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冷や汗や吐き気がする原因【10の病気を徹底解説!】

<監修医師 豊田早苗>
頭痛

緊張や興奮で手のひらが湿るような冷や汗をかいたり、トイレを我慢しているときなんかにも脂汗みたいな嫌な汗をかくことがありますよね。また、吐き気も身近な症状で、お腹にくる風邪や二日酔いでもよくみられる症状です。

 

今回は、冷や汗や吐き気の原因について解説していきます。冷や汗の出る意外な原因や、吐き気との関連性、気をつけたい病気を解説していきます。

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冷や汗がでる原因

 

誰にでも起こる生理的な汗①温熱性発汗

ヒトは体温調節のために汗をかきます。運動したときや暑いときに、体内にこもった熱を逃がすことができないとたちまち熱中症になってしまいます。そこで皮膚の汗腺から汗を放出すことで体温調節をするのです

 

これを温熱性発汗といいます。ちなみに汗腺を持つのはほ乳類だけで、ヒトがもっとも汗腺が発達しています。これはヒトが体温調節を発汗に大きく頼っていることを意味します。

細かな呼吸や舌を出すことで熱を逃がすことができる犬や猫は肉球にしか汗腺を持っていないんです。

 

誰にでも起こる生理的な汗②精神性発汗

ヒトは暑くないときにも汗をかくことがあります。それは、極度の緊張やストレス・不安にさらされたとき、手のひらや足の裏など局所的な発汗の仕方をする精神性発汗というものです

 

発汗は自律神経がコントロールしており、意識的に発汗を止めるはできません。自律神経のうちの交感神経は「戦いの神経」ともいわれており、この交感神経が活発になることで脈が速くなったり顔が紅潮する反応と一緒に発汗します。

 

精神性発汗は霊長類の名残といわれており、狩りや逃走の際に緊張で手のひらや足の裏を湿らせることで、木の枝や物を掴むときに滑らないように汗をかくようになったという説があります。

 

誰にでも起こる生理的な汗③味覚性発汗

辛い料理など、刺激物を口にしたときに額にどっと汗が吹き出るのは味覚性発汗といわれています。これは、味覚神経が辛味の刺激を受けたときに、発汗神経が一緒に反応するため、汗が出るのではないかと考えられています

 

冷や汗は病気のサイン!?

特に理由もなく、なんでもないときに急にじわっと出る汗を冷や汗といいます。冷や汗は精神性発汗とも似ていますが、なんらかの身体的なショックを受けた瞬間に交感神経血管がきゅっと収縮し、その刺激で汗腺から汗が滲み出るために起こります

身体的なショックとは、何かの異変・病気が潜んでいる場合がありますので要注意です。

 

熱中症の初期症状

強い日差しや脱水により熱中症にかかると、身体は体温を下げるために血管を拡張させて熱を放散させようとします。その結果、血圧や脳の血流量が一気に下がり、冷や汗やめまいを伴う熱失神を起こすことがあるのです。

 

熱失神は熱中症の初期症状です。自覚症状がなくても気分の悪さや冷や汗がみられたときは要注意です。

その他の熱中症の症状についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
熱中症と眠気の関係とは【だるさなど症状について詳しく解説!】

 

熱中症予防にはバランスのとれた水分と塩分補給が第一です。また、熱中症はスポーツ後や紫外線を浴びて疲労したときに体内に増える活性酸素によって起こりやすくなると言われているので、活性酸素を除去できる水素水の補給も良いそうです。

 

低血糖症状

体内の血糖値が下がったとき、血糖値を上げようと交感神経が活発になって冷や汗が出ることがあります。冷や汗の他には、顔面蒼白、手の震え、動悸、空腹感、生あくびなどの症状がみられます。

 

血糖値は食事によって変動しますが、何らかの原因でコントロールできなくなると血糖値が一気に下がることがあります。空腹時や食後4〜5時間後に症状が現れ始め、低血糖の状態が続くと、頭痛や意識障害、けいれん発作、ひどいときには昏睡状態や死に至ることもあります。

