お腹のガスの5つの抜き方徹底解説!【長引く時は早めに病院へ】
ご飯を食べ過ぎたわけでもないのに、お腹の張りや膨満感に悩まされた事はありませんか?もしかしたらそれは、ガス溜まり、と呼ばれる状態かもしれません。
ガスが溜まりやすいのは何も便秘がちの人だけではありません。症状によっては怖い病気が隠れていることもあります。
今回はガス溜まりについて見ていきましょう。
気になる所から確認してみよう
3つの症状があればお腹にガスがたまっているかも
お腹にガスがたまると、どのような症状が現れるのでしょうか。まずはガスだまりが考えられる症状について見ていきましょう。
お腹のハリ
ガスがたまる事で腸が膨らんでしまい、下腹部全体に突っ張ったような感覚が起こります。お腹を手の平で触ってみると、全体的に硬い印象を受けるかもしれません。
動作時の痛み、圧迫感
ガスだまりの症状が進んでくると、歩行時や動作時にお腹にピリッとした断続的な痛みを感じたり、お腹全体に重い圧迫感を感じたりします。
特にお腹全体に圧をかける動作の「歩く、座る、いきむなど」時に感じる人が多いようです。
おならが良く出る
おならの回数の平均値は、成人で1日10回前後と言われています。理想的な腸内環境であればほぼ無臭です。
しかしお腹の中でガスだまりが起きてしまうと、おならの回数が増えてしまい日常生活の悩みの種になってしまう事もあります。
ガス溜まりを起こしている人のおならの臭いは、原因によって個人差があるようですが、人によっては無臭であったり、腐敗臭を持っていることもあります。
お腹にガスが溜まりやすい7つの原因
では、なぜお腹にガスが溜まってしまうのでしょうか。
実は私達のお腹の中にあるガスは、3割が腸内細菌によるもので、残り7割は口から飲み込む空気によるものと言われています。
口から飲み込む空気は、食事中や会話中に無意識に飲み込んでしまっているものがほとんどです。通常であれば、これらのガスは先に腸内にあるガスを後から入ったガスが押し出すようにして排出しています。
しかし何らかの原因によりガスの量が増えたり胃腸の働きが弱ったりすると、ガスを排出しきれずため込んでしまうようになります。以下で、腸の動きを停滞させてしまう原因について見ていきましょう。
デスクワーク
実は座った姿勢というのは、腸にあまり良いとは言えません。座る事でお腹全体を圧迫するような形になるため、腸全体の動きが鈍ってしまうのです。
短時間であれば問題ありませんが、1日の大半を座って過ごすような人はガスが溜まりやすい傾向にあります。
ストッキングや下半身をきつく締める服
下半身をきつく締めつける服は、胃腸の動きを停滞させてしまいます。こうなるとガスの排出がうまくいかなくなるため、ガスだまりを起こしやすくなります。
炭酸飲料
炭酸飲料は二酸化炭素を水に含ませることでできる飲料です。このため炭酸飲料を好んで飲む人は、通常よりも多くのガスをお腹に溜めやすいと言えるでしょう。
便秘
便秘がちな人は、腸内環境が悪玉菌に傾いている人が多いと言われています。悪玉菌は便の中に含まれる食物の残りを分解して臭いの強いガスを産生しますが、実はガスの量はそこまで多くありません。
しかし慢性的な便秘になると、食物の残りが腸にとどまる時間が増えてしまうため、結果的に悪玉菌のガス産生量が増えてしまうのです。このため長期的な便秘の人はガスだまりが起きやすいと言えるのです。
運動不足
便秘やガスの排出に関係してくるのが、お腹の筋肉です。お腹の筋肉が運動不足によって衰えると、腸の動きも同時に衰えてしまうためガスや便の排出がスムーズにいかなくなります。
ストレス
腸というのは自律神経の働きをとても受けやすい器官です。このため自律神経の働きが鈍ると、同時に腸の動きも悪くなりやすいと言えます。
ストレスは自律神経を狂わせやすい要因です。特に現代社会ではストレス過多な環境であることが多いため、胃腸の不調を訴える人が増えているのです。
睡眠不足
胃腸が一番よく働く時間は、実は私達が熟睡している時間というのはご存じですか?
