おならが出ないし腹痛がある!【原因はこの病気かもしれない】
<監修医師 吉野 聖奈>
お腹が張って腹痛もある・・・。ガスが溜まった感じがする・・・。おならが出ると恥ずかしいけど、出ない!そんな症状は何か病気のサインかもしれません。今回はおならが出ない原因を分かりやすく解説していきます。
気になる所から確認してみよう
おならが出ない!ガスはなぜ溜まる
おならが出ない原因は、腸が正常に動いてないことが主な原因です。ガスが溜まりやすい人の特徴として、下記のような原因が考えられます。
長時間座っている
座っている時間が長かったり、ストッキングを履いて締め付けたり、何気ない事が実は胃腸を圧迫し働きを鈍らせています。
おならを我慢している
会社でなかなかトイレに行けない、外でおならをするのが恥ずかしいなど、我慢すると腸に負担をかけて働きが悪くなり、ガスを外に押し出せない状態になります。
腸のぜん動運動が弱い
ぜん動運動とは、便やガスを排出する腸の働きのことで、腹筋からの圧力で腸の働きを助ける為、腹筋の弱い女性や年配の方はぜん動運動も弱くなり易く、特に生理前の女性はホルモンのバランスの変化によりぜん動運動が弱くなり易いと言われています。
その他の生理前の体調不良についてはこちらを参考にして下さい。
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食事のときに一緒に飲み込んだ空気
食事の時に早く食べる人やよく噛まないで食べる人は、飲み込む空気の量が多くなり、ガスが溜まりやすいと言われています。
睡眠不足
腸は自律神経の影響を受けやすく、睡眠不足で自律神経のバランスが乱れると腸の働きを低下させてしまうこともあります。
飲料
炭酸飲料やビールでもガスが溜まります。
暴飲暴食
暴飲暴食をした場合も、お腹で食べ物の異常発酵が起こってガスが発生します。
ストレス
ストレスが原因で空気を飲み込む癖がついてしまうことがあり、ストレスが腸の動きを鈍らせ、便秘を引き起こしてガスの停滞を招くこともあります。
この他に、筋肉不足、運動不足、食べ物(糖質)、食物繊維不足、腸の冷え、水分不足、身体の歪み、冷え性、デスクワークが多い人なども腸の働きが鈍くなってガスが溜まり易い状態になっています。
おならが出ない原因は4つの病気かもしれない
おならは平均して1日に15回ほど出るそうです。おならが全く出ない状況が続くと、お腹がはったり腹痛を起こしますが、おならが出ないことが原因で起こるかもしれない病気が4つ考えられます。
過敏性腸症候群
ストレスによって起こる病気で、ストレスは自律神経系に影響を及ぼす為、胃腸のバランスも崩れます。便秘状態が続くと便によっておならが通過する事が出来なくなります。過敏性腸症候群には腸の動きを整える内服薬のほか、精神安定剤なども有効な場合があります。
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大腸憩室炎
大腸壁に“憩室”というくぼみが出来、そこに便などが詰まって炎症を起こす病気です。便秘によりおならが通過することが出来なくなるだけでなく、炎症で腸壁が腫れることもおならが出ない原因になります。
憩室は50歳以上の10人に1人が持っていると言われており、日頃から食物繊維や乳酸菌を多く摂取し、肉類の摂取量を控えるなどして正しい食生活をすることが予防になります。
腸閉塞
腸閉塞とは、その名の通り腸が詰まる病気で、消化物などが腸に留まることが原因で起こります。腸の開腹手術を行った場合、腸に癒着が起こり癒着部分を中心に腸が折れ曲がったり、ねじれたり、癒着部分で他の腸が圧迫されることで腸が詰まります。
又、女性は大腿ヘルニアによる腸閉塞になる場合が多いです。腸が自然にねじれてしまい腸閉塞を起こすこともあります。症状として、突発的に腹痛、お腹の張り、嘔吐、排便・排ガスの停止などがあります。
腸閉塞の治療についてはこちらを参考にして下さい。
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大腸がん
大腸がんの場合、病状の進行に伴って腫瘍が肥大し、食べた物が大腸を通過出来ない状態が起こってきます。腸の症状として便秘、腹部の膨満、腹痛などがあり、便秘や腹痛に伴い体重の減少が特徴です。
その他、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の疑いもあるので、消化器科など受診しましょう。
病気ではないかも!?
