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尿が出ない6つの原因!【危険な病気に注意して!】

<監修医師 春田 萌>
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トイレに行って尿が出ない・出にくい・残っている感じがするなど、尿に関するトラブルは自分で気づいていてもなかなか人には言えないものです。気にしながらもそのままにしてはいませんか?

尿が出ないという症状は命にかかわる病気の可能性もあるのです。尿の出に関わる病気やその原因について考えてみましょう。

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尿が出ないってどういうこと?

 

健康な成人の1日のおしっこの量はだいたい1000ml~2000ml程度ですが、自分のおしっこがどれぐらいの量か測ったことはないですよね。

尿が出ないといっても全く出ないことや出るけれど時間がかかることなど、症状も様々です。

 

尿がたまる膀胱の容積は250ml~600mlと個人差があり、男性の方がより大きいという男女差もあります。大体その半分ほど尿がたまるとトイレに行きたくなります。

 

尿は腎臓で作られ尿管を通過し膀胱へ溜まり排尿されるという仕組みで、それらは泌尿器科の領域となります。

排尿障害でいえば、過活動膀胱という言葉を最近はよく耳にします。過活動膀胱とは頻尿や尿失禁が主な症状で、高齢者に多いという印象がありますが実はストレスなどからくる心因性のものが案外多いのです。

 

頻尿になるとつい水分を控えがちになり、それがもとで脱水を起こしたり膀胱炎になったりする患者が増えているようです。

【関連記事】
膀胱炎は何科を受診する?【自然治癒の方法も解説】

 

尿が出ないということに話を戻しますが、膀胱に尿がたまっているにもかかわらず尿がまったく出ない事を尿閉と言います。急に出なくなる場合と、徐々に出なくなる場合があり、このような症状を排尿障害と呼びます。

 

排尿障害になると本来身体から出さなければいけない不純物などが排出されないため手足や顔がむくみ、吐き気などをもよおします。

 

病気ではないと思うけれど・・・尿が出ない・出にくい時にはあまり時間を置かずに医療機関を受診することをまずお勧めします。

気づいたら重篤な病気になっていた、ということになりたくはありませんが実はこのような場合が多いのです。

 

病院には行ったものの病気ではなかったという場合に効くつぼをここで覚えておいてください。

 

「腎兪」「関元」の二つのつぼです。

✅「腎兪」は腎臓に関与するつぼで、腕を曲げてひじの内側の線と同じ高さの背骨から指2本分外側にあります。

✅「関元」は膀胱に関与するつぼで、おへそから指4本分下がったところにあります。

 

二つのつぼにお灸をすえるのが良いのですが、なかなかお灸はちょっとという時には便利アイテムの「使い捨てカイロ」を利用しましょう。

 

貼るカイロの小さめのものならジャストサイズで支える手もいりませんし温度もちょうど良いのです。剥離紙をはがしたらそのまま背中とお腹にぺたりと貼り付けてください。身体の冷えも取れますし腎臓と膀胱の機能もアップします。

尿が出ないことにも効きますが、冷え性の方にもおすすめです。

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尿の出ない原因

 

尿が出なくなる原因は腎臓・尿道・膀胱の病気が多いものです。複数の臓器を包括して考えますが、主には腎臓を中心として定義されます。

 

腎前性

腎臓より手前に原因があるもので、水分や血液の流れが影響しています。普段から汗かきで夏場に水分補給が少なくて脱水になったり、胃腸が悪くて嘔吐や下痢・発熱が続いても脱水状態に陥り血流量が減ります。

 

事故などで大量の出血をしたり、細菌性の感染症でも血圧が下がってこれもまた血流量が減ります。血流量が減ることによって腎臓への水分の流入が過少になり、結果として尿の量が減り出なくなるのです。

心不全でも腎臓へ送られる血液が不足するため尿が出にくくなります。

 

腎性

腎臓自体に問題があるものです。高血圧や糖尿病で腎臓自体が弱ったり障害が出ると尿が出なくなります。

腎炎や膠原病などでも腎臓の機能低下を起こすため尿が出にくくなる状態を招きます。慢性腎不全になると尿が出なくなり毒素の排出ができず尿毒症を起こします。

 

自覚症状は少ないまま重症化すると生命の危険があるために慢性腎不全では代替としての「血液透析」が治療として必要になります。

腎臓の機能についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
腎臓の位置はココ!【腎機能低下の4つの原因や症状をチェック】

 

腎後性

腎臓よりも下方にある臓器の問題を見てみましょう。腎臓から続く臓器は順に尿管・膀胱・尿道となり、男性はその他に前立腺があります。これらの臓器に関わる病気から尿が出なくなることが多くあります。

 

神経因性膀胱膀胱の神経に障害があり尿がたまったままになり尿道へ出なくなります。仮に膀胱から尿が出ても、尿道がふさがれているため排出することができなくなるのが前立腺肥大症という病気です。

他には、尿管結石や尿道結石、尿道腫瘍・膀胱腫瘍・陰茎がんのようなガンも原因となります

 

腎臓など泌尿器以外の原因

尿の通り道の尿道が塞がれると、尿は出なくなります。男性に限定されますが、真性包茎なども尿道をふさぐ原因として考えられます。女性では子宮筋腫も排尿障害の原因となります。

 

これは、筋腫が肥大化することにより腸管や膀胱を圧迫して起きるものや、尿管自体を圧迫する場所に筋腫ができることで尿が出なくなるものがあります。

また、子宮ガンで子宮全摘出と同時に卵巣などの摘出手術を受けた場合にも排尿障害が起きることがあります。

 

薬の副作用

薬の副作用でも腎臓に悪影響を与えて尿を出なくすることがあります。内服するものでは解熱鎮痛剤抗菌剤抗うつ剤、透視検査に使用する造影剤などです。

 

