アドエア250の副作用を確認!【効果も合わせてチェック】
<監修薬剤師 りか>
画像引用先 http://copd-gooddays.jp/users_adoair.html
アドエア250とは、慢性的な気管支喘息、もしくは慢性気管支炎・肺気腫等の疾患に使われる吸入用のお薬のことです。
医療用医薬品のため、あまり一般的には知られていないかもしれませんが、
吸引型の喘息のお薬の中でも比較的身体の負担が低いお薬として慢性的な喘息の患者さんに処方されます。
ただ、どんなに身体に負担が少ないとしても、効果があれば必ずリスク(副作用)も存在するもの。
これから薬を服用される患者さんは効果を最大限に引き出すためにも、しっかりと副作用とその効果について理解することも大切です。
アドエア250の副作用について
アドエア250などの吸入治療薬は、飲み薬などの全身に作用するお薬と違って、喉から気管支にかけての限定された場所までしかお薬が届かないようになっています。
従って、ステロイド剤などの強い抗炎症剤でも全身に副作用が起こる可能性は低く、気道の炎症部分に直接届いて十分な効果を発揮してくれる優秀なお薬です。
ただ、副作用が完全にないというわけではありません。
口内にあらわれる主な副作用
・嗄声(声のかすれ)
・喉の痛み(イガイガするなどの不快感、違和感)
・口内炎
・口腔カンジダ(口の中が白っぽくなるなどの症状) …など
吸入により喉頭筋にステロイド粒子が付着し喉頭筋障害が起こり声がれが起きたり、うがいを忘れたりするとカンジダ症になります。
つまり、口内で起こる副作用はうがいをすることで予防できるものですので、吸入後は必ずうがいを忘れないようにしてください。
うがいが困難な場合は口をすすぐなどして対処してください。
皮膚にあらわれる主な副作用
・じんましん
・発疹
・血管浮腫(瞼・唇の腫れなどの症状) …など
皮膚に不自然な痒みが発生したり、赤いポツポツなどが出来たりした場合は、安易に市販の塗り薬を付けるのは避け、必ず医師または薬剤師に相談しましょう。
その他の副作用
・頭痛(頭が重い)
・動悸
・手足のしびれ …など
ステロイド剤の作用による一時的なものと考えられますが、心配な場合は医師か薬剤師に相談されてみましょう。
決して自己判断で市販薬など他の薬と併用しないよう気を付けてください。
使用を中止しなければならない副作用
<アナフィラキシーの可能性が高い症状>
呼吸をするのが苦しい・困難である、じんましんなどの皮膚のかゆみ、急な冷や汗
<低カリウム血症>
身体に力が入らない、手足が震えてしびれる、筋力が低下する
<肺の炎症疾患(肺炎)の可能性が高い症状>
発熱があり寒気がする、痰が絡む咳が止まらない、息切れがある
など、軽度や頻度に関わらず少しでも似たような症状があらわれた場合は使用をやめて、すぐに医師の診察を受けるようにしてください。
このような方は使う前に必ず医師に相談する
✅ 同じような薬を以前にも使用し、皮膚のかゆみや発疹などのアレルギー症状があらわれた方
✅ 感染症、結核を患っている、深在性の真菌症などの持病がある方
✅ 妊娠中の方、または現在授乳中の方
✅ 現在、他にも使用中の健康食品や一般用医薬品、服用中のお薬がある (お互いに効果を弱めたり強めたりする可能性があるため)
以上の症状・状態がアドエアを吸入する際の副作用と注意点になります。あくまで主な作用についてを書き出したものになります。
もし上にあるもの以外でも気になる症状があらわれた場合は、必ずかかりつけの医師または薬剤師に遠慮せずに相談するよう心がけてください。
アドエア250で得られる効果
アドエア250はいわゆる喘息の発作自体を速やかに抑えるお薬ではありません。
慢性的な気管支喘息や、慢性肺疾患などの方が長期間続けて服用することによって、徐々に症状を緩和させることを目的として使われます。
発作や症状が起きていなくても、予防として服用することによって喘息発作の程度、頻度を軽減できる、非常に予防効果の高いお薬になります。
☑ 喘息の原因となるアレルギーと炎症を抑えるステロイド成分(フルチカゾンプロピオン酸エステル)
