腸腰筋の簡単なストレッチ法を伝授【鍛え方のポイント教えます】
<監修柔道整復師 りんご>
腸腰筋とは大腰筋・小腰筋・腸骨筋の三つの筋を合わせた筋肉で、上半身と下半身を結ぶ重要な筋肉です。
また背骨を左右から支える柱として非常に重要な役割があり、日常生活の動作に必要不可欠な筋肉です。
この腸腰筋は30代から急速に衰え始めるといわれており、身体への影響も現れます。
今回は腸腰筋について詳しく解説するとともに、鍛える為のポイントやストレッチ方法についてもご紹介いたします。
腸腰筋とは?
腸腰筋とは体幹の安定装置ともいえる筋肉です。大腰筋・小腰筋・腸骨筋の三つの筋を合わせて腸腰筋といいます。
背骨を左右から支える柱として、また体幹に必要である垂直軸を保持する為にも重要な筋です。
腸腰筋は背骨に付着していて、脊柱のS字カーブを維持し、骨格の体軸の安定も保っています。この腸腰筋はスポーツだけでなく日常生活の動作の中でもとても重要な役割を果たしています。
股関節を屈曲させる為や、起き上がる時、歩く時、全ての動作に関連している筋肉なのです。
また腰痛の原因として腸腰筋の衰えが原因の可能性もあります。現代社会はデスクワークが中心のお仕事が多く、長時間座ったままでいる事が多いと思います。
すると腸腰筋は伸びる事もなく、次第に縮んで固くなっていきます。猫背や姿勢の悪化、体の歪み等にも繋がり、腰痛を招くようになります。
腰椎の自然なカーブもなくなり、スタイルも悪くなり、また血流の悪さからぽっこりお腹の原因にもなります。
腸腰筋は非常に大きな役割を持っていて、日常生活を過ごす上で必要不可欠な筋です。腸腰筋を日頃から少しずつ鍛える事で様々な効果や、身体の不調の改善にも役立ちます。
腸腰筋の意外な作用
次に腸腰筋が衰える事で招いてしまう状態を解説いたします。
ぽっこりお腹
腸腰筋は、骨盤内に付着しており、下腹部の血流にも関連しています。骨盤内の筋が弱くなり、内臓の位置が変わってしまう場合があります。
そして代謝も悪くなり、下っ腹がぽっこりお腹になってしまうのです。腸腰筋を鍛えて、血流を良くして、代謝を上げましょう。
腸腰筋の固さ
腸腰筋が固いと血流を阻害してしまい、便秘・消化不良・むくみ・生理不順・生理痛等の様々な症状が現れます。
血流を良くする為には腸腰筋を鍛えなければなりません。
猫背
腸腰筋の衰えにより、骨盤が後ろに傾いてしまいます。そしてその影響により、体が支えられなくなり、猫背、姿勢の悪化に繋がります。
姿勢が悪くなる事で、歪みや腰痛等の症状も起きるようになってしまいます。
腰痛・転倒
腸腰筋は歩行や走行にも重要な役割を持っています。スポーツ時だけでなく、日常生活のどの動作にも必要な筋肉なのです。
この腸腰筋が衰える事で足がきちんと上がらずにつまずきやすくなったり、転倒してしまう事もあります。腸腰筋を鍛える事で腰痛の改善にも効果が期待できます。
脂肪
腸腰筋が衰える事により、下腹部の血流が悪くなり、腸腰筋の血流も悪くなります。血流が悪くなると代謝が悪くなりますので、脂肪も溜まりやすくなります。
腸腰筋は年齢とともに衰えやすい筋肉ですので、日頃から意識して鍛える必要があります。
腸腰筋を鍛える事で、 血流が良くなり、基礎代謝も上がり、ダイエット効果が期待できます。
腸腰筋の構造を知ろう
次に腸腰筋の構造について解説いたします。腸腰筋は、腸骨筋・大腰筋・小腰筋の三つの筋から形成されています。
腸腰筋は10センチもの長い筋であり、腰椎・腰椎から仙椎に移行する部位に付着しています。
腸骨筋は、腸骨という骨盤を構成している骨から始まります。腸骨はお尻の形を作る骨の事で、腸骨筋はその骨の内側上部から始まり、大腿骨の小転子という突起に付着しています。
この腸骨筋は、股関節を曲げる働きや、骨盤の前後の傾きにも深く関与しています。
歩行時や走行時に、この腸骨筋は大腰筋へのブレーキをかける作用があり、重要な筋なのです。
その大腰筋には、深頭と浅頭という二つの頭があります。浅頭は胸椎から腰椎、大腿骨の小転子という突起に付着しています。
また深頭は腰椎全体から始まり、浅頭と同じく大腿骨の小転子に付着しています。
股関節を曲げる、腰椎のカーブを作る、さらに腰椎を左右から保護して体幹の柱となる部分を作っている重要な筋です。