低血糖症状が出た場合は、糖分補給をすることが第一です。また、血糖値を急上昇させない食習慣が大切です

 

自律神経失調症

自律神経は無意識下でコントロールされていますが、生活リズムの乱れ、過度なストレス、更年期障害などホルモンバランスの崩れなどの原因で乱れることがあります

 

乱れた自律神経はそう簡単には元に戻らず、冷や汗の他に、頭痛、疲れ目、耳鳴り、めまい、イライラ感、なんとなくだるい等の不定愁訴が続くことになります。

 

休息やリラックスを心がけ、心身のリズムを整えていくことや、食事面からホルモンバランスを整える栄養素を摂取することも大事です。

自律神経失調症についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
自律神経失調症の症状チェック!5つの原因も解説!

 

甲状腺機能亢進症

甲状腺でつくられる甲状腺ホルモンは、交感神経を刺激して全身の新陳代謝を促進する働きがあります。その症状は自律神経失調症や緊張状態に似ており、冷や汗、動悸、頻脈、攻撃的、暑がり、下痢、体重減少などの症状がよくみられます。

甲状腺専門の医療機関で早めに治療することが重要です

 

パニック障害

パニック障害は、不安やカフェインなど刺激物の摂取がきっかけで、冷や汗、頻脈、呼吸困難などが突然起こるものです。原因は脳の機能障害によって自律神経が乱れるためと考えられています。

 

抗不安薬や抗うつ薬などで治療することができるため、心療内科や精神科を受診するようにしましょう

 

吐き気がする原因

 

原因のある吐き気は心配ない

風邪などの体調不良時に、吐き気を感じた経験のある人はたくさんいると思います。この他、暴飲暴食による胃への過度な負担で気持ちが悪くなった人、飲酒後のアセトアルデヒドという物質の作用によって二日酔いになる人もいるでしょう。

 

また、乗り物酔いは平衡感覚の混乱による自律神経のバランスの崩れが原因ですが、同乗した電車やバスで乗り物酔いの人が嘔吐したのを見て、吐き気をもらってしまう経験ってありませんか?このように心理的な吐き気も、よくみられる症状です。

 

これらの吐き気は、妊娠中のつわり等も含めて原因がはっきりしており、特に心配はありません

しかし、吐き気と同時に他の症状を伴う場合は、命に関わるような病気が隠れている可能性があるため、症状を総合的に見ながら対処方法を考えなくてはいけません。

 

ウイルス性急性胃腸炎

急な吐き気は、ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスが原因かもしれません。吐き気の他に下痢、発熱、悪心、嘔吐、頭痛、悪寒、筋肉痛などの症状がみられます。

 

秋から冬の乾燥した時期に流行する傾向にあり、感染者の便や嘔吐物から感染します。非常に感染力の強いウイルスなので注意が必要です

 

肝臓異常

肝臓に異常がある場合も急な吐き気がみられることがあります。吐き気の他には、食欲不振、胃もたれ、倦怠感、濃縮尿、黄疸、皮膚の黒ずみ、手のひらの赤みなどの症状も肝臓異常の症状とされています。

 

肝臓病は、急性のものか、かなり進行したケースでないと自覚症状が出にくく見過ごされやすいため注意が必要です

 

急性膵炎

背中や下腹部の激痛とともに、嘔吐、激しい吐き気などの症状は急性膵炎の可能性があります。急性膵炎は、徐々に発熱や立ちくらみ、失神、意識障害という症状も出ますので注意が必要です

アルコールの飲み過ぎや胆石が主な原因とされています。

 

腸閉塞や幽門狭窄症

腸管の通過が何らかの原因により障害された状態を腸閉塞といいます。赤ちゃんによくみられる幽門狭窄症が原因で併発することもあります。吐き気、嘔吐、お腹の腫れ、腹痛が主な症状です。

 