☑ 長時間にわたり気管支を広げる成分(サルメテロールキシナホ酸塩)
この二つの主成分が、1回でどちらの効果も得られるよう一つとなった吸入薬です。
合剤されることによって1度で済む利便性と、患者さんの負担をかなり減らしてくれました。
アドエアの種類
アドエアにはそれぞれ種類があり、ディスカスという丸い容器から薬剤を吸入するタイプが多く用いられるようです。
アドエアの基本的な種類と大体の値段は以下のとおりになりますので参考にしてみてください。
<アドエア100ディスカス>
(28ブリスター・1キットあたり 2929円)
(60ブリスター・1キットあたり 6233円)
<アドエア250ディスカス>
(28ブリスター・1キットあたり 3393円)
(60ブリスター・1キットあたり 7210円)
<アドエア500ディスカス>
(28ブリスター・1キットあたり 3866円)
(60ブリスター・1キットあたり 8259円)
アドエア100、250、500など数値の違いがありますが、これは1吸入時のステロイド量になります。
さらに、28ブリスター、60ブリスターという数値は、それぞれ28吸入分、60吸入分入っているという意味です。
注意しなければならないのが、それぞれ患者さんの状態で変わり、小児から大人まで個人差によっても効果の違いがありますので、単純にアドエア250より500の方が効果をより感じやすいというものではありません。
医師によって服用するよう定められた量と期間を守り、自己判断で薬を途中でやめたり、回数を多くしたりしないようにしてください。
アドエア250の吸入方法と注意点
通常、成人の場合は1回1吸入ずつ。1日2回の吸入。1日に使用する吸入回数は2回までです。
症状により適宜容量(250から500へなど)が医師の判断で切り替えられます。
必ず指示された吸入方法に従って、「ディスカスの吸入法」の使用説明書をよく読んで吸入されてください。
吸入後には必ずうがいをするか、うがいが困難な場合は口をすすぐことを忘れずに。
吸入しなければならない時間にできなかった、あるいは、するのを忘れていた場合は、気が付いた時点で1回分を吸入しましょう。
ただし、絶対に2回分を一度に吸入してはいけません。次に吸入する時間帯が近いときは次の1回分を抜いてください。
間違って多めに吸入した場合は医師または薬剤師にすぐ相談しましょう。
副作用の症状が出た場合を除いて、自分の判断で勝手に吸入するのを中止しないように。
アドエアは即効性を期待するお薬ではなく、長期間使用することを前提としたお薬です。
効果があらわれるのは個人差もありますが、効果が出るまでの期間は2週間~1ヶ月以上の長期間で実感する場合がほとんどのようです。
症状が治らないと焦らず、根気よく続けてください。予防効果も高いお薬なので、症状が落ち着いたとしても続けて吸入されたほうが望ましいです。
アドエアとシムビコートの違い
アドエアと似ている吸入薬に「シムビコート」というお薬があります。
同じ【抗炎症剤のステロイド】+【気管支拡張成分】が合わさったお薬で、どちらも予防のとして毎日続けることで喘息の改善をしていく治療薬なのですが、使われている成分と、即効性が大きく違います。
アドエアの場合、即効性がないため発作時に使用されることは認められていないのですが、シムビコートは即効性があり発作時にでも使用できます。
ただし、アドエアは1回1吸入、1日2回という単純な吸入法であるため吸入力の弱い子供から高齢者まで安定した効果を得られやすく、持久力が高いという利点があります。
お薬の良さも悪さも一長一短。薬の強さ弱さに関係なく、自分の身体とライフスタイルに合わせたお薬を医師や薬剤師さんと相談して選びましょう。
アドエアは喘息で悩む患者さんと長く付き合うことになるお薬な分、気を付けなければいけない副作用と注意点にきちんと向き合い、自身と周りの理解も深めることが症状改善の大切な一歩です。
自己流にならないようお薬と身体と上手に付き合っていきたいですね。
【関連記事】
気管支喘息の4つの症状【意外な原因や治療法を解説!】
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。