛くなってくるのと同じで、横になることで腰をずっとベッドやマットレスに押し続けている態勢をとっていることになるのです。
この体勢では血行障害が起こり筋肉もけいれんや緊張(固まりやすく)しやすくなります。
つまり、腰が痛いからといって横になったまま痛みが引くのを待つというのは、かえって逆効果になります。
寝ているときに寝返りをうってない
通常の人は寝ている間、無意識に寝返りを打つことで寝心地の悪化を防いでいます。
しかし、アルコールを飲んだ後や過食をした後などは、熟睡してしまって寝返りをうたないこともあり、このことが原因で寝起きに腰痛を感じることがあります。
さらに、病気や怪我などで入院したときに、同じ態勢のままでいると、それが原因で腰痛を引き起こすケースもあるのです。
寝返りというのは、本人が行う本能の整体とも言われ、寝返りを打つことで血流やリンパ液・関節液などの循環を促し、脊椎や筋肉、椎間板をまんべんなく休める働きがあります。
自分の脳が理解している範囲のなかで悪いところ、疲労しているところを改善するために、脳の指令で行っているのが、寝返りなのです。
寝返りをうたないままの状態だと、血行障害が起こり、そこを寝起きなどで急激に動かしてしまうと痛みが起こるのです。
体調が悪い
頭から足にかけての連動した筋肉の緊張具合から、首から腰の連動した背骨の動きなど、または個々の筋肉自体のトーンに問題があったりすると、寝過ぎによる腰痛が起きます。
風邪で熱が出てしまい寝込んだり、ストレスで身体に不調が出たり、猫背などで姿勢が悪かったりすると腰などに悪影響が現れやすいのです。
また、寝ている間もインナーマッスルと呼ばれる内側の筋肉は働いており、身体を支えられています。
そのため、寝ている時間が長いとインナーマッスルが働く時間も比例して長くなり、その分が疲労して腰痛になりやすくなるのです。
寝具が合ってない
一般的に、柔らかすぎるマットレスや布団は、腰を不安定な状態で支えるため、腰の痛みの原因になり、また、ヘルニアを患っている場合は、椎間板の内圧が高まる恐れがあります。
だからといって寝具が硬すぎる場合も、背骨(腰椎下部)の反りが強くなり、圧迫が起きるために腰痛を起こしやすくします。
通常は人の腰椎はなだらかな形の、弓状の反りになっているため、寝ている間もこのカーブを保つのが重要になるのです。
そのため、柔らかくもない硬すぎでもないやや硬めの寝具がおすすめです。
枕が合ってない
もし枕なしやタオル枕、低い枕を使用している場合、顔が上を向いた状態になるので、頭と首の付け根の筋肉が緊張しやすく、背中の丸みと腰の反りが誘発され、この状態のせいで、筋肉の寝ている時間の緊張による頭痛や腰痛を起こすことが多々あります。
また、枕が高すぎる場合は、枕と接触する部分の筋肉を伸ばしすぎてしまい首周りの筋肉への負担が強くなるため、その部分で痛みを誘発し「寝違い」を引き起こしやすくなります。
これは首の後ろが伸ばされて、首から足までの筋肉が緊張して、首から背中の筋肉が伸ばされるためです。
最近では首のシワが出来ないためにと、枕なしや低い枕が推奨されることがありますが、これは首の状態を無視し負担をかけるものです。
首に問題がある方、不安に思われる方などは合ってない枕を使うことはやめましょう。
寝すぎて出る腰痛の対処法
寝すぎて腰が痛くなる場合は、寝すぎにより身体の筋肉やスジが固まってしまって、血行が悪くなっているせいで身体がうまく動かせなないことにより起こります。
何よりも実践して効果的なのが、身体を動かして血行をよくすること。
または、一時的な痛みの緩和として、市販の湿布薬などを活用することも大切です。
朝起きたらストレッチをしよう
自分でできる一番簡単な方法として、目覚めて腰回りの血行を改善するストレッチを行うことが効果的です。
1. 最初に仰向けに寝て、両手を真横に広げます。
2. 次に、肩が上がらないようにしっかりと水平にした状態のまま、ウエストをゆっくりと左右にひねりましょう。 3. 腰の下にクッションなどを敷いて痛くないよう無理せず、腰を10秒ほど浮かせます。 4. ゆっくりと起き上がったら、背中を軽く伸ばし、時間をかけて深呼吸をしましょう。 |
簡単な動作ですが、これを数セット身体の筋肉を伸ばすことを意識してゆっくりと繰り返すことで、腰回りの血行不良が解消され痛みが緩和されるはずです。
