加味逍遥散の12の副作用に驚愕!【太るしむくみやすくなる?】
<監修薬剤師 SKFC>
「加味逍遥散」という漢方をご存知ですか?主に女性に利用される漢方薬です。今回はこの「加味逍遥散」で起こる副作用について解説いたします。
加味逍遥散(かみしょうようさん)の効果効能
初めに、この漢方のもつ効果や効能を解説します。
女性に多く利用されている加味逍遥散(かみしょうようさん)いったいどのような効果があるのでしょうか?
不定愁訴(ふていしゅうそ)
「不定愁訴」という症状をごぞんじでしょうか?一般的には次のような症状がある場合に指す場合をいいます。
✅ なんとなく体調が悪い
✅ なんとなく頭が重い
✅ なんとなく疲れがとれない
このようにいくつかの身体的な症状があるにも関わらず、様々な検査をしてもはっきりとした原因がわからない時に「不定愁訴」と診断されます。
更年期障害(こうねんきしょうがい)
女性特有の症状です。だいたい閉経を挟み前後10年間くらいの間に表れる症状です。これは女性ホルモンである「エストロゲン」の減少に関係しています。
エストロゲンの効能についてはこちらを参考にして下さい。
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更年期障害では以下の症状がみられます。
【身体的症状】
✅ 倦怠感 ✅ のぼせ・ほてる(ホットフラッシュ) ✅ 多汗 ✅ 手足のしびれ・冷え ✅ たちくらみ・耳鳴り ✅ 動悸 ✅ 肩こり・めまい ✅ 頻尿 |
【心の症状】
✅ 不安感
✅ イライラ
✅ 不眠
この様な「不定愁訴」の症状・「更年期障害」の症状に加味逍遥散の効果が期待できます。
加味逍遥散の成分
では、この「加味逍遥散」にはどんな※生薬がふくまれているのでしょうか。
※生薬とは天然に存在する薬効を持つ産物をいい、漢方薬はこの生薬を原料として作られています。
柴胡(さいこ)
セリ科のミシマサイコの根を乾燥させたものでサポニンを多く含む。消炎・解熱・解毒などに作用があります。
芍薬(しゃくやく)
ボタン科ボタン属の多年草である芍薬の根を乾燥させたもの。
ペオニフロリンが有効成分となり筋肉の緊張を緩和させたり、血管の働きを活発する効果があります。これにより、冷え性・貧血・生理不順等の女性に多い症状に効果があります。
蒼朮(そうじゅつ)
キク科のホソバオケラの根を乾燥させたもの。利尿作用・鎮痛作用・抗炎症・不眠症・肩こり等に作用があります。
当帰(とうき)
セリ科のトウキの根を乾燥させたもの。古来より女性特有の病に効果があると言われています。血行改善・月経不順・生理痛などの症状に作用し、更に子宮内膜症や更年期障害の緩和にも利用される生薬です。
茯苓(ぶくりょう)
サルノコシカケ科マツホドの※菌核を乾燥させたもの。松の根に寄生するキノコの種。胃炎・利尿・下痢・鎮痛・鎮静に作用します。
※菌核とは植物の組織内や土壌中に菌糸が集まりできた硬い菌の塊。植物の「根」とは違う
山梔子(さんしし)
アカネ科梔子(くちなし)の完熟果実を乾燥させたもの。消炎・精神安定・不眠症・神経症等に作用があります。
牡丹皮(ぼたんぴ)
ボタン科のボタンの根皮を乾燥させたもの。血行障害・更年期の神経症・月経不順・鎮痛・鎮静に作用があります。
甘草(かんぞう)
豆科の多年草である甘草の年を乾燥させたもの。 そのまま煮出すとかなり甘く、砂糖の50~60倍の甘味を感じます。
また、食品添加物としても認められています。鎮痛・鎮痙(痙攣を抑える)・解毒・食欲不振・下痢・腹痛等に作用します。
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生姜(しょうきょう)
生姜(しょうが)の根を乾燥させたもの。発散作用・胃腸機能低下予防・冷え防止などに作用します。
薄荷(はっか)
シソ科ハッカ属で皆さんもよくご存じの「ミント」」の事です。頭痛・めまい・消化不良・更年期障害・生理痛等に作用します。
これらの生薬をみると「女性特有」の症状に作用するものが多く含まれていますね。
加味逍遥散の副作用
普段、私たちが服用する薬には副作用が認めらる事があります。では漢方薬はどうなのでしょうか。よく「漢方薬は副作用なんてないから大丈夫でしょ」という話を聞きます。
いいえ漢方薬にも多少ではありますが副作用をもたらす事もあるのです。
主な副作用
✅ 発疹
✅ かゆみ
✅ 食欲不振
✅ 胃部不快感
✅ 吐気
✅ 嘔吐
✅ 腹痛
✅ 下痢
これらの症状に気付いた場合、担当医(漢方を処方した医師)・薬剤師にご相談下さい。
稀にみる重篤な副作用
✅ 排尿が減り、顔や手足がむくむ・体重増加がみられる。
これは甘草に含まれるグリチルリチンが蓄積し偽アルドステロン症を引き起こす可能性があります。
✅ 手がこわばる。 低カリウム血症の症状として手足の筋肉の痙攣などを引き起こす※ミオパチーの症状が表れます。 ※ミオパチーとは一般的に筋肉疾患の総称をいいます。筋委縮性測位硬化症や筋ジストロフィーもミオパチーの中で最も重篤な難病です。 |
これらの症状は生薬に含まれる成分からの副作用となります。
✅ 肝機能障害として
発熱、かゆみ、※黄疸、褐色尿、全身の倦怠感、食欲不振
※黄疸とは皮膚や目が黄色くなる症状
黄疸についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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黄疸の症状を新生児と大人で分けて解説【末期がんとも関係してるの?】
✅ 腸間膜静脈硬化症(ちょうかんまくじょうみゃくこうかしょう)
腹痛、便秘、下痢、膨満感を繰り返す症状
いずれにしても、いつもと違う症状に気付いた時等は服用を中止し担当医(処方した医師)や薬剤師に相談しましょう。
まとめ
漢方薬は比較的西洋薬に比べ「副作用」が少ないと言われていますが、それは間違った見方です。自然由来の材料を使用していても薬です。多少の副作用も出ることがあります。
もちろん、薬の種類によって症状に違いがあります。漢方薬も西洋薬と同じように処方をしてもらう際に不安な事があれば必ず医師に相談しましょう。
そして服薬した際にいつもと違うと感じたり、明らかに変わった症状が出てきたときには直ぐに服用を中止し担当医(処方した医師)や薬剤師に相談してください。
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