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不思議の国のアリス症候群は大人もなる【原因や症状など解説】

<監修医師 まっちゃん>

頭痛

「不思議の国のアリス」という物語を知っている人は多いですが、その物語の名前を持つ病気があることはあまり知られていないかもしれません。

 

原作者自身がその疾患を患っていたとも言われている不思議の国のアリス症候群、その原因や症状などについて解説します。

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不思議の国のアリス症候群とは

 

不思議の国のアリスといえばルイス・キャロルのメルヘンの代表作と考えられますが、それが「不思議の国のアリス症候群」という疾患名になると一気にダークメルヘンのように感じられます。

 

この耳慣れない疾患の原因は未だ不明とされていますが、脳神経の変調から発生するようです。まるで不思議体験をしているかのようなものの見え方があると言われています。

 

物体や距離感への認知に異常をきたすもので、脳内の血管の奇形から発症することもあるようです。

 

要するに見えているものと実際のものとの差異が生まれ、うつ病などの治療薬で発生する副作用にも似ていると言われています。

 

昨今問題になっている違法薬物などで起こる幻覚に例えられることもあり、以前は子供の奇病と考えられていましたが実際は大人でも発症することがわかっています。

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不思議の国のアリス症候群の4つの症状

 

様々な症状があると言われる不思議の国のアリス症候群、その症状について見ていきましょう。

 

代表的なものは人の身体がぐにゃぐにゃ変形して見えるというものです。

 

2つ目は色覚や視覚異常として今見ているものの大きさや色・遠近感などが変化して見えます。

 

3つ目に自身がふわりと空中浮揚しているような感覚で現実感を失うというもの、4つ目が時間感覚も変調をきたして時計を見てもその感覚が麻痺することもあります。

 

代表的な4つの症状を挙げましたが、いずれも少し想像がつきにくいものです。

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不思議の国のアリス症候群の原因は特定が難しい

 

原因が未だ発見されていないという不思議の国のアリス症候群ですが、視覚異常は発生しても視覚自体に異常が起きているわけではないようです。

 

主に考えられているのは脳に原因があるのではないかということです。

 

最有力視されているのはEBウイルス感染症

中でも有力とされているのはEBウイルスによる感染症です。日本人なら子供の頃感染している人の方が多いようです。

 

中枢神経系等の炎症が起こることもあり、このような症状を一過性のものとして経験したことがある人も比較的いるのです。

 

子供の頃、高熱が出た時にテレビや母親の顔のサイズがおかしく見えたことがありませんか?

 

精神疾患?性格の問題?

その他のウイルス感染症による脳炎や向精神薬の副作用としても同様の症状が発生したり、精神疾患との合併症と診断されることもあります。

 

いずれも神経質さゆえのものだとして片付けられてしまうこともあるようです。

 

子供なら大人に説明がうまくできずに妄想癖だと叱責されたりすることから素直に話すことができず、人間関係をうまく作れなかったり発見自体が遅れてしまうことが多くなっています。

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大人になっても続く時は違う病気と診断されるケースもある

 

大人になっても物体の縮尺がおかしい気がし続けて外出するのも困難だと悩む人もいるようです。

 

このような症状が発生し続けている場合に片頭痛も併発している人が多いと言われています。

 

子供に特徴的な症状だと誤解されている場面が多く、実際大人になると「そんなことを言うのは神経質だからだ」などとメンタルが弱いと誤解されたりもします。

 

原因の項目でも触れましたが、てんかんやうつ病・統合失調症などの精神病やアルコール中毒・薬物中毒でも同様の症状が報告されていて切り分けが難しいようです。

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関連性が注目されている脳底型片頭痛とは

 

「片頭痛持ちで困っている」と言う人ならわかるあの症状が関連しているかもしれません。

 

片頭痛とは血管拡張によってそばに通っている神経に当たるため、脈を打つたびに痛いというもので、周期的に発作があり生活にも支障が出ます。

 

偏頭痛の箇所を冷やすと、痛みが軽快するのも片頭痛の特徴ですね。

 

脳底辺型片頭痛とは

通常言われる片頭痛とは少し症状が違うものです。比較的低年齢で好発し、かつ女性に多い片頭痛の一つの形です。

 

不思議の国のアリス症候群が成人でも発生する原因とも考えられている疾患です。

 

脳自体に異常がないこともありますが、大脳資質に変化が起きていることもあり遺伝性がある疾患とされています。

 

脳底辺型片頭痛の症状

頭痛とはいっても痛みがないこともあるようです。耳鳴りや難聴といった聴覚症状構音障害、複視などの視覚症状があります。

 

回転性のめまいが特徴的な症状と言われており、運動失調・意識低下や両側性の感覚障害などが5分以上かけて徐々に現れます。

 

意識障害は失神・混迷・昏睡や一過性全健忘など多岐にわたるもので、脳底辺型片頭痛は意識障害を伴った片頭痛と表現できるものです。

 

以前は脳底動脈片頭痛と呼ばれていましたが、脳底動脈に起因するかどうかは未確定だと言うことで呼び方が変わりました。

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不思議の国のアリス症候群は専門医と治し方をしっかり相談

 

もしかしたら?と疑う時には脳神経外科や神経内科などの専門医を受診しましょう。子供であれば小児科ですが、メンタルを扱える医療機関を受診してじっくり相談することをお勧めします。

 

原因疾患が他にあるのか、あるいは一過性のものなのかを特定することが先決です。それにはきちんと専門医を受診することから始めます。

 

治療法はあるの?

現時点では原因が特定されていないため治療法も確立はされていません。しかし対症療法として薬物治療が行われています。

 

向精神薬や偏頭痛に対応する薬物など、それぞれの症状に応じて処方されます。何らかの薬物によるアレルギーにより発症することもあるため、医師による診断・治療が大きなウェイトを占めます。

 

接し方を考えてみる

うつ病の人に対して「頑張れといってはいけない」と言う見方とともに「怠けているだけだ」と言う見方もあるのが現実です。

 

同様に不思議の国のアリス症候群はマイノリティであるため環境に馴染めずストレスを大きく感じることでしょう。

 

本人も周囲も病気だという自覚や確証はなく、それぞれの価値観で偏見を持ってしまう可能性があります。

 

そのため「根性で直せばいいじゃないか」とか「いつも変なことばかり言っておかしな人だ」などとか買ってしまいます。

 

脳神経に関わる疾患であるということを理解し、またその感覚が不思議の国のアリス症候群であるという診断があるならば周囲からの偏見は一切気に留めないようにすることも大切です。

 

生活習慣にヒント

片頭痛に関していえば、生活習慣の中でも食生活を改善することで症状が軽くて済むこともあります。

 

まず食べると血管拡張の作用があるものは避けるようにした方が賢明です。チョコレートや赤ワインなどのポリフェノールが多いものやインスタント食品は減らした方が良いでしょう。

 

魚や豆腐・卵などに含まれるトリプトファンとマグロやニンニクに含まれるビタミンB6。これらはセロトニンを作るために必要な栄養素、セロトニンが不足すると片頭痛になりやすいという説もあります。

 

不思議の国のアリス症候群について解説しましたが、自分でも家族でも「病気だ」という実感が湧きにくいものでしょう。ましてや他人ともなると偏見を持ちたくなるような症状かもしれません。

 

しかしそのような病気があるということを知るだけでも、思いやる気持ちや理解する一助になるのではないでしょうか。

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