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小脳梗塞の症状チェック【後遺症についても解説】

<監修医師 ドクターTST>
頭痛脳梗塞を含む脳卒中は発症者だけでも毎年30万人に上り、特に高齢者の方にとっては身近な病気の一つです。命が助かっても重篤な後遺症が残ることも多く、寝たきりになる原因の約3割を占めています。

 

脳梗塞とは、コレステロールによる動脈硬化や血の塊(血栓)が脳の血管に詰まることで生じる症状です。

小脳梗塞は脳の部位の内、小脳で発生する梗塞で、「小さい脳梗塞」ではなく「小脳で起こる脳梗塞」の意味です。

今回は、小脳で発生する小脳梗塞がどのような症状をもたらすのかと、小脳梗塞で発生し得る後遺症について解説していきます。

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小脳梗塞の症状

 

激しい頭痛

脳梗塞では小脳梗塞か大脳での脳梗塞かを問わず、急激な頭痛が起こることが良くあります。

頭痛の内容は頭の中で脈打つような強い痛みで片頭痛にも似ていますが、偏頭痛がある程度の予兆を伴うのに対し、脳梗塞の頭痛では何の前兆もなく突然発生します。

 

吐き気・嘔吐

吐き気や嘔吐も脳梗塞の際に起きる主な症状の一つです。脳の中心部にある脳幹には、吐き気をつかさどる嘔吐中枢という部分があります。

血管が詰まる脳梗塞で脳が腫れると、頭蓋骨内部の圧力が高まって脳幹が圧迫され、嘔吐中枢が刺激されることで吐き気が生じます。

 

嘔吐すると吐いた物が気道に詰まって窒息や肺炎を引き起こして死に至ることがあります。

 

また、延髄が受ける圧力が大きくなると、意識不明になったり、呼吸が停止したりすることがあるので、極めて危険です。

 

ろれつが回らない

脳梗塞では言語障害が現れることは良くあります。突然物の名前を忘れたり、人の言っていることが理解できなくなったりする症状は、脳梗塞の前兆として注意するべき症状にあげられます。

 

小脳梗塞の場合は記憶や言語に関する部分とは違う部分に障害が出るので、人の言っていることが分かり、自分がしゃべりたいこともわかるのに、舌が思うように動いてくれないという形で症状が出ます。

 

運動失調

小脳は運動をつかさどる部分なので、小脳梗塞の症状は運動に関連する物が多く見られます。指先の細かい動きがしにくくなったり、ふらついて歩けなくなったりする症状が代表的です。

 

それ以外にも、平衡感覚に異常が起きて強いめまいが起きたりバランスが取れなくなったりする症状も見られます。特徴的なのはしびれや麻痺はなく、力はあるのに手足を思うとおりに動かせなくなるという点です。

 

そのため、症状が大きくないうちは見逃してしまうことが多く、検査を受けないまま悪化して重大な発作が起きるまで気づかないこともあります。

 

その他の脳出血の症状についてはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
脳出血の前兆チェック!頭や目の異変に【要注意】

 

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小脳梗塞の原因

 

高血圧

高血圧は脳梗塞と強い関連性があります。脳梗塞の直接の原因となるのは動脈硬化です。動脈硬化は血管の壁が分厚くもろくなる症状で、血管の柔軟性が失われて物が詰まりやすくなります。

 

血圧が高いと、血管は高い血圧に得るために壁を厚くして強度を上げますが、その分柔軟性が失われ、満足に血液を通せなくなります。

また、圧力が高い分だけ血管の内側が傷つく頻度も増え、コレステロールを取り込みやすくなります。こうして、血栓だけでなくコレステロールによる動脈硬化で血管が詰まってしまう可能性も高くなってしまいます。

高血圧に関してはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
若年性高血圧症の原因はコレ【5つの改善法や薬について解説!】

 

糖尿病

糖尿病も高血圧と並んで脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす原因となっています。血液にはリポたんぱくという水に溶けるたんぱく質があり、これが油であるコレステロールを包むことで、血の中に溶け込むようにしています。

 

しかし、糖尿病によって血糖値が高いと、リポたんぱくの合成が促進され、血液中に増加します。

こうしてリポたんぱくからの悪玉コレステロールが血管の内側に溜まって塊となり、動脈硬化を引き起こす原因となります。

 

こうして動脈硬化が進行して血液の流れが悪くなることで梗塞が起きやすくなるほか、血管の内側に出来た塊が突然剥がれて大量の血の塊を作り、血管を詰まらせることも発生しえます。

血流の改善についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
血流を良くする5つの食べ物や薬【対策方法も伝授!】