なぜなら、胃腸は自律神経の中でも、副交感神経がよく働いている時に腸の蠕動運動がスムーズに行われます。副交感神経はリラックスしている時によく働いている神経です。
このため、私達が眠っている時間は胃腸にとって一番良い時間なのです。便秘やお腹の不調で悩んでいる人は、夜更かしや睡眠不足になっていないか再確認してみましょう。
ここからは、溜まってしまったガスを排出する方法について見ていきましょう。
ガス抜き方法 その1 ~体操
ガスがたまる原因は、腸の蠕動運動が弱くなってしまうために起こります。蠕動運動を促すために起きてすぐ、ガス抜き体操をしてみましょう。
ガス抜き体操のやり方
✅ うつぶせになります
✅ ①膝を90度曲げ、踵でお尻に触るように動かします
✅ ②足を元の位置に戻します
②の動作を繰り返し行いましょう。早い人なら体操中におならをしたくなってくるはずです。
いまいち効果を実感できない人は、体操前に仰向けになり、腹式呼吸を意識しながら腹部を優しくマッサージしてみてください。
この時に「の」の字を書くように大腸や小腸の流れに沿ってマッサージするよう心がけましょう。
膝や腰に持病がある人は、痛みを感じたらすぐに中止してください。
ガス抜き方法 その2 ~ポーズ
体操が難しいという人は、ヨガにある「赤ちゃんのポーズ」がお勧めです。仰向けになり両足を抱えて数回腹式呼吸を行うだけで、無理なく腸を刺激することができます。
赤ちゃんのポーズのやり方
✅ 仰向けになります
✅息を吐きながら両ひざを胸に引き上げます
✅両足を腕で抱え込み、3~5回腹式呼吸を行います
✅ 息を吐きながら足を戻します
ヨガの重要なポイントは呼吸法にあります。
一般的に腹式呼吸が推奨されていますが、難しい人は「ゆっくりとした深呼吸(1回の呼吸に十秒以上かける)」を意識するようにしてみてください。
腰に痛みを感じた場合はすぐに中止するようにしましょう。
ガス抜き方法 その3 ~食べ物
お腹の中にたまるガスを減らすためには、
✅ ガスを入れない
✅ ガス発生しにくい腸内環境 ✅ ガスを排出を促す |
の3つが重要になってきます。
まずは「ガスをお腹の中に入れない方法」について見ていきましょう。
食事はよく噛んで、早食いはダメ
早食いの癖がある人や、忙しいからと急いで食事をすませる人は、食物と一緒に空気を飲み込みすぎるようです。また、食事中によくおしゃべりをする人も同様の傾向があります。
食事はゆっくりと落ち着いた環境で食べる方が望ましいと言えるでしょう。
炭酸飲料はほどほどに
前述しましたが、炭酸飲料は二酸化炭素を水に混ぜて作る飲み物です。もちろんビールやハイボールといったシュワシュワする飲み物にも含まれています。
美味しい炭酸飲料ですが、ガス溜まり対策を考えるなら、ほどほどにするようにしましょう。
次に、「ガスを発生しにくくする腸内環境」を作り出す食べ物について見ていきましょう。
悪玉菌を減らす
腸内では、善玉菌と悪玉菌が互いの覇権争いを行いながら日々戦っています。便秘がちの人やガスが溜まりやすい人は悪玉菌が優位になっている事がほとんどです。
増えてしまった悪玉菌を減らすには、善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌、麹菌などを含む食品を進んでとるようにしましょう。
これらの善玉菌を多く含む食材には、ヨーグルト、チーズ、納豆、味噌などがあります。
ヨーグルトやチーズ、納豆に関しては味や風味に癖が強いため、苦手とする人もいるかもしれません。そういう人はサプリメントなどで摂取することもお勧めです。
逆に悪玉菌の餌となりやすい食品には肉類等たんぱく質を多く含む食品になります。タンパク質は体に必要な栄養素ですが、摂りすぎは腸内環境にとって良いとはいえません。ほどよい量にするよう心がけましょう。
食物繊維は少量
