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髄膜炎による後遺症に注意!【頭痛やてんかんが起こるかも】

<監修医師 豊田早苗>
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髄膜炎という病名は、多くの人は耳にしたことがある言葉でしょう。髄膜炎とは、髄膜に炎症を起こす病気です。

髄膜は、脳と脊髄を覆う膜で、硬膜、クモ膜、軟膜の3層からなっています。

 

髄膜炎は、このうちのクモ膜と軟膜への病原体の感染、脳症などのその他の病気によって髄膜が刺激されるなどが原因で髄膜に炎症を起こす病気です。

 

髄膜炎は、新生児・乳幼児などの子供や高齢者などの大人もかかる病気です。髄膜という脳の大切な膜部分に病気が起こるため、適切な医療を受けなければ、症状の重篤化、合併症を引き起こし、後遺症が残る場合もあります。

 

後遺症が残った場合は、長期にわたるリハビリなどを必要とすることもあります。ここでは、髄膜炎の種類や、起こりうる後遺症などについて説明していきます

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髄膜炎の7つ種類

 

髄膜炎は、病原菌への感染、脳炎、自己免疫疾患など様々なことが原因で発症します。髄膜炎の原因は以下の7つが挙げられます

✅ 感染性髄膜炎(細菌、ウイルス、真菌性など)

✅ 無菌性髄膜炎(ウイルス、自己免疫疾患、薬剤性)

✅ 急性脳炎、脳症

✅ 頭蓋骨内局所感染症

✅ 頸椎疾患

✅ 腫瘍性疾患

✅ 中枢神経疾患

次に具体的に説明していきます。

 

感染性髄膜炎が最も多く、病原菌は細菌、ウイルス、結核菌、真菌、梅毒、髄膜炎菌などの病原菌への感染が原因で起こるとされています。

 

症状は発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれん、項部硬直などがあります。また、結核菌の場合は、視力低下や眼球運動障害、複視などの目の症状もあるなど、感染する病原菌によっても症状は様々です。

 

髄液検査にて細菌や真菌が検出されないことから、無菌性髄膜炎、無菌性髄膜炎症候群とも呼ばれるウイルス性、薬剤性、自己免疫疾患による髄膜炎があります。

 

ウイルス性髄膜炎の場合は、発熱が38℃~40℃といった熱性疾患が先に特徴的に表れることもあり、急性脳炎や脳症を併発する場合もあります。

また、手足口病やインフルエンザなどの異なる症状が主症状として現れた後に、無菌性髄膜炎を発症する場合も報告されています。

 

薬剤性髄膜炎は、てんかんの治療薬や解熱消炎鎮痛薬などでも発病が報告されています。

 

また、髄膜で初期から炎症が起きる場合や鼻症状や肺炎などの症状があり、それらの症状が結果、髄膜への炎症を起こしたという場合もあります。自己免疫疾患の発熱は、急性髄膜炎と類似した経過をとることも報告されています。

 

頭蓋骨内局所感染症は、脳膿瘍や硬膜下膿瘍といった頭蓋骨内に膿瘍(膿がたまった袋状のもの)がたまった状態です。膿瘍が破れたりすることで、膿が漏れ出し、漏れ出した膿が脳脊髄液に入ってしまった場合は、髄膜炎を引き起こす場合があります。

 

頸椎が老化すると脊髄を圧迫するように頸椎の骨自体が変形することがあります。この変形するなどの頸椎疾患が髄液の循環などに影響して、髄膜炎を発症する場合があります。

 

腫瘍性疾患による髄膜炎は、腫瘍の髄膜転移や白血病などが原因でおこります。

 

中枢神経疾患は、脳内の中枢神経に出血や炎症が起きることで、その炎症が髄膜へ伝わり、髄膜炎を引き起こすとされています。

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後遺症が残る7つのケース

 

髄膜炎は、適切な治療を早く開始しなければ、後に後遺症などが残ることがあります。

 

後遺症の残る場合には、以下のようなケースが挙げられます。

✅ 乳幼児などの月齢の低い子供

✅ 高齢者

✅ 数日間にわたる発熱の持続

✅ 意識障害がある

✅ 重度の呼吸障害がある

✅ 髄膜炎菌による髄膜炎である

✅ 肺炎球菌による髄膜炎である

次に具体的に説明と髄膜炎の検査について説明します。

 

後遺症が残る場合に、乳幼児をはじめとした子供や高齢者などの大人が挙げられます。

 

この理由は、子供や高齢者は免疫力が低く、もともと感染症などにかかりやすいことが挙げられます。また、子供の場合は、新生児から細菌性髄膜炎にかかることが報告されているため、低月齢の場合は、後遺症がのこりやすいとされています。

 

