【怖い】生理時の血の塊が大きい場合の7つの原因と予防法!
<監修医師 ゆまこ>
女性特有の悩みの一つとして、毎月やってくる生理が挙げられます。
先月よりも周期が遅かったり早かったり、また、経血量がいつもより多いときは不安ですよね。。
なかには大きい血の塊が出てきたことに驚いたという経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?
生理の際に血の塊が出るのは決して珍しいことではありませんが、何がしかの病気のサインである可能性もないとは言い切れません。
今回は大きい血の塊が出たときの原因や、大量の血が出たときの予防法について解説していきます。
生理の時に出てくる血の塊の正体
女性の子宮内では、排卵日が近くなると妊娠に備えて子宮内膜が厚くなります。
これは、身体が妊娠するために受精卵が無事着床されるよう、内膜をベッドのような状態にして受精卵の着床に備えるからです。
しかし、妊娠が成立しなければ子宮内膜は不必要なものとなるので、剥がれ落ちて血液と一緒に身体の外へと排出されます。
この一定周期で繰り返される子宮からの出血を月経と言い、排出されるものが経血と呼ばれるものです。
生理時の血は子宮内膜の組織を含んでかたまりとなっているのですが、ほとんどは酵素の力で溶かされるため、一般的に目にするのは液状になっています。
しかし、固まった経血量に対して、酵素の影響力が足りない場合にはきちんと溶かしきれず、生レバーのようなかたまりとなって排出されることがあるようです。
つまり、生理時の血の塊の正体とは、「経血が固まったまま出てきたもの」ということになります。
生理時の血の塊が大きい7つの原因と対処法
酵素で溶かしきれない血の状態をつくる原因とは、一体どういうことなのでしょうか?
病気の可能性もあるかもしれないと心配になりますね。
もちろん気になるときは専門の病院での受診が一番確実で安心ですが、まずはこちらを参考にして自分の状態を確認してみましょう。
女性ホルモンの分泌のバランスが乱れているため
子宮内膜をつくるには、卵胞ホルモンであるエストロゲンという成分の分泌量が関係してきます。
このエストロゲンの分泌量が増えすぎてしまうと、子宮内膜が大量に形成されて酵素で溶かしきれなくなってしまうことがあるのです。
この場合は健康的な女性でも、生理中に小指の爪くらいの小さな血の塊が2~3回出ることは特に珍しいことではありませんので、この位であればあまり心配しなくても大丈夫でしょう。
しかし、例えば5㎝前後の梅干しほどの大きさのドロっとした血の塊が出るようなときや、その大きさの血の塊が何度も続いたりする場合は、子宮の病気の危険性もあるので注意してください。
対策としては、女性ホルモンが作られやすい夜の睡眠をしっかりとること。
女性ホルモンをつくる助けをしてくれる大豆イソフラボンが含まれる食品や、サプリメントなどを日常的にとるなど自分でできる範囲の工夫も効果的です。
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子宮の血流悪化のため
骨盤周辺に血液の流れが滞ってしまい血液自体がねばつくような状態になっていると、溶かしきれないまま血の塊となって現れることがあります。
子宮の血行不良は、不規則な生活習慣や過度なストレスなどから大きく影響を受け、さらには、不摂生、冷え性といった様々な要因が重なって引き起こされるのです。
血行不良は日ごろの生活習慣や食生活の改善、小まめなストレス解消により予防できます。最近疲れたな、と感じたらゆっくり湯船に浸かり、血流の循環をよくすることも有効です。
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化学流産
化学流産とは、受精卵が着床してから、妊娠検査薬で確認した際に陽性反応が出たにも関わらず、後に受精卵の成長が止まってしまい流産してしまうことをいいます。
化学流産がおこると妊娠検査薬で陽性反応が出ていても生理が始まり、レバーのような血の塊が出るのが特徴です。
もし思い当たる節があれば、早急に婦人科に診察し対処されてください。
子宮筋腫
子宮筋腫は近年では20代の若い女性に見られることも少なくないそうですが、主に30代以上の女性に20~30%の確率で発症する病気と言われています。
子宮筋の層内に発生し、エストロゲンの働きによって大きくなっていく良性の腫瘍です。
ただ、筋腫ができた部分の子宮内膜は薄くなってしまい、うっ血や潰瘍などの病状もあらわれ、生理時の出血も多いです。
また、筋腫が大きくなると徐々に外の方へと下がり、不正出血の症状もあらわれることがあると言います。
子宮筋腫は妊娠が難しくなる不妊症や流産、早産の原因になるとも考えられ、子宮内部の形が変形することもあるため、胎児に悪い影響を及ぼすとも言われています。
目立つ主な症状としては、
✅ レバーのような梅干し大以上の大きい血の塊が出る
✅ 生理でもないのに出血し、重くて鈍い腰痛がある
✅ 排便するのが困難になるほどの排便時の痛みがある
✅ 生理での出血量が多く、少し動いただけでも息切れや立ちくらみなどの貧血の症状が起こる
✅ 妊娠が困難、または妊娠しても流産を繰り返してしまう
もし2つ以上当てはまる方は、子宮筋腫であることを疑い、早めの受診をすることを心がけてください。
子宮内膜症
子宮内膜症は、本来であれば子宮の内側にできるはずの子宮内膜が、子宮の内側以外の場所にできる病気のことをさします。
通常であれば、子宮の内側にできたものは不要になると生理となって体外に排出されるはずですが、子宮の内側以外にできた内膜の組織は外へ出すことができません。
そのため、内膜組織が大きくなって生理痛がひどくなったり、経血量が増えたりしてしまいます。
