キプレス錠10㎎の5つの副作用に注意【効果を分かりやすく解説】
<監修薬剤師 藤沢 淳司>
気管支喘息や鼻炎などで服用するキプレス錠10㎎。その効果をしっかりと知って服用されていますか?
今回はキプレス錠10㎎の効果や副作用を解説していきます!
キプレス錠10㎎の効果
キプレス錠は、杏林製薬株式会社が製造販売しているお薬で、適応症として
✅ 「気管支喘息」の発作を予防するため
✅ 花粉症など「アレルギー性鼻炎」の鼻詰まり、鼻水、くしゃみ等の症状を改善する作用
のお薬ですが、既に発生した気管支喘息の発作そのものを止める薬ではなくあくまでも予防薬で、発作を止めるお薬は別の専用のお薬になります。
キプレス錠の主成分である“モンテルカストナトリウム”には、アレルギー症状を発現させる物質である“ロイコトリエン”を抑制する作用があり、この作用により炎症を抑えたり気管支の収縮を緩和させ、いきぐるしさ、喘鳴(ぜいめい)、咳等の症状の発生を抑制します。
又、鼻の穴を通過する空気抵抗を減少させ、アレルギー性鼻炎で起こる鼻詰まりや鼻水、くしゃみ等の症状を改善する事が出来ます。
キプレスには、
✅ キプレス錠 5㎎
✅ キプレス錠 10㎎ ✅ キプレスチュアブル錠 5㎎ ✅ キプレス細粒 4㎎ |
の4種類の形状があり、5㎎・10㎎は成人向け、チュアブル、細粒は小児に投与されます。キプレスには“モンテルカスト”を含む為、服用量は医師の指示に従う事が必要です。
自己判断で中止したり量を増やしたりせず、速やかに医師や薬剤師に相談しましょう。
各症状の特徴についてはこちらをみて参考にして下さい。
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気管支喘息の4つの症状【意外な原因や治療法を解説!】
キプレス錠10㎎の副作用
キプレス錠10㎎の副作用
キプレスは比較的副作用が少ない薬とされていますが、下記のような副作用があります。
✅ 軽度の副作用
・下痢 ・腹痛 ・吐き気 ・胸やけ ・頭痛
✅ まれに起こる副作用
・発疹 ・口渇 ・眠気
・じんましん ・かゆみ ・肝機能異常 ・胃不快感 ・倦怠感
✅ 重度の副作用 〔 初期症状の可能性 〕
〔 アナフラキシー 〕 ・冷汗 ・顔面蒼白 ・呼吸困難 ・全身発赤
〔 血管浮腫 〕 ・息苦しい ・顔・舌・咽頭の腫れ
〔 劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸 〕 ・食欲不振 ・全身倦怠感 ・皮膚や粘膜などが黄色くなる
〔 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑 〕 ・発熱 ・目の充血 ・皮膚・粘膜の発疹 ・紅斑 ・水疱
〔 血小板減少 〕 ・鼻血 ・歯ぐきの出血 ・四肢の皮下出血
血小板の役割についてはこちらを参考にして下さい。
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血小板が少ない原因一覧【4つの病気の可能性アリ!】
✅ 主な臨床検査値の異常
≪ 気 管 支 喘 息 ≫
・ ALT(GPT)値が上昇する
・ Y-GDP値が上昇する
・ AI-P値が上昇する
≪アレルギー性鼻炎≫
・ ALT(GPT)値が上昇する
・ 白血球数が増加する
・ 尿潜血がみられる
※ その他にも、唇や口内のただれ、喉の痛み、水膨れ などが報告されています。上記の様な症状が出た場合は服用を止めて、速やかに医師の診察を受けてください。
又、上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師又は薬剤師に相談してください。
✅ 次のような方は、服用する前に必ず医師や薬剤師に伝えてください。
・持病やアレルギーがある方
・妊娠中、又は授乳中の方
・他の薬を服用している方( お互いに作用を強めたり弱めたりする可能性がある為 )
キプレス錠10㎎の飲み合わせに注意!
飲み合わせ
キプレスは、抗けいれん薬の『フェノバルビタール(フェノバール)』との併用により、この薬の作用が減弱する恐れがあります。
用法・用量
✅ 気管支喘息 ; 通常、成人は1日1回就寝前に1錠服用
✅ アレルギー性鼻炎 : 通常、成人は1回5~10㎎を1日1回就寝前に服用
キプレスは、1錠中にモンテルカストとして10㎎を含みます。必ず指示された用量・服用方法を守ってください。
※ 飲み忘れた場合は、気づいた時にすぐに1回分を服用してください。但し、次の飲む時間が近い場合は、飲まずに次の通常の服用時間に1回分を服用し、決して2回分を一度に飲まないでください。
※ 誤って多く服用した場合は、医師又は薬剤師に相談してください。
※ 医師の指示なしに自分の判断で服用するのを止めないでください。
※ 良い結果が出るまでに時間がかかりますので、毎日規則的に服用しましょう。
※ 花粉症の場合、事前に効果を高める為、葉粉が飛び始める前から開始する事があります。
※ 長期に服用する場合、定期的に血液検査や尿検査を受けた方が良いでしょう。特に、肝機能検査が大事です。
禁忌
本剤の成分に対し、過敏症などの既往歴がある方は、服用しないでください。
『キプレス錠10㎎』のまとめ
・ 成人に処方されるお薬です。
・ 気管支喘息の発作の予防、花粉症などのアレルギー性鼻炎に効果のあるお薬です。 ・ 副作用は少ないですが、下痢・腹痛・吐き気・胸やけ・頭痛などが現れることがあります。 ・ フェノバルビタールとの飲み合わせは、キプレスの作用が減弱する恐れがあります。 ・ 予防薬なので、長期の服用で効果が期待できます。 ・ キプレスは先発品のお薬で、ジェネリックではありません。 ・ キプレスを服用したら太るということはありません。 |
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