夕方の頭痛がつらい!【吐き気など症状や原因を詳しく解説します】
<監修医師 happy days !>
朝は元気なのに、夕方になると決まって頭痛に悩まされるという経験はないでしょうか?
今回はその原因を詳しく解説していきます!
気になる所から確認してみよう
夕方になると決まって頭痛になる原因はコレ
これは緊張型頭痛と呼ばれており、後頭部やこめかみ・首の後ろの方を中心に重い感じと締めつけられるような痛みを起こします。
片頭痛のような激痛に襲われるタイプの頭痛ではなく、午後になると徐々に症状が増悪し夕方頃に痛みがピークに達します。
この緊張型頭痛は反復性に起こるタイプのものや慢性化するタイプのものがあります。朝から続く仕事やストレスにより、肩や首の筋肉が緊張することが原因で起こります。
本邦の頭痛患者は約4000万人いると言われていますが、緊張型頭痛の患者さんはそのうちの約22%を占めています。夕方に起こる頭痛の正体、緊張型頭痛について詳しく説明していきます。
頭痛が起こる時間帯によって原因が違う
夕方になると起こる緊張型頭痛のように、頭痛には起こる時間帯によって原因が異なることがあります。例えば自律神経の変化を中心に、一日の活動について考えてみましょう。
朝起きると同時に自律神経は、副交感神経(体を休める作用)から交感神経(活動的になる作用)へとバランスの変化を起こします。
それと同時に筋肉の増強作用やバイタリティーを高める作用のあるテストステロンという名前のホルモン値が上昇します。テストステロンにより活動力が高まり、精神的な緊張も高まります。
そして一日の仕事を終える夕方頃になると、仕事によるストレスや筋肉の緊張がピークとなり後頭部や後頚部を中心とした緊張型頭痛が起こることになります。
夕方から夜にかけては活性をつかさどる交感神経から、リラックスをつかさどる副交感神経への切り替えの時間帯でもあります。
副交感神経が高まると同時にセロトニンという心のバランスを整える作用のあるホルモンも分泌されるようになります。
これらのホルモンが整っている状態であれば、心と身体は十分休ませることができますが、自律神経失調症の状態になってしまうと睡眠不足に陥ったり、疲れやダメージから回復できず早朝に頭痛を起こしたりすることがあります。
自律神経失調症の症状についてはこちらを参考にして下さい。
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夕方の頭痛には6つの原因がある
夕方に起こる頭痛、緊張型頭痛には代表的な6つの原因があります。
✅ 立ち仕事やデスクワークなど、同じ姿勢での長時間にわたる作業
✅ 運動不足
✅ 目が疲れるようなパソコンの作業
✅ 手先の細かい作業
✅ 寒さや冷えを我慢することによる首や肩のコリ
✅ 睡眠中の歯ぎしり、無意識に歯を食いしばっている
これらが原因となり後頭部や首、肩の筋肉が過剰に緊張します。そのため血流が悪くなり、乳酸などの疲労物質が筋肉内に蓄積してしまい、周辺の神経が刺激されることで緊張型頭痛を発症することになります。
特に肩こりと運動不足は要注意です。肩甲骨を動かすような運動をしていないとか、無理な姿勢で普段使わない筋肉を使ったりする場合も緊張型頭痛を引き起こしてしまいます。
また精神的なストレスが原因となる場合もあります。生真面目な性格や几帳面、神経質な人が緊張型頭痛を発症しやすいという説もあります。
緊張型頭痛は身体的なストレスと精神的なストレスが複雑に関与して起こるのです。
神経質な人のチェックについてはこちらを見て参考にして下さい。
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夕方の頭痛の3つの症状に気をつけて
緊張型頭痛は肩こりや首のこり、眼精疲労、ストレスなどが原因で夕方に起こります。後頭部を中心にキリキリとした鈍痛が起こり、頭全体が重い感じになるのが特徴です。
しかしこれらの頭痛症状だけではなく、併発することのある症状が3つあります。それは「吐き気」「微熱」「めまい」の3症状です。その3つの症状は他の重篤な病気の前兆である可能性もあり注意が必要です。
まず「吐き気」ですが、吐き気がある場合は目や脳の病気を起こしている可能性があります。最悪の場合に失明してしまう可能性がある緑内障では頭痛と吐き気の症状が同時に起こります。
またくも膜下出血や脳内出血などの脳卒中や、脳腫瘍といった脳の病気でも頭痛と吐き気が起こります。吐き気を伴うような頭痛を起こすような場合は専門医を受診した方がいいでしょう。
次に「微熱」です。微熱を伴う場合は自律神経失調症を併発している可能性があります。特に休日なのに微熱を伴う頭痛が起こる人は要注意です。
また女性の更年期障害でも頭痛と微熱を起こすことがあります。ホルモンバランスが崩れるため自律神経失調症となることが原因です。微熱を併発する場合は自律神経失調症の可能性があるのです。
微熱についてくわしくはこちらも参考にして下さい。