さらに、現在の自分の身体の状態にあったストレッチ、腰痛予防・対策体操、姿勢の指導は、専門の病院の他にも、ほとんどのカイロプラクティックや接骨院や鍼灸院、整体院などで指導してくれます。
腰の痛みが気になる人は、ぜひ一度専門の方に教えてもらい、日常生活のなかに腰痛対策のストレッチを取り入れてみてください。
湿布薬や鎮痛剤を使う
一時的にですが、すぐに痛みをとりたい。あるいは、ストレッチをしても痛みが続くという場合、市販の湿布薬を貼るか、消炎鎮痛剤を塗ってみましょう。
寝すぎて痛みがあるときは血行不良で身体の筋肉が固まってしまっているので、冷感よりは温感湿布がおすすめです。
しかし、かなり痛みが強い時は、患部を冷やして病院の整形外科へ行きましょう。痛みが強い場合には寝違え以外の場合もあります。
また、鎮痛内服薬を服用することも痛みを抑える手段として有効ですが、胃が荒れたりする身体的な負担もあり、長期服用するものではないため、毎日痛みを感じたり症状が続いている場合は、接骨院や整形外科などの医師の診察を受けてください。
身体を温めよう
冷え性などの方は、通常の人よりも寝ている間に末端から身体が冷えて、血行が滞ってしまいがちになります。
そのため、寝るときは事前に靴下を履いて寝るか、下半身にだけ毛布を増やすなどの工夫をして冷え性対策を行いましょう。
寝る前にカフェインが入ってない温かいお茶を飲むことも冷え性対策には効果的です。
寝すぎで出る腰痛の予防法
まずは、寝すぎを防ぐことが何よりも重要です。休日でもダラダラと二度寝を繰り返すことなく、毎日同じ時間に起床し、起きたらすぐにカーテンを開いて朝日を浴びるといった習慣をつけましょう。
また、寝る前に行う運動を習慣づけたり、自分の身体に合った寝具を選ぶのも腰の痛み、または頭痛、肩こりを予防するのに効果的です。
就寝前に軽い運動をする
お風呂から上がって寝る前、身体が温まっているうちに軽い全身運動をしましょう。
激しい運動ではなくて良いので、ラジオ体操などで行う身体を伸ばすストレッチで深呼吸をしながら、ゆっくりペースで行ってください。
すると、身体が解れて副交感神経が活発になることで脳が自分の身体の状態を理解してくれ、深い上質な睡眠がとれます。
さらに寝返りが打てる準備ができたという判断もしてくれるため、腰痛の予防にもなるのです。
身体に合わせた寝具を選ぶ
最近の寝具には、体圧分散タイプの布団やマットレスというものもあります。
腰に掛かる負担をぐっと減らす寝具を選ぶことが毎日の体調にも影響するため、慎重に選ぶのがコツです。
また、布団やマットレスなどの寝具だけでなく枕の硬さや高さも合っていないと身体に負担が掛かってしまうので、自分の首に合わせたものを選ぶ方がいいでしょう。
寝る姿勢を変える
腰に負担が掛からない一番の寝方は横向きで寝ることです。しかしだからといって今まで仰向けやうつ伏せの姿勢で寝ていた人が、急に寝方を変えていくのは難しいことでもあります。
そこで、横向きで寝るために意外とオススメなのが抱き枕を使うことです。
抱き枕が無い場合や、わざわざ買うのが煩わしい方は、使っていない布団やクッションなどを代用するのもいいでしょう。
インナーマッスルを日頃から鍛える
座っている間や寝ている間にフル活動されるインナーマッスルが弱っていると、起きた時に腰の痛みが引き起こされやすくなります。
そのため、歩くときは大股で歩いたり、腹筋や背筋などの筋トレをしたりする時間を日頃から習慣づけてインナーマッスルを鍛えることで、腰痛になりにくい身体作りをすることが大切です。
まとめ
目覚まし時計の音で目を覚まさなくてもいい日というのは、つい自分を甘やかして寝すぎてしまうものです。
しかし、身体のことを考えると、休日だからとダラダラ寝すぎるよりは、毎日同じ時間で目覚めることが、頭も身体もスッキリ起きることができます。
早起きは三文の徳と言いますが、朝から腰の痛みを感じて、一日が始まる前に疲れてしまうよりも、上質な睡眠をとり、早起きをしたあとはゆっくりとストレッチをすることを心がけ、気持ちの良い一日を過ごしましょう。
【参考記事】
寝すぎて頭痛いし吐き気がする!原因や治し方を3分で解説!
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