 

喫煙・飲酒

煙草に含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があり、それだけ血圧を高くして動脈硬化を進ませる原因になります。

また、煙の一酸化炭素による酸素欠乏も動脈硬化を進ませる原因です。

 

このほか、血液を凝固させる因子が増えて血栓ができやすくなったりするなど、脳梗塞の危険性を上昇させる様々な原因を作ります。

 

お酒の場合は、1日の飲酒量が日本酒1合未満程度なら脳梗塞のリスクをやや下げてくれますが、それを超えるとリスクは大幅に増加します。

アルコールは血圧を上昇させるので、それだけ高血圧が引き起こされやすくなります。

 

心臓病

少し意外かもしれませんが、心臓の病気も脳梗塞の原因になることがあります。この場合、心臓(心房)の中にできた血栓が血流にのって脳にたどり着き、そこで詰まって脳梗塞を起こすという仕組みです。

 

心筋梗塞の原因となるのは、脳梗塞と同じように高血圧、糖尿病、喫煙などがあげられます。

 

ストレス

ストレスは動脈硬化を引き起こす高血圧の原因です。また、ストレスを感じると甘い物を食べ過ぎたり、お酒を飲み過ぎたりすることもあります。

ストレスを感じやすい生活をしている場合は、それを和らげるようにカウンセリングを受けたり、生活習慣を改善したりする必要があります。

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小脳梗塞の治療方法

病院

病院で行われる脳梗塞の治療は、薬による内科的な治療が中心で、「血の塊を溶かす薬」「脳を保護する薬」「脳のむくみを抑える療法」「血栓ができにくくする薬」などが使用されます。

 

手術を行う場合は、頸動脈を切開して、血管の内膜と共に血栓やコレステロールを取り除く方法があります。

これ以外にも、足の付け根の動脈からカテーテルを挿入して脳の血管を拡張し、金属の筒を残して血管を広げたままにするカテーテル手術があります。

 

手術では再発を防ぎやすいというメリットはありますが、高度な技術が必要で入院期間も長びくため、経済的な負担になる可能性も十分にあります。

 

脳梗塞では発症から時間が経てばたつほど脳の組織にダメージが加わり、治療が遅れれば予後が悪くなり重篤な後遺症が残る危険性もあります。

 

早ければ治療は高い効果を発揮し、ダメージも最小限にとどめられるので、脳梗塞の発生の予兆は見逃さないようにするのが大切です。

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小脳梗塞の3つの後遺症

しるし   

脳梗塞での後遺症が、血管が詰まって酸素が供給されなくなることで、脳の組織が壊死してしまうことで生じます。

壊死して失われた脳組織は再生せず、その部分がつかさどっていた機能は失われて取り戻せなくなります。

 

脳梗塞など脳の血管が詰まることで脳機能が損なわれる脳血管性認知症は、認知症の症例の内20%を占め、アルツハイマー性認知症に次いで多く生じています。

 

運動機能の異常

脳組織が壊死した場合は、血管が詰まって壊死した側と反対の手足がスムーズに動かせない、歩き方がおかしくなるなどの症状が現れてきます。

 

大脳での脳梗塞と異なり、麻痺が発生せず、体の力はあるのにコントロールやバランスの異常が生じるところが特徴です。

リハビリなどである程度機能を回復することも出来ますが、杖や介護が必要になることも多く、以前と同じ生活を送ることは難しくなります。

 

口、目などの異常

目や口、舌などの「動き」をつかさどっているのも小脳なので、小脳梗塞ではこれらの部位に後遺症が生じることもあります。

舌ではしゃべりたいことがあるのにうまく伝えることが出来ず、特に早口にしゃべることが難しくなることがあります。

言語障害についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
言語障害の3つの原因と種類まとめ!【リハビリ方法についても解説】

 

回転性のめまい

回転性のめまいはぐるぐると回るような感覚がするめまいで、小脳がつかさどる平衡感覚に異常が生じたことが原因です。

体が動かない時と違って、めまいを和らげるリハビリはなく、経過観察して症状が軽減したり、慣れたりするのを待つしかありません。

 

梗塞が出来た周辺の脳の腫れが引いて、脳圧が低下すれば症状が改善する可能性があります。脳梗塞は再発しやすい病気で、再発率は1年以内に約10%、5年以内で約30%になります。

 

さらに、回数を重ねるごとに症状が悪化するので、対策をとる必要があります。

各種の薬を使うことが一般的ですが、何よりも脳梗塞が起きやすい原因である高血圧などを改善し、喫煙や飲酒といった悪い習慣をやめることが重要です。

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