咳をすると頭が痛い!【原因から対処法を確認しよう】
<監修医師 ドクターTST>
咳をすると頭が痛くなる場合はどのようなケースが考えられるのか、またその対処法と共に紹介します。
咳をすると頭が痛い7つの原因と対処法
咳をすると頭が痛くなることは、日常的に多々あることです。
通常はそれほど重大な病気は考えられませんが、場合によっては命の危険がある場合があります。
良性咳嗽性頭痛(りょうせいがんそうせいずつう)
(原因)
咳によって頭蓋骨内(ずがいこつない 脳内のことです)の圧力が上がり、脳の血管が圧迫されガンガンするような頭痛が引き起こされます。
咳によって頭の両側が痛くなります。
40歳前後の男性に多いと言われており基本的には一過性の痛みです。
(対処法)
一時的ではなく頭痛が持続し、長時間続くようでしたら病院にかかるべきです。
一時的な頭痛ですと、一般医薬品の鎮痛剤で様子を見ます。
片頭痛など
(原因)
頭蓋内の血管が圧迫を受け頭痛が生じますが、脳出血などの構造的原 因ではなく機能異常による頭痛です。
<片頭痛>
一過性の頭痛で特徴としては頭部片側に現れます。
気持が悪くなったり嘔吐したり、光に過敏になったりします。一般的に女性に多く見られます。
<緊張型頭痛>
ストレスや不安等様々な原因で発症し、後頭部の痛みが現れ首のこり、張り、肩こりなどを伴います。
<群発頭痛>
片側の眼窩部(がんかぶ 目の奥)や側頭部に痛みが出て同時に涙や鼻汁等が出ますが、比較的まれな頭痛です。
(対処法)
どのタイプの頭痛に対しても、最近では有効な薬剤が処方されますので、内服や注射によって症状の改善を図ります。
風邪(感冒)など
(原因)
風邪は身体疲労やストレス、睡眠不足が原因で、発熱による微熱や悪寒を伴い、咳がでて頭痛がします。
(対処法)
しっかりと睡眠をとり、栄養を十分とります。
疲労を残さないよう注意する必要がありますので休養も必要です。症状によっては病院などの医療機関を受診して下さい。
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上気道炎など
(原因)
ウィルスやインフルエンザなどの細菌が原因の感染症で扁桃炎など上気道感染症ともよばれています。
また、副鼻腔炎や急性気管支炎を併発していることが多いです。
花粉症によっても副鼻腔炎をおこし、くしゃみや頭痛を起こす時があります。いずれも咳とともに鼻腔の閉塞により酸欠をおこし頭痛が発症します。
(対処法)
細菌感染が原因の時は、抗生物質等を処方してもらいます。
鼻の症状には、アレルギーの場合抗アレルギー剤も併用します。
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肺炎など
(原因)
肺炎はその原因によって様々な分類がされます。
<細菌性肺炎>
一般的な細菌による肺炎
<病原微生物による非定型肺炎>
マイコプラズマ肺炎、肺炎クラミジア、レジオネラ肺炎等
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誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん 老人に多い)や気管支炎他
(対処法)
肺炎の場合、高熱が続き咳も出ますので、X線検査などを行い、病名の特定により使用される薬剤が決まります。
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脳腫瘍など
(原因)
脳腫瘍の原因は頭蓋内に腫瘍ができる病気ですが詳しい原因は分かっていません。
咳とともに頭痛や吐き気や嘔吐、手足のまひ、言葉がうまく出ないなどがあればすぐに病院にかかる必要があります。
(対処法)
専門の脳外科を受診しなければなりません。
頭部CTやMRI、PETなどの画像診断を行い、脳腫瘍と診断されれば化学療法や放射線治療、免疫療法なども行われます。
脳血管障害など
(原因)
咳が原因で頭痛がするケースで、脳内の血管が詰まったり破れたり、血液の供給が障害される事によって激しい頭痛、麻痺などが特徴で生命に危機を及ぼします。
脳出血、クモ膜下出血、硬膜下出血、脳梗塞などがあります。
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(対処法)
頭痛や神経症状がでたら、出来るだけ早く専門の脳外科を受診し、頭部CTやMRI、PETなどの画像診断、脳の血管を造影するなどの検査をします。
緊急を要する対処が必要ですので早ければ早いほど後遺症は残りにくくなります。
病院は何科を受診すべきか、どのような処置をされるか
では、咳が出た時に頭痛がする場合、何科を受診すればいいか、そしてどのような処置をされるのかを説明します。
良性咳嗽性頭痛(りょうせいがんそうせいずつう)の場合
一般的に一時的な頭痛ですので、すぐに病院へ行く必要はないですが、長引くときは内科等の病院を受診します。
処置としては、鎮痛剤や頭痛の専門薬を服用します。
片頭痛等の場合
内科や脳外科等を受診します。
頭痛の予兆やどのような痛みか医師に説明し、片頭痛等を抑える薬剤を使っての治療となります。
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風邪(感冒)などの場合
基本的には内科ですが、自宅での療養で治癒するケースもあり咳や頭痛の程度によります。
長引いたり痛みが激しい等の場合は我慢せずに早めに受診し薬による症状の改善を図ります。
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呼吸器感染症の場合
この場合も内科や呼吸器科を受診して下さい。
副鼻腔炎などを起しているようですと耳鼻科を受診し、対処的な処置を施してもらいます。
基本的には薬によって症状の改善を図ります。
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肺炎などの場合
内科等を受診しますが、ウィルスや細菌の検査が必要な場合、検査の充実している病院などを受診する方が良い場合もあります。
肺炎には抗生物質の投与がされます。内服剤で効果が悪い場合は抗生物質の注射や点滴で対処します。程度によっては入院が必要な事があります。
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脳腫瘍などの場合
専門の脳外科を受診します。
画像検査や手術等が必要な場合入院が必要となりますので入院設備のある医療機関が良いです。
良性、悪性に関わらず腫瘍は手術によって摘出します。その後放射線治療、化学療法、免疫療法などを受けます。
脳血管障害などの場合
この場合も頭痛などの症状がでましたら出来るだけ早く脳外科や専門の病院を受診することが急務です。早く受診し適切な処置や手術が必要です。
抗脳血栓療法(脳内に血の塊ができないようにする治療)、脳保護療法(専用の薬剤を点滴します)などが行われます。
単に咳をしたときに頭痛がする、一見何でもないようですがその奥に隠されている病状は危険な場合があり、迅速かつ適切な処置が必要な場合があります。
普段から、頭痛などの症状の出方や程度を良く把握しておき、いつもと違うようですと迷わず医療機関を受診することが肝要です。
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