子宮の表面にポツポツと現れる様子がブルーベリーに似ていることから、ブルーベリースポットとも呼ばれ、病気として認識され病名がついた今でも、ハッキリとした原因はわかっていません。
内膜組織ができる場所も卵巣や直腸、外陰部、S状結腸などさまざまで、できる場所によって症状が異なる場合もあります。
主な症状として、
✅ レバーのような梅干し大以上の大きい血の塊が出る、経血量が多い
✅ 生理でもないのに、下腹部の痛みがある
✅ 性行での痛みがある
✅ 尿が出づらく、少量しか出ない
✅ 妊娠が難しい
などがあり、病気が進行するにつれて痛みが強くなり、血の塊も頻繁に出るようになるので早めに専門の病院に行きましょう。
子宮腺筋症
子宮腺筋症は、子宮の内膜組織が子宮の内側ではなく、子宮の筋肉の中にできてしまう症状のことを呼びます。
場合によっては強い月経痛が起こったり、子宮が大きくなってしまう子宮肥大になったりすることもあります。
そのせいで経血の量も多くなり、ひどい人では片手一杯分もの大きさの血の塊が出ることもあるそうです。
子宮に現れる病気の中でも、血の塊も他の病気と比較にならないほど大きく、また進行していくほど最も痛みが強い病気とも言われています。
✅ レバーのような血のかたまりが現れ、ひどくなれば片手ほどの大きさのものが出る
✅ 1日中ナプキンでも間に合わないほど、異常に多い経血が出る
✅ 進行していくと、下痢や便秘などを繰り返す
✅ 下腹部に圧迫感があり、生理以外でも強い痛みがある
✅ 妊娠困難になり、妊娠したとしても流産を繰り返す
病気が進行すればするほど辛いのがこの病気の特徴です。疑わしい場合は進行する前に早急に専門医へ相談されてください。
子宮への影響がある病気は、ほぼ不妊症や流産など、女性にとって一番大事な妊娠への影響を強く受けてしまいます。
経血の色が黒いものや茶色のものが出たり、また、生理直後に白い粘り気のあるおりものや、炎症やかゆみを伴う場合も、病気によって子宮の内部組織が傷ついている可能性や、感染症の疑いがあります。
女性の身体は非常にデリケートで繊細にできていますので、恥ずかしがらずに家族などの周りの人に相談して、病院での適切な治療を行ってください。
生理時に血の塊が出ないための予防法
生理中に見られる血の塊は特定の病気である場合を除けば、子宮の血流が悪いことや、ホルモンバランスの乱れが原因になります。
そのため、一度しっかり自分の生活習慣を見直すだけでも改善するとも言われています。ぜひ自分で出来る予防方法を実践してみてください。
身体を冷やさないように注意する
ずばり、冷え性は血行不良であることのあかし。自分が冷えに弱いと自覚されている場合は、靴下を二重にして履いたり、長袖や上着などを着たりして末端が冷えないような工夫が大切です。
また、お腹を冷やしてしまうのも生理時に影響を及ぼします。
腹巻やホッカイロを活用するか、飲み物はなるべく常温か、温かいものにするなど子宮あたりが冷えないよう注意しましょう。
冷え性は不妊にもつながってしまう怖いものです。妊活中の女性はぜひ、冷え症改善を心がけてみてください。
ただ、着こみすぎて身体を締め付けるような服装や下着は、逆に血の巡りを悪くしてしまいますので、ゆったりとしたリラックスできる服装を選ぶようにしましょう。
食生活を見直してみる
食事の内容というものは血行へはもちろん、ホルモンのバランスにも影響します。
無理な食事制限をしたダイエットなどは絶対に止め、偏った食事は早急に見直しが必要です。
野菜を中心にしたバランスの良い食事を心がけ、脂っこいものやケーキなどのお菓子を多く食べてしまう人は出来るだけ控えるように気を遣いましょう。
特に血流改善に効果の高いショウガや根菜類、青魚などもおすすめのため、日常生活に積極的に摂り入れてみてください。
適度な運動を習慣化する
適度な運動は血行を良くしてくれるだけではなく、ストレスの軽減も期待できる一石二鳥な健康方法です。
無理して激しい運動をする必要はなく、軽いウォーキングやストレッチなどを長く続けてみてください。
生理時でも室内でできるストレッチをするだけで、血の塊や生理痛の改善にもつながります。
ストレスに注意する
ストレスや疲れは自律神経の働きを鈍くし女性ホルモンの分泌を乱してしまう原因です。
生理中の血の塊を引き起こしやすくするだけでなく、更年期に見られる頭痛や悪寒、動悸などの更年期障害を起こしやすくします。
好きな音楽を聴いたり、旅行でリフレッシュする、リラックスできる時間を増やしたりするなど、自分のための時間をつくるようにしてストレスを上手に解消してあげることが大切です。
タバコ、アルコール類はなるべく控える
タバコとアルコールは身体に負担を与えてしまう大きな要因です。
タバコは血管を収縮して血液の流れを阻害しますし、アルコールは適量であればリラックス効果もあると言われていますが、過剰摂取は非常に危険なものです。
生理時の血の塊の原因にはもちろん、子宮や赤ちゃんにも大きな影響を与えます。徐々に減らし、なるべく控えるよう意識してみましょう。
まとめ
女性にとって生理の異常は非常にデリケートな問題です。
病気ではなかったとしても、血の塊が出たりするのは気持ちの良いものでもありませんよね。
特に近年では出産年齢が上がっていることから、生理が止まる妊娠期間や時期が遅いために、何年も休みなく経血が作られ続けて子宮が休まることがないそうです。
そういった現代の女性には低用量のピルなどを用いて病気予防に役立たせることもあるそうですが、絶対に身体へ負担がないというものではありません。
将来的なことをよく考え、自分の身体に合わせた改善方法をおこなってください。
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