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半側空間無視のリハビリ方法や検査ガイド【原因をご存知ですか?】

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半側空間無視という症状をご存じでしょうか。

 

見た目は一般的な日常生活を送れるように見えるために、身体に起きている障害が他者には認識しにくい病気でその大変さはイメージしにくいかと思います。

 

しかし周囲に影響を与える傷害のため、あらかじめ知識を身につけていることは自分のためにも家族や親しい知人のためにもなります。

 

そこで今回は、半側空間無視のリハビリ方法や検査ガイドをお届けします。もしもの際の参考にして下さい。

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半側空間無視とは?

 

半側空間無視とは、大脳に損傷が発生することで空間の半側に対する刺激を無視してしまう障害です。

左と右、どちらかに対する刺激だけを失認してしまう症状で、どちらの刺激を無視してしまうのかは大脳半球の損傷部位によって決定します。失認してしまうのは視覚だけに留まらず、聴覚触覚にも無視症候が発生します。

 

失明を伴う場合もありますが、基本的には目が見えているのに認識できないことが多く、半盲とは異なります。つまり損傷を受けた大脳半球とは反対方向の半側に対する刺激に対して認識不能に陥ります。

 

たとえば右の大脳半球に損傷を受ければ左側の刺激を無視する「左半側空間無視」が起きるわけです。

多くの場合は左半側空間無視が発生すると考えられており、その確率は70%前後もあります。対する右半球空間無視は0~40%前後です。

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半側空間無視の原因

 

そもそもなぜ半側空間無視が起きるのでしょうか。その原因を解説します。

 

脳卒中による後遺症

脳卒中は脳血管になんらかの障害が起きる疾患の総称です。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血は全てこの脳卒中に分類されます。そのため病巣は脳の広範囲に及びます。

 

脳血管に障害が起きると、治療そのものに成功したとしても高い確率で後遺症が残ります。これは短期間であれ、脳細胞に必要な酸素や栄養素を血流が運べなくなったためです。

特に血腫が広範囲に及ぶ場合は障害が発生しやすくなります。

 

脳のどの部位で障害が発生したかにより後遺症の種類は変化しますが、日常生活を送ることが困難になる運動麻痺や言語障害を総称して「高次脳機能障害」と呼びます。

 

「半側空間の無視」は、この高次脳機能障害に含まれる機能障害にあたります。

早期のリハビリが必要となるため、これらの疾患が発生した場合は経過観察が重要になります。

 

なぜ左側に症状が現れやすいの?

約70%の確立で左半側空間無視が発生するといわれていますが、なぜでしょうか。

 

それは左半球で損傷が起きるとその機能は無事な左脳と右脳でカバーされますが、右半球は左右の空間性注意を制御しているため、一度損傷すると損害をカバーすることが出来ず左半側空間無視が起きやすくなります。

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半側空間無視の症状

 

半側空間無視は左側で起きやすく、かつ長期化しやすいという臨床例があります。具体的にはどのような症例があるのでしょうか。半側空間無視の症状について解説します。

 

視界の半分で発生する出来事を見落とす

たとえば左半側空間無視の場合、自分からむかって左側に立つ人の存在に気がつきません。

そのため自分からむかって左側の装置を操作することが出来ませんし、左の道に曲がることが出来ない、衣服の左側を着ることが出来ないなど、様々な生活上の支障が発生します。

ただし視力そのものを失ったわけではありません。

口頭で注意されると、その場では左側に注意しなければならない作業ができます。

 

視界の半分からの刺激に気がつかない

半減空間無視を発現している側からの声かけや音、人の飛び出しなどに気付かなくなります。

これは網膜に投射される視覚情報を認識する部位が破壊される阻害因子がはたらくためです。

 

身体失認

損傷大脳半側の逆の身体を無視するかのように、全く使用しなくなります

これは「身体を動かそう」とする意識自体が消失しているためで、歩行に支障をきたしたり食事の際に右側半分だけや左側半分だけを残したりすることで発見されることもあります。この症状を「たまねぎ現象」と呼びます。

 

見えているはずの半側の認識消失

半側空間無視は右か左、片方の失認が起きる症状です。しかし認識しているはずの片方でも、注視するうちに認識できなくなります。

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半側空間無視のリハビリ方法や検査方法

 

半側空間無視は比較的早期段階で現れ、その後長く日常生活に影響を与えるために、早い段階からリハビリを行う必要があります。医療機関で理学療法士や作業療法士の指導の下で行います。

具体的にはどのようなリハビリを行うのか、半側空間無視の検査方法やリハビリ方法について解説します。

 

半側空間無視の検査方法

まずは通常行われる古典的な検査方法について解説します。

 

【線分抹消検査】

様々な方向に向かって引かれた矢印全てに印をつけます。

まず最初に検者がお手本を見せ、その後患者が試験を受けます。

 

【線分二等分試験】

三本の線(一本は203mm)が右上・中央・左下に配備された用紙を用い、線の中央に印をつけます。

必ず目分量で真ん中を推量します。どれだけ真ん中からずれたかによって判定を行います。

 

【絵画描画試験】

時計・人・蝶の絵を患者に描いてもらう試験です。

絵画の巧い・下手をみるのではなく、左右のバランスが整っているかどうかを確認するのが目的です。特に時計は、文字盤に数字を書き加えるところまで行ってもらうので、どれだけの範囲を認識しているのか確認するのに有効です。

 

次に行動検査の方法について解説します。

 

【時計課題】

デジタル時計とアナログ時計の読み合わせを行います。

 

【電話課題】

実際の電話機を用います。検者に指示されたとおり、電話機のボタンを押していきます。

 

【地図課題】

指示されたひらがなの順番にそって地図上を辿ってもらいます。

 

【写真課題】

ものの写っている三枚の写真が用意されます。物体を指さしながら、その名称を答えてもらいます。

 

半側空間無視のリハビリ方法

機能訓練を行うことにより、日常生活の不便を取り除くことが出来ます。主に行われるのは以下のリハビリ方法です。

 

【電気刺激療法】

人間の身体各部は電気に似た信号刺激によって動きます。そのため人為的に神経電流に似た電気刺激を身体に施すことにより、身体機能を高めたり回復させます。

周波数やパルス幅を変えることで、身体に対する様々な働きかけを変更させることが出来るのが特徴です。

 

【プリズムアダプテーション】

特殊なレンズを用いる訓練で、視野をずらしてものを認識する訓練を繰り返して半側空間無視の症状を克服します。

訓練内容はプリズムメガネをかけて正しい方向を示すだけと簡単です。

 

【視覚走査訓練】

視覚探索を強化する訓練です。「右側から左側」あるいは「左側から右側」にむかって探索を行います。

「もっと片側に寄れるはず」という声かけを行うことにより、半側空間無視が起きている半分を意識することが出来ます。

しかし頻繁に声かけを行うと、声かけが行われた反対側に対する認識を損なうおそれがあるので声かけ方法を注意する必要があります

 

半側空間無視の定義とリハビリ方法や検査ガイドをお届けしました。原因を知れば、早期のリハビリが必要になることが理解頂けたと思います。

外界に対する認識力が下がるため、患者本人のリハビリはもちろん、周囲の人間が障害が発生している片側からの声かけは避けるなど日常生活に対する配慮が必要です。

上手に障害と付き合っていきましょう。

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