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ダンピング症候群の看護方法【予防にはこの食事指導が大事】

<監修医師 吉野 聖奈>
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ダンピング症候群という言葉を聞いた事はありますか。おそらく大半の方が聞き慣れない言葉かもしれません。

今回はダンピング症候群についてお話しします。

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ダンピング症候群とは

 

「ダンピング症候群」とは一体どのような症状なのでしょうか。

胃がんなどの病気で止む終えず、胃を切除する「胃切除手術」を受ける方がいます。

胃を切除してしまうので、食べ物を食べた際に胃をほぼ通る事なく、体内に入った食べ物が小腸へと運ばれます。

その際に急激に流れ込んだ食べ物のせいで、腹部症状などの機能障害を起こす症状をダンピング症候群といいます。胃を切除した後に起こりやすい症状の為、胃切除後症候群とも呼ばれます。

 

ダンピング症候群には食後30分以内くらいに症状が出る「早期ダンピング症候群」と食後2〜3時間程で症状のでる「晩期ダンピング症候群」の二つに分ける事が出来ます。

早期ダンピング症候群の症状としては食後5~30分程の時間で

✅ 全身症状・・冷や汗、動悸、目眩、しびれ、倦怠感、眠気が出る

✅ 腹部症状・・腹痛、下痢、吐き気、胃の不快感、嘔吐、腹部膨満 が起こります。

 

晩期ダンピング症候群の症状としては食後2~3時間程の時間で

✅ 頭痛、発汗、頻脈、目眩、脱力感など

場合によっては失神して気を失う事もあります。症状は早期ダンピング症候群に似ていますが、失神してしまうという点で注意が必要です。

同じような症状が見られる胃のトラブルに関してはこちらを見て参考にして下さい。

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胃がムカムカして吐き気が酷い。原因は【危険な病気】かも!

 

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ダンピング症候群の治療法

 

ダンピング症候群の治療法としてどのようなものが挙げられるのか、ご紹介します。

1. 食事療法の徹底

食事が急激に小腸に流れこむ事によって起こるため、「食事の摂り方を工夫する」事によって改善する事があります。

食事の回数を少量に分けて取る(少量頻回食)、そして良く噛んで食事を摂る事、低糖質、高たんぱく、適度な脂肪の食事でなるべく水分を少なくします。

冷たい食べ物は避けて、食後30分位は横になって休む事も大事です。

 

また晩期ダンピング症候群の原因として挙げられるのが、「低血糖状態」です。

低血糖を防ぐためには糖分の高い物を間食したり、飴をなめたりするのが良いです。

普通の食事を摂ると血糖値は上昇しますが、食事の際に高血糖を起こしていると、糖尿病と同じように腎臓や網膜、神経などに後遺症が残る可能性があります。十分な血糖値のコントロールが必要になります。

低血糖の症状についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
低血糖が眠気や頭痛を誘う?【原因や対処法を詳しく解説!】

 

また手術後や食事療法が難しくなると、経管栄養といい注射や胃ろうなどで栄養を取らざるを得なくなります。

胃がんの手術を行った後には病院でダンピング症候群になる可能性も含めて、しっかりと看護計画を立てて治療をしていくことが重要になります。

 

2. 薬物療法

ダンピング症候群に直接効く特効薬というのはありません。対症療法が主になりますが、胃の粘膜刺激に対する粘膜保護剤、 腸の働きを良くする薬などを服用します

他にダンピング症候群による症状が頻繁に出る事で「またなったらどうしよう」という精神的な不安感なども出てきます。

その精神的な不安感が体調に出る場合もありますので、その際には抗不安薬などの服用も視野に入れます。

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ダンピング症候群の予防法

 

ダンピング症候群の予防法をここでご紹介します。

1. 間食をする。

晩期ダンピング症候群の症状に関しては低血糖状態になる事が引き金になります。

低血糖状態を避けるために、食後2時間ぐらい経った後に間食をするとよく、ダンピング症候群の症状が出るのを抑えてくれます。

 

2. 精神面をきちんとコントロールする

「食べ物を食べると症状が出るかも・・」という不安感も、症状が出る要因として考えられます。この食べ物を多く食べたら症状が出るなどの症状が出るメカニズムを知っておくと、不安感が減少されます。

自分の精神面をきちんとコントロールする事も重要になります。

 

3. 熱い物、冷たい物、刺激物を避ける

胃を切除すると、消化が十分でない食べ物が直接腸に流れ込む為、腸の動きが活発になったり、腸液が一気に分泌されるといったことが起こります。

これによって吐き気や腹部の症状を引き起こす事があります。

なるべく冷たい物、熱い物、刺激物のような胃に負担のかかるような食事は避けるようにしましょう

消化を助けるためには横になる姿勢についても注意が必要です。こちらを参考にして下さい。

【関連記事】
食後に寝る正しい向きはコレ【何時間空けないと太るの?】

 

4. 消化酵素薬と食事を一緒に取る

胃の切除手術をした方は食べた食べ物が直接腸に流れます。唾液や胃液には何種類もの消化酵素が含まれていますが、胃を切除することによって消化酵素が足りなくなってしまいます。

その足りなくなった消化酵素を補う薬を食事と一緒に取る事でダンピング症候群の症状を緩和してくれるといわれています。

 

ただ消化酵素薬は食事の後に取っても意味がほとんどありません。それは食べ物がすぐに腸へ落ちてしまうからです。

消化酵素薬はふりかけのようにご飯にかけて一緒に食べるといった方法が一番効果があるとされています。

 

胃を切除する事でダンピング症候群に悩まされる患者さんは多くいらっしゃいます。

症状をいかに知り緩和させるための予防法を事前に収集する事も大切です。

インターネットや本などでも情報収集が可能ですが、他にも製薬会社が独自で発行しているパンフレットや病院での指導を受ける事も出来ます。

手術を行う病院やかかりつけ医に直接相談してみても良いでしょう。食事や精神面をきちんとコントロールする事が大切になります。

自分なりの生活リズムをしっかりと身に付けて、症状をコントロールできるように努めましょう。

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