デュファストンの副作用【太るしイライラするって本当?】
<監修薬剤師 BlueP>
不妊治療などでよく知られるデュファストン。
婦人科疾患に広く用いられる事から名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
今回はこのデュファストンの副作用についてお伝えしたいと思います。
副作用といっても誰にでも普段から起こるようなものから身体に重大な影響を与えるものまで実はかなりたくさんあります。
なかでも太る、イライラするといった症状は身近な問題だけに気になりますよね。
現在服用中の人はこれを機会に自身の体調を振り返ってみてはいかがでしょうか。
気になる所から確認してみよう
デュファストンの副作用
デュファストンってどんなお薬ですか?
デュファストン(第一三共)は、白い錠剤の薬品で黄体ホルモン剤です。
黄体ホルモン(プロゲステロン)を補う為に処方されます。
黄体ホルモンの分泌が足りない状態は、黄体機能不全による女性不妊症、習慣性の流産・早産、切迫流産・早産、月経異常、機能性子宮内出血などの危険が増します。
デュファストンの副作用
よく見られる副作用としては、不正出血、乳房の痛み(胸の張り)、吐き気・嘔吐(おうと)、、下腹部痛、眠気、腹痛、下痢、頭痛・めまい、腰痛、食欲不振、体重の増加、発疹(ほっしん)、発熱、かゆみ、お腹の張り、頻尿、便秘、お腹の張り、気持ち悪い、むくみ、などがあげられます。
また、服用環境によっては、イライラが抑えられない、不安感が強くなったなどの報告もあります。
あまり見られない副作用として、男子胎児の女性化、女子胎児の外性器男性化、先天異常児出産の可能性(いずれも妊娠初期の服用)、血栓症(脳梗塞、心筋梗塞、網膜血栓症、肺塞栓症、腸間膜血栓症)、うっ血性心不全、眼球突出、乳頭水腫、複視、視力低下、全身紅潮、アナフィラキシーショックなどです。
これらの特に深刻な副作用(妊娠初期の服用、血栓症など)は、デュファストンの使用量を間違えなければ起こらないものが多いので医師の処方に従う限りあまり心配はいらないといえます。
個人で業者から購入(すること自体をお勧めしませんが)した場合などは注意が必要です。
また、うつや心疾患、癲癇(てんかん)の症状を持っている人は医師と相談の上で服用する、肝疾患や血管性疾患、不正な性器出血が認められる場合は絶対に服用してはいけないことになっています。
デュファストンは国内では医師の処方出なければ購入できないことになっていますから、上記のリスクを考えたうえでの処方です。
しかし、リスクを最小に抑えるためにも自分の既往歴を把握しきちんと伝えることが大切なのは間違いないでしょう。
デュファストンの副作用で太るって本当?
デュファストンの服用で太る原因
デュファストンの服用後に体重がふえる事があるのは事実です。
ですが、これは薬の直接の作用ではありません。
というのも、デュファストンを服用する目的は黄体ホルモンを補うものですから、服用すればホルモンバランスが変わります。
服用前からホルモンバランスの乱れが原因でやせすぎていた人は、ホルモンバランスが正常に近づいたのでやせすぎが解消された結果、体重が増えて太ったともいえるのです。
ホルモンバランスが正常に戻ると、女性本来の体型に近づきます。
つまり、ふっくらとして曲線的なラインです。
ですから、もしデュファストンの服用により体重が増加したとしても、単純に「太った」のとは少し違うのではないでしょうか。
もちろん、明らかに健康上影響が出そうなほどの体重増加が起こった場合は対策が必要です。
ですがこの場合は別の原因があると思います。
ホルモンバランスの変化にともなう副作用?
デュファストンが黄体ホルモンの役割を果たして子宮内膜を充実させます。
これにより子宮内膜が剥がれ落ちない状態を作り出しているために、生理が起こりません。
ですから生理が起こらない事を心配する必要はありません。服用を止めれば生理は起こります。
そしてこのホルモンバランスの変化に伴っておこる症状は、薬の副作用というよりも薬が効いていることにより起こる変化だと考えられます。
身体が慣れてくると気にならなくなることもあります。
黄体ホルモンに限らず、ホルモン一般(内分泌系といいます)については現代医学でもまだわかっていないことも多い分野です。
ですから、安全が確認されている薬といっても用心に越したことはないと思います。
また同じ薬を服用していても人と違った反応が出ることもあります、自分自身の感覚で合わないと感じたらすぐに服用を中止して医師に相談しましょう。
デュファストンの副作用はいつからいつまで続くのか
デュファストンの副作用は、飲み始めてすぐに表れることが多く飲むのを控えれば1週間前後でおさまります。
デュファストンは7~8日ほどで体外に排出されるためです。
デュファストンの効果
デュファストンの効果は、黄体ホルモンと同様の働きをするものです。
黄体ホルモンは卵胞から分泌されるホルモンです。
妊娠するための準備をするホルモンで子宮内膜を増殖させたり、乳腺を発達させて乳汁の分泌を促進します。
処方される主なケースは生理不順(無月経など)、機能性子宮出血、月経周期異常、黄体機能不全が原因の不妊症、切迫流産・早産、習慣性流産・早産、子宮内膜症などです。
プレマリンというエストロゲンを補う薬とデュファストンを併用して不妊治療を行うカウフマン療法にも用いられます。
不妊の治療に使用される一方で、避妊薬として使う事もできます。
効果が出ている間は排卵・月経が起こらない働きを利用したもので連続的に使用します。
もし服用中に出血がある場合などは、子宮内膜が剥がれて消退出血を起こしている可能性があります。
子宮内膜が剥がれ落ちるのは、黄体ホルモンが足りていない状態といえます。
この状態はデュファストンが効果を発揮しきれていないかもしれないので続くようであれば処方を変えてもらうなど対策が必要です。
【参考記事】
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