髄膜炎を発症した際の、発熱の持続日数や、意識障害の有無、重度呼吸障害などが併発していると後遺症が残る場合が多いとされています。これらの症状が現れると脳に圧力の変化、酸素不足などにより、意識の低下がおこり、脳の機能に回復できないダメージを残すことがあります。

 

子供の場合は、先の症状に加えて、後遺症の残る場合に紫斑の有無があります。これは、髄膜炎菌という病原菌が原因で現れることが多いとされており、症状が急速に進行するため、脳の機能への影響も大きいとされています。

 

また、髄膜炎を重症化しやすい原因菌に肺炎球菌があるなど、感染した病原菌によって後遺症の発症にも影響があることが報告されています。

 

髄膜炎の有無や、病原菌を検査するためには、腰椎穿刺を行って、髄液の細胞数を調べます。穿刺で採取した髄液は、培養して病原菌を特定して治療を行います。

 

しかし、髄膜炎は、後遺症を起こす場合もあることから、早急な治療の開始が必要となります。そのため、髄液の培養結果を待ってからでは、対処が遅くなる場合があるため、その他の画像診断などを行って、培養結果より先に治療を開始する場合もあります。

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起こりうる5つの後遺症

 

髄膜炎が起こった場合、成人の場合は、約30%、子供の場合は、約15%に後遺症がのこるとされています。ここでは、髄膜炎に関連した5つの後遺症について説明していきます。

 

難聴

難聴は、細菌性髄膜炎の後遺症として最も多くみられます。

 

特に、肺炎球菌を病原菌とする髄膜炎では、後遺症全体の内、約20%が難聴という報告もあります。

難聴でも感音性のものが多いとされています

 

感音性の難聴は聞こえないというよりも、聞こえているけれども、内容が理解できない、聞き取れないということが主な症状です。簡単な例で説明すると、「ありがとう」と普通の音量で感音性難聴の人に話しかけます。

 

難聴の人の中では、音が入ってきたという認識はありますが、耳の中で、「ありがとう」という音の信号をうまく変更できず、脳に間違えて情報をつたえてしまいます。間違えた情報とは「あ。。と。。う」と何を言っているのかわからないという症状がでるのが特徴です。

 

けいれん・てんかん発作

髄膜炎の後遺症で、けいれんやてんかん発作がのこる場合があります。けいれんやてんかんは、自分の意志とは関係なく体がかってに動く小刻みに動いてしまう状態です。どちらか一方の場合もあれば、けいれんとてんかん両方が後遺症として現れる場合も報告されています

 

麻痺・認知機能低下

髄膜炎の後遺症には、脳の機能に麻痺を残す場合があります。

 

麻痺としては、神経麻痺、痙性麻痺などが起こるとされています。麻痺などが起こった場合は、リハビリなどを要する場合もあります。

 

また、髄膜炎により脳にストレスがかかることにより、認知機能障害が生じる場合もあります。認知機能低下は、髄膜炎から回復した後に出てくる場合もあり、後遺症は病気の直後からではなく、長期にわたっても現れる可能性があることが報告されています

 

水頭症

子供では、水頭症が後遺症として残ることがあります。髄液は髄膜があるため、脳内には通常は、はいりませんが、髄膜炎によって、髄液の吸収に問題が起こり、髄液が脳室に貯まった結果、水頭症となると報告されています

 

発達障害・頭痛・脳梗塞

髄膜炎では、脳の周りを流れている髄膜に炎症がおきることから、脳への障害を残しやすい場所の病気です。

 

脳にダメージを負うと、頭痛の原因や血管にダメージを負うことで脳梗塞などの合併症を引き起こす場合があります。また、子供の場合は、脳が発達途中にあることから、長期間時間が経過したのち、髄膜炎が原因の発達障害がみられる場合もあります

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髄膜炎にならないための予防法

 

髄膜炎は、一度発症してしまうと病気の治療や後遺症など様々な心配をしなければなりません。髄膜炎は、ワクチンなどで予防することもできますので、ここでは予防法について説明します。

 

髄膜炎を起こす病原菌は、細菌性のものが多いとされています。細菌性髄膜炎の多くは、肺炎球菌、ヒブで、約9割を占めるといわれています。

 

乳幼児は生後2か月からヒブや肺炎球菌のワクチンの予防接種が行われています。また、高齢者においても、年齢によって肺炎球菌ワクチン接種が行われています。ワクチンを接種することで、体の中の免疫に病気を記憶させ、症状を重症化しないようにすることにつながります。

 

また、細菌は、普段から、人間の皮膚や鼻などにいるものです。多くは、口や鼻から体の中に入ってきます。

ですので、体に入らないように、手洗い、うがいの実施はもちろんのこと、家族内で鼻や咳、風邪の症状がある場合は、乳幼児や高齢者のいる家庭では、食器やタオルなどの使いまわしは避けるなどの細やかな対応が必要です。

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