お腹に良いとされる食物繊維ですが、食べ過ぎは逆効果になる事もあります。
食物繊維は腸内で便の体積を増やしたり、便の柔らかさを調整したりする作用があります。しかし一方で、便の量を増やしたために便秘を悪化させることがあるのです。
もし普段から食物繊維を積極的に摂っているにも関わらず、便秘やガス溜まりで悩んでいる人がいれば、食物繊維の摂りすぎが原因になっているかもしれません。
最後に、「ガスを排出しやすくする」食物について見ていきましょう。
お腹を温める食品を取り入れる
お腹周りの冷えは、腸の蠕動運動を弱らせ、ガスの排出を悪くします。冷え対策には体を芯からポカポカにしてくれる生姜や唐辛子などの食品が有効です。
また、食品の中には体を温める食品と、体を冷やす食品に分ける事ができます。
一般的には、「冬が旬の食材は体を温め」「夏が旬の食材は体を冷やす」効果があり、「地面の下にできる野菜は体を温め」「上にできる野菜は体を冷やす」と言われています。
さらに、食品添加物が多く含まれる食品や、市販のお菓子やスナックに含まれる過剰な糖分は体を冷やしてしまいます。摂りすぎに注意しましょう。
長引くお腹のガスだまりは早めに病院へ
ガス溜まりの原因と対策について見ていきましたが、上記の事に気を付けてもなかなかガス溜まりが改善しない人は、予期せぬ病気が潜んでいることもありますので、一度病院を受診するようにしましょう。
以下で考えられる病気について、口から大腸までの流れで見ていきます。
かみしめ吞気(どんき)症候群
噛みしめ吞気症候群は心身症の一つに分類されます。ストレスなどによって奥歯をかみしめる癖があったり、緊張する場面で無意識に唾をよく飲み込んだりする人などに見られる病気です。
噛みしめ吞気症候群になると、唾液と一緒にたくさんの空気を飲んでしまうことで(呑気症や空気嚥下症ともいわれます)ガス溜まり症状を引き起こしたり、奥歯の噛みしめすぎによる顎の痛み、頭痛、肩や背中のコリ、といった症状が引き起こされます。
胃潰瘍
胃潰瘍の主な症状は、吐き気や胸焼けと共にげっぷや不快感を伴う腹部膨満感を特徴としています。
これは胃腸の働きが悪くなることで、飲み込んだ空気や食物をうまく腸に流す事ができないために起こります。症状が進むとタール便(黒っぽい便)や吐血、貧血、急な体重減少といった症状を起こします。
十二指腸潰瘍
症状は胃潰瘍と似たような物が多いですが、こちらは若年層に多い消化性潰瘍です。主訴は吐き気やみぞおち付近の痛み、背中から腰にかけての痛み、げっぷ、腹部の膨満感、下痢があります。
こちらも症状が進行すると潰瘍部分から出血するため、タール便や吐血を起こすことがあります。
腸閉塞
文字通り腸が閉塞してしまうために、ガスや便がうまく排出できないために起こります。
腸閉塞を起こす原因には様々ありますが、重度の便秘によるものや術後の腸癒着、消化の悪い食品などによって腸閉塞は起こります。
腸閉塞の症状には、腹部激痛、嘔吐、発熱、便が出ない、腹部膨満感などがあります。
大腸ガン
大腸ガンは初期症状に乏しく、ガンができる部位によっても症状は変わってきます。一般的に大腸ガンが疑わしいと思われる症状は、以下になります。
✅ おならの回数が増え、臭いがきつい
✅ 血便、血液の量が増えてきた
✅ 腹痛
✅ 腹部膨満感やおなかの違和感、おなかの針
✅ 便が細くなり、出にくい
これらの症状に複数該当するようならば、病院を受診するようにしましょう。また、日頃から定期健診などを受けるように心がけてください。
ガス溜まりが起こる原因と対策、考えられる病気について見ていきました。
ガス溜まりを起こしやすい生活習慣や食習慣は、個人ではなかなか気づきにくい事もあります。今日から少しずつ腸に良い生活を心がけてみましょう。
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