小腰筋は、大腰筋浅頭に沿うように位置し、腸恥隆起といわれる腸骨と恥骨の結合部の部分に付着しています。
骨盤の中に付着部がある為、股関節そのものの運動には関与しておらず、およそ50%の人には欠如していると言われている特殊な筋肉が小腰筋です。
これらの三つの筋は体の軸となる部分に付着しており、他の大腿四頭筋や下腿三頭筋のようにはっきりと目で見る事はできません。
腸腰筋は、この三つの筋から構成されており、歩行時や走行時の運動時の運動効果はもちろんの事、腰椎を左右から安定させている体の重要な柱なのです。
腸腰筋の簡単なストレッチ法
最後に腸腰筋の簡単なストレッチ法についてご紹介いたします。
腸腰筋を鍛える事で、骨盤の位置を正して姿勢の改善効果・内臓位置を正常にして血流を改善して基礎代謝を高める効果等、様々な効果が期待できます。
今回ご紹介するストレッチ法は腹圧を高めるものですので、持病をお持ちの方や、高齢者、既往歴のある方は必ず医師にご相談ください。
レッグレイズ
腸腰筋の作用を最大限に利用する方法をレッグレイズといいます。フォームを守りながら、ポイントに注意して行いましょう。
1. 床に仰向けになる…固い床では腰を痛めますので、ヨガマット等を敷いてください。
2. 床から10~15センチぐらいの位置まで両足を上げてそのまま保持。…保持は約5秒
3. 息を止めないように注意し、徐々に足を上げていく…ゆっくりと息を吸いながら。
4. 40度~45度あたりで一度止めて10秒そのままキープ…足を上げ過ぎないように。
5. ゆっくり息を吐きながら下げていく…息を止めずに、ゆっくりと息を吐きながら。
1~5までの動作を10回を目安に行ってください。
ニーレイズ
ニーレイズは先程のレッグレイズを少し簡単にした方法です。レッグレイズより簡単にでき、初心者に向いています。
1. 床に仰向けになる…固い床では腰を痛めます。ヨガマットやバスタオル等を敷きます。
2. 両ひざを曲げた状態で、足を床から10センチ程度離す…膝の高さは左右同じにする。
3. 息を止めないように注意し、ゆっくりと上げていく…股関節を90度付近まで上げる。
4. 足の先が床につかない程度までゆっくりと下げて、再び上げる…呼吸は止めない。
ゆっくりと息を吐きながら下ろし、息を吸いながら足を上げてください。
1~4までの動作を10回を目安に行ってください。
バランスボール
このバランスボールを使った方法は腸腰筋だけでなく、股関節の内側の筋肉も鍛える事ができます。
太もものシェイプアップにも効果がありますので、是非お試しください。
1. 床に仰向けに寝て、両足の間にバランスボールを挟む…手はお腹に添える
2. 股関節を軸にゆっくりとボールを持ち上げる…息を吐きながら、ボールを落とさずに。 3. 50度付近まで持ち上げて20秒保持…股関節を曲げ過ぎないように 4. 息を吸いながらゆっくり下ろす…意識してゆっくり下ろす 1~4までの動作を10回を目安に行ってください。 |
足漕ぎ
足漕ぎトレーニングはベッドやお布団の上でも気軽にできる方法です。是非取り入れていきましょう。
1. 仰向けになる…お腹に手を添えると、筋肉の収縮がわかります。
2. 自転車に乗った時のように足を漕ぐ…股関節を曲げ過ぎると膝のトレーニングになってしまうので、股関節を軸にしっかり回してください。1分間行い、逆回りも同様に行いましょう。
頭の後ろで手を組み、体を起こした状態を保ちながら行うと、腹筋にも効果的です。
ランジウォーク
動きのあるトレーニング方法なので、腸腰筋だけでなく、お尻の筋、太もも全体にも効果が期待できます。
1. 立った状態で一歩踏み出す…歩き出した時の一歩ぐらいのイメージで
2. 体を床に垂直に保ったまま、ゆっくりと体を沈めていく…後ろの足はかかとを上げる。沈め過ぎないように、前に出した足の膝が90度ぐらいに曲がるように意識します。
3. 膝に頼らずに、真上に引き上げられるイメージで体を起こし、後ろ足を前に踏み出す…後ろ足を踏み出す時に片足立ちになるので、ふらつかないように腹部に力を入れる。
4. 繰り返し行う…体を垂直に、目線は下げないように、フォームを意識します。
20歩を1セットの目安で行ってください。
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