腸の内圧が強まると脳から指令が出ることで排ガスが起こります。おならが出そうになった時、我慢を繰り返すことでこの指令・排ガスがうまくいかなくなることがあります。おならは無理に我慢せず、出すように心がけましょう。
おならがたまらない6つの予防法
ガス溜まりの解消方法として6つの予防法があります。
生活環境を見直す
1.ストレスを解消する
ストレスから腸の動きが鈍くなりガスが溜まるので、あまりストレスを溜めないようにしましょう。
2.食事の摂り方に注意する
ゆっくりよく噛んで食べれば空気を沢山飲み込まずお腹にガスがたまりません。又、腸の動きを鈍くする食品は食物線維の少ない食品です。スナック菓子やカップラーメンなどの麺類、和洋菓子やピザ・グラタンなどは糖質・脂質が多く食物繊維が少ない傾向にあることから消化器に負担をかけ腸の動きを悪くすることからガスがたまりやすくなる場合があります。
又、芋や豆類を食べるとおならが出やすいと言いますが、これは消化の際に食物内の成分が発酵することによりガスが発生すると言われています。
3.腹部を温める
カイロや温シップでお腹を温めると効果的です。
4.冷えの解消
冷たい飲み物をゴクゴク飲んだり、身体を冷やすような野菜や果物を摂るのを避け、水分はなるべく温かいものを飲み、野菜などは身体を温める根菜類などを多く摂るようにしましょう。
5.腸を元気にする
暴飲暴食や不摂生を改め、冷えにも気をつけて腸をサポートしましょう。便秘の人はウォーキングなどの軽い運動をすると腸の運動が活発になります。
おならが溜まったら体を動かそう
もし、おならが出ない!ガスがたまってる!と感じたら、身体を動かしたり、マッサージなど身体を動かしておならを出しましょう!
ガス抜きのポーズ
あおむけになり、ひざを曲げて両腕で胸に近づけ抱えるようにし、ゆっくり呼吸します。(仰向けで体操座りをしているような格好)ヨガにも同じようなポーズがあります。
猫のポーズ
四つん這いになり、猫のように背中を反らせてお尻を突き出すイメージで、お尻を高く上げたまま腕を折り曲げていき、高さを維持したまま5分くらい立つとガスが出てきます。
赤ちゃんポーズ
あおむけの状態でお腹の上で手を組み、深くゆっくりした呼吸を数回繰り返しします。
息を吐きながら足をお腹の付近まで持ち上げて、両手で抱え込むようにして、このままの姿勢で深い腹式呼吸を数回行い、息を吐きながら腕に力を入れて、更に足をお腹の方に引き寄せて深い腹式呼吸を数回行うようにしてください。
コブラのポーズ
うつ伏せになって胸の横に手を置き、手のひらで床を押すようにして背筋を伸ばします。
背骨が動くイメージでゆっくりと上半身を後ろに反らし、45度ほど状態が持ち上がったら、そこで一度止まって2~3回呼吸します。更に手のひらで床を押し、上体が完全に立つまで反らし、5回ほど深く呼吸します。
お風呂のあとにマッサージ
ゆっくりお風呂に入った後、身体が温まったリラックス状態でマッサージを行いましょう。
右半身を下に横になり、右腕は頭の下で枕にします。深呼吸をしながらおへそのまわりを円を描くように時計回りにマッサージします。お腹に力を入れずに、強く揉むことはせずゆっくりと優しくなでるように5~10分続けます。
特に夏は冷房冷え、冬は寒さによってお腹も冷えやすくなるので、便秘やガスだまりを誘発します。
温める
お風呂じゃなくても、お腹を温めることで胃腸の働きを良くします。
✅ ホッカイロ
✅ 蒸しタオル(濡らして軽く絞ったタオルをレンジでチン!)
✅ 湯たんぽ
つぼ押し
手や足のつぼ押しも効果があるようです。
✅ 合谷(ごうこく)
人差し指と親指から伸びる骨と骨の間あたりを逆の手の人差し指と親指で押して刺激しましょう。 ✅ 間使(かんし) 手のひらの一番下から指4本下側にいったところにあるツボで、親指で刺激しましょう。 ✅ お腹周りのツボ おへそを中心として、おへそから指3本ほどの左右に天枢(てんすう)、天枢から指3本ほど下に大巨(だいこ)というツボがあります。お腹周りをあまり刺激し過ぎない程度に、朝晩寝る前と起きる前にマッサージするのが効果的なようです。 |
サプリメント
運動やマッサージも大事ですが、腸内環境を整えることが重要です。
腸内フローラと呼ばれる腸内細菌のバランスを整えて、善玉菌溢れる腸内を目指すようにしていくとおならが出なくても臭くなく、おならが出ないまま溜まってしまうことが起こらなくなります。
腸内フローラについてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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おならが出なくても、出過ぎても、なんらかの身体の異常のサインかもしれません。日頃からストレスを溜めず、食事をバランスよく摂り、身体を動かしたりしてもガスが溜まることが長く続くような場合は自己判断で済ませず、かかりつけ医や消化器科で受診するように心がけましょう。
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