ただ、これらの薬品は体内に入ったからと言って必ずしも悪影響があるわけではありませんが、念のため薬のアレルギーなどを確認してみたほうが良いでしょう。

抗うつ剤の副作用についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
抗うつ剤の8つの副作用に注意!【効果と合わせて確認しよう】

 

過剰なダイエット

ダイエットで尿が出なくなるなんて有り得ないことだと思うでしょう。しかし、過剰なダイエットで下剤をたびたび飲んでいると尿は出なくなります。

 

食べるものは減らして水分は毎日2リットル採っているから十分だ、と思ったら大間違いです。体重が思うように減らないからと下剤を連用すると、水分は吸収されないまま「下痢」という形で出て行ってしまうため脱水症状を起こしてしまうのです。

ですので、過剰なダイエットでも尿は出なくなることもありますのでご注意ください。

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尿が出ないと考えられる8つの疾患

 

尿が出なくなる原因は大きく分けて5つでした。その大部分を占めるのはやはり病気でした。ここからは、尿が出なくなるもしくは出ないと考えられる疾患について解説します。

 

前立腺肥大症

この疾患は加齢とともに前立腺が肥大していく男性の病気で、50代以上の2割程度がり患しているといわれています。

原因は男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが加齢とともに崩れるためで、漢方薬などの内服治療や外科手術が主な治療法となりますが、肥満や高血圧・糖尿病などと関係があると言われています。

 

排尿困難以外の症状としては、尿道粘膜からの出血により血尿が出ることもあるもので、原因は今だわからないことが多いものの短時間に大量の飲酒をすることや長時間のデスクワークなどとの関係も指摘されています。

【関連記事】
血尿が出た男性はアノ病気が原因?痛みなしだと危険なの?

 

尿道狭窄

尿道狭窄(にょうどうきょうさく)も男性に多くみられる疾患です。

原因はケガやカテーテル挿入・内視鏡検査の後遺症などで尿道内に傷ができた時に主に発生します。性感染症も原因に数えられるもので、尿が出なくなるのではなく出にくくなるのが症状です。

 

尿道結石

尿道結石の痛みで七転八倒したという話を耳にしたことはありませんか?食生活の欧米化や体質・遺伝が大きな原因で、腎盂にできたカルシウム結石が尿と共におりてくることでとてつもない激痛に襲われます

結石がある部位によって痛みの強さは違いますが、背中の下の方が痛かったり腰痛・下腹部痛とともに嘔吐することもあります。

 

普段の生活の中でシュウ酸を多く含む食物(タケノコ・ホウレンソウ・紅茶等)などを避けること、水分多くとることなどが予防措置として挙げられます。

他にも結石ができやすくなるものにはビールの過剰摂取がありますが、これは尿酸値が上がるためです。尿酸結石の要因として高尿酸血症が挙げられますが、痛風を併発しやすくなるためプリン体の高い食べ物も避けたほうが良いでしょう

ビタミンCの大量摂取による高シュウ酸尿症も影響します。

 

膀胱腫瘍

膀胱腫瘍は良性のことがほとんどなく、おおむね悪性腫瘍です。腫瘍の大きさや場所にもよりますが、出口付近の頸部と呼ばれる場所にできたりすると膀胱炎に似た症状や尿道を圧迫することにより尿が出なくなります

 

尿が出ないことで腎臓機能が低下して腎不全を招くことになります。染色工場などで特定の化学物質を多く使用する職業の人に多くみられる職業性膀胱がんと呼ばれるものも発生しています。

 

尿道腫瘍

尿道腫瘍は尿路に発生する腫瘍としては極めてまれなものです。尿路系の腫瘍ではこの尿道腫瘍だけが女性に多いのです。

排尿困難や膿のような分泌物が出る・腫瘤ができるなど、症状に性差はありませんが女性は尿道出血が主な症状となっています。

 

女性に最も多発する尿道腫瘍は「尿道カルンクラ」と呼ばれ、閉経後の経産婦に発生することが多い疾患です。良性の腫瘍が外尿道口近くの後壁にできるもので、若年層にはほとんど見受けられません。

 

一方、悪性腫瘍の場合も女性に多く50代以降に多く発症します。慢性の炎症やウイルス感染などが要因として挙げられます。健康診断で尿潜血の値が悪い場合は検査を勧められることもあります。

 

陰茎がん

男性100万人に2人ほどの割合で発生する陰茎がんですが、ヒトパローマウイルスや喫煙が主な誘発因子となっています。

初期は湿疹と間違うこともあるようですので、治りにくいと感じたら泌尿器科を受診した方が良いでしょう。浸潤がんになると手術で陰茎を切断することにもなりかねません。

痛みが比較的ないことから尿道に浸潤して排尿困難になってから気づくこともしばしばです。

 

真性包茎

衛生面に問題が生じるため尿路感染症陰茎がんの発生率が上がります。重度になると力まないと尿が出ない尿路閉塞性疾患を起こし、膀胱の排尿筋が肥大する肉柱形成や膀胱拡張を発症して水腎症などの腎臓障害に陥ります。

真性包茎の場合も排尿障害を併発することが多いのです。

 

神経因性膀胱

神経因性膀胱は、排尿に関わる神経が様々な原因により機能しにくくなり膀胱が正常に働かなくなった状態のことです。症状も排尿困難や尿失禁など様々ですが、いずれも放置すると尿路感染症や腎機能の低下を招きます。

 

原因も多岐にわたりますが、主なものとしては脳卒中やパーキンソン病・免疫疾患や糖尿病などの病気の場合と外傷による脊髄損傷も挙げられます。

外傷ではありませんが椎間板ヘルニアで脊髄の中枢神経や末梢神経が圧迫されることでも発生します。

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