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最後に「めまい」についてです。夕方の頭痛がひどくなるとふらつきや、フワフワとした感じのめまいを併発することがあります。しかし、めまい症状が長引くような場合は要注意です。
頭痛とめまいだけでなく手足のしびれや、痙攣などの症状があれば脳卒中の可能性もゼロではありません。いつもと違う症状があれば、専門医受診をする方が安心です。
夕方の頭痛を解消する4つの方法
夕方の頭痛、緊張型頭痛を解消するためには、原因となる首や肩のこりを改善することが根本的な解消法になります。
また場合によっては薬による治療も必要になるかもしれません。ここでは緊張型頭痛を解消するための4つの方法について解説します。
マッサージ、ストレッチ
前傾姿勢での作業など、首や肩に負担がかかり続けることが原因で緊張性頭痛を発症します。
首や肩周辺のマッサージやストレッチを行うことで、筋肉のこりを改善することが緊張性頭痛の改善につながります。またヨガや鍼治療なども効果がありそうです。
首や肩の血行改善
首や肩周辺の筋肉を温めることで血行を改善し、筋肉に蓄積された老廃物を排除します。
例えば濡れタオルを電子レンジで温めて、適温に冷ましたホットタオルを首や肩にかけてもいいでしょう。またゆっくり入浴(温浴)して身体を温めると血行改善に効果的です。
眼精疲労の解消方法についてはこちらを参考にして下さい。
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リラックス
ストレスは様々な身体の不調の原因となります。ストレスにより首や肩周辺の筋肉も硬くなり、緊張性頭痛を引き起こします。ストレスをためないようにするにはリラックスをすることが必要です。
好きな音楽や本などで気分転換を図ることや、十分な睡眠を積極的にとることが大切です。深呼吸をして自律神経を整えるのもいいでしょう。
薬による治療
最後は薬物治療についてです。根本的な治療にはなりませんが、頭痛薬などの内服は一時的には効果があります。
精神的なストレスが原因であれば抗うつ薬などの内服も場合によっては必要になるかもしれません。
首や肩のこりをほぐす目的に湿布剤は効果的と思われます。緊張性頭痛に有効な薬もあるので、病院を受診して医師からアドバイスを受けるのもいいでしょう。
予防法を知って夕方の頭痛を回避しよう
緊張型頭痛を発症した時の解消法について解説をしてきましたが、できることなら緊張型頭痛を起こさないに越したことはありません。
最後に緊張型頭痛はどうすれば予防できるのか、日常生活の中で行うことができる具体的な予防法について解説していきたいと思います。
姿勢を意識的に変える
デスクワークなどで目の前の仕事に集中してしまうと、長時間同じ姿勢のままになってしまうことがあります。
普段から正しい姿勢で仕事をすることは重要ですが、やはり20〜30分毎に作業する姿勢を変えるように意識した方がよいでしょう。
また両肩の上げ下げや、首を左右に倒すといった簡単な体操を行う習慣をつけることが、緊張型頭痛の予防につながります。
緊張状態を継続させない
同じ姿勢での作業やストレスのかかる仕事などで、緊張している状態が継続すると緊張性頭痛を引き起こします。身体的にも精神的にもこの緊張を緩和するよう心がけることが大切です。
具体的予防法としては、凝視していたPCやスマホのモニター画面から視線を外し目の疲れを予防することや、ストレッチをしたり、椅子から立ち上がって軽い運動をするなどが挙げられます。
また温かいもの飲食して休息することも緊張を和らげるのに効果的です。
深呼吸
仕事中は交感神経が優位となり緊張が高まります。この交感神経の高まりを解消するために深呼吸をしてみてください。
深呼吸には自律神経のバランスを整える作用があります。仕事や作業の合間に深呼吸をすることを習慣にしてもいいでしょう。
枕の高さの調整
枕の高さも緊張性頭痛を引き起こす原因になります。高すぎる枕や柔らかすぎる枕などを使用すると首に負担がかかり、寝ている間に首や肩周辺の筋肉の緊張につながってしまいます。
睡眠は十分なはずなのに首や肩のこりがひどい人は、一度ご自身の枕の高さを見直す必要があります。自分に合った枕を使用するように心がけましょう。
その他の質の高い睡眠のための条件についてはこちらを参考にして下さい。
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代謝機能をあげる
最後に緊張性頭痛の予防法として体の代謝機能をあげることをお勧めします。運動による筋力アップを図ることで体の代謝機能が上がり、それにより血行が改善します。
血行が良くなることは首や肩のこりの改善につながります。また筋力がつくと体にかかる負担も軽減し、健康増進にもつながります。
緊張性頭痛を予防できるだけでなく、より健康的で幸せな生活を送ることにつながるでしょう。
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