カンピロバクターはうつる?5つの症状をチェック!
<監修医師 吉野 聖奈>
最近では有名人が経営する焼肉屋でもカンピロバクター菌の感染者が出たということで話題になっていましたが、
カンピロバクターとは一体何なのでしょうか?
ここではカンピロバクターの症状、感染拡大の危険性までをご紹介します。
カンピロバクターとは?
カンピロバクター感染症とは、カンピロバクターという名前の細菌によって引き起こされる感染症の一種のことを指します。
主にカンピロバクター・ジェジュニという細菌が原因となって起こることが多いとされています。
国内ではノロウイルスの次に感染する確率が高いとされており、近年増加傾向にあります。
小さな子供から高齢者まで幅広い層で発症しますが、
好発年齢は10代~20代、性差は男性の方が多い傾向にあるという研究結果があります。
発症してから1週間程度で自然治癒するといわれています。
どんなものから感染するのか
汚染されている鶏肉、牛生レバー、井戸水などを生で、もしくは加熱が不十分なものを飲食した場合にカンピロバクターに感染します。
また、それらのものを調理する器具であるまな板や包丁、付近やスポンジなどからも感染してしまいます。
カンピロバクターに感染した人との接触感染することもありますので、
疑わしい食材は十分に加熱し、生肉を扱う調理者は手洗いや手指の消毒をしてから他の食品を扱うようにしましょう。
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消毒剤は効果ある?
カンピロバクター細菌は様々な消毒剤に対する抵抗性が弱い細菌です。
そのため、消毒用のエタノール、次亜塩素酸ナトリウム、ヨード、逆性石鹸液などの、
市販されている消毒剤のほとんどが効果があるとされていますので、調理する際にはしっかりと手洗いと消毒をしましょう。
カンピロバクターの症状
カンピロバクターに感染すると一体どのような症状が出るのでしょうか。ここではその症状についてご紹介します。
腹痛
他の食中毒でもこの症状は出ますが、カンピロバクター細菌による感染では強い腹痛を感じる方が多いとされています。
人によっては生理痛のような鈍痛、しぼられるような腹痛など表現は様々ですが腹痛は1日では収まらないケースがほとんどです。
また、腹痛は下痢よりも長く続くといわれていますので長丁場になります。
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嘔吐
嘔吐はカンピロバクターに感染した人のうち40%の人に起きるとされています。
腹痛や下痢に加え、嘔吐まであらわれるのでトイレに籠城するような状態になります。
しかし、嘔吐も下痢も水分が急激に失われてしまいます。
体内の水分とミネラルなどを補給するために経口補水液やスポーツドリンクなどを飲むように心がけましょう。
嘔吐があまりにもひどい場合には無理に食事をせず、安静にしていましょう。
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下痢
強い腹痛に伴い、水下痢が出ます。悪化すると血が混じることもあります。
1日に10回以上の下痢をすることもありますが、通常2~6回で1日~3日間続くとされています。
粘血便があるときにはカンピロバクター以外のサルモネラ菌などとの鑑別が必要になってきます。
いずれも脱水症状を引き起こす可能性があるので、水分補給をしながら細菌の排出を待ちましょう。
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発熱
カンピロバクター細菌に感染すると発熱します。
同じ食中毒を起こす菌として知られるサルモネラ菌では一気に高熱が出ますが、
カンピロバクター菌による食中毒の場合には微熱から始まり、上がっても38℃前半で留まるということが特徴的です。
ギラン・バレー症候群
カンピロバクターに感染した後に出る後遺症としてギラン・バレー症候群というものがあります。
1000人に1人の確率で発症するといわれています。
カンピロバクターに感染後、1~3週間を経て四肢の脱力が著明になります。
これは筋肉を動かすための神経が障害されてしまうことにあります。
また、痺れなど感覚神経も障害される例もあるので、自分の体に異変を感じたらすぐにでも受診ができるようにしましょう。
ギラン・バレー症候群についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
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カンピロバクターの潜伏期間
菌を摂取してから発症までの期間のことを潜伏期間といいますが、1日から7日間と他の食中毒菌に比較して長いことが特徴です。
カンピロバクターに感染した時の食中毒症状は、下痢や腹痛、嘔吐など他の食中毒で表れる症状と非常に良く似ています。
食中毒の種類によっては自己判断では症状を悪化させる可能性もありますので、下痢止め等は使わずに医療機関にかかるようにしましょう。
カンピロバクター感染症はうつる?
感染経路としては、汚染食品を食べることによるいわゆる「食中毒」と、
感染者や感染したペットから介する「感染症」という2つの経路があります。
食中毒に関しては生肉や井戸水などの感染の恐れがある食材は十分に加熱をすることで防ぐことが可能です。
しかし、摂食感染に関しては特に口や肛門の接触があることによって二次感染するといわれています。
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感染した乳幼児、高齢者の排泄介助後にはしっかりと手洗いし、手指の消毒も怠らないように心がけましょう。
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