メニエール病

メニエール病は、内耳の膨張により耳鳴り、難聴などの聴覚障害や、回転性のめまい症状を起こす病気です。吐き気や嘔吐を伴うことが多いとされます。

くわしくはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
メニエール病の初期症状をチェック!【完治しないの?】

 

ストレスや疲労

過度なストレスや疲労によって、精神的に不安定、不眠などが引き起こされ、吐き気、便秘、下痢、腹痛、めまい、肩こり、頭痛、倦怠感などの症状が現れることがあります。

吐き気を訴える人は食欲不振の症状もみられる場合が多いようです。

 

目の病気

急性緑内障や眼精疲労が原因で吐き気や嘔吐、激しい頭痛、目のかすみなどの症状が現れることがあります。緑内障の場合は眼圧が急に上昇し失明の恐れがありますので要注意です

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冷や汗や吐き気が同時に発症!10の病気に要注意

 

過敏性腸症候群

吐き気、冷や汗、めまい、腹痛に下痢の症状を伴い、排便を済ませると症状が回復する場合は、過敏性腸症候群が疑われます。この症状は迷走神経反射といい、自律神経の異常が原因で起こります。

 

迷走神経反射は、恐怖や嫌悪、緊張、ショックや痛みが引き金となって、交感神経が異常に興奮して起こる過剰反射です。

交感神経の作用により血管が一気に収縮し、血圧がぐんと上がると、それを察知した迷走神経が副交感神経の作用で血圧を急降下させてしまいます。この反応により失神してしまう人もいます

 

過敏性腸症候群は性格的に感受性が強く、緊張しやすいタイプの人がなりやすいといわれています。症状を引き起こす原因はそれぞれですが、自律神経が原因の症状です。症状がひどい場合は、医師に相談しましょう。

 

心筋梗塞

心筋梗塞とは、心臓の血管が詰まったりポンプ機能に異常がみられることで、心臓に十分な血液が送られず心筋が壊死してしまう虚血性心疾患の一つです。

激しい胸痛とともに吐き気、嘔吐、冷や汗、めまいなどの症状がみられます。

心筋梗塞の前兆についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
心筋梗塞の前兆は意外なアレ!4つの予防法!

 

メニエール病

吐き気を引き起こす内耳の病気として先に述べましたが、このメニエール病は自律神経症状も伴うとされており、冷や汗や頻脈、顔面蒼白、悪心などもみられます

 

ぎっくり腰

ぎっくり腰とは、急性腰痛症と呼ばれるもので、ふとした瞬間や急な動作で腰部の筋肉が損傷し、捻挫を起こしてしまう症状です。そのあまりの激痛に、ショックを起こし貧血症状や冷や汗、吐き気を訴える人もいるようです

 

この場合は、痛みの完治によって自然と症状が良くなるので心配はありません。安静にし、患部を冷やしたり鎮静剤で痛みを軽減する等して様子をみましょう。

 

その他、激しい腹痛を伴う病気

ぎっくり腰のように、激痛を伴う病気では冷や汗と吐き気が同時に症状として現れることがあります。例えば、激しい腹痛を伴う慢性便秘症、胆石、尿路結石、虫垂炎、腸閉塞、子宮内膜症などです。

これらは命に関わる病気や直ちに受診する必要のある病気も多いため注意が必要です

 

今回は、冷や汗と吐き気の原因についてまとめました。どちらの症状も自律神経が大きく関わっており、単独で現れる症状というよりは、主疾患に伴う激痛や精神的なストレスが引き金となって現れる場合が多いようでした。ご紹介した病気や症状の種類も多く、今回は少し難しかったですね。

 

日常生活の中でよく経験する冷や汗や吐き気などの症状。いつもは軽視していたものでも、継続してみられる場合は要注意ですよ。

もしかすると治療が必要な病気や、さらには命に関わる重篤な病気かもしれません。その他の症状にも注意しながら早めに病院を受診しましょう。

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