怠け病の症状チェック!うつ病との違いはコレ!
<監修医師 WASHIO>
「やらなければならない事があるのに取り掛かれない。」
「いつも疲れているような顔」「倦怠感(けんたいかん)」
このような症状はうつ病の症状に当てはまるものです。
しかしながら、このように症状だけを見ると、病気だと知らない方には「ただ怠けているだけではないの?」と思ってしまう方も少なくはありません。
怠けて見える人のことを「怠け病」と揶揄することはありますが、もちろんこれは病気ではなくそう見える状態を指します。
だからといって何もかもの原因を「怠け」とは断定できません。
怠けて見える人の背景には、様々な病気が隠れている可能性もあります。
まずは、怠け病とうつ病の違いは何なのか解説します。
怠け病の症状チェック
怠け病の症状は大きく二つ考えられます。
✅ とにかく頑張りたくない。(頑張れば出来る事なのにも関わらず。)
✅嫌いな事はやらない。(嫌いでもやれば出来る。)
この二つが挙げられます。出来るはずなのに最初から全くやらない。
嫌な事はやらないけど、好きな事はとことん出来るなどといった行動をするのが特徴です。
では、怠け病と言われるうつ病とはどのような違いがあるのでしょうか?
怠け病とうつ病の違い
怠け病とうつ病の大きな違いは、
「怠け病=やりたくない事、嫌いな事はやらない。」
「うつ病=やらなければならないことがあるのに出来ない。嫌いな事でもチャレンジしたいはずなのに出来ない。」
つまり、怠け病は「自分の意思」が含まれているので、「苦しみや痛み」というのはほとんど感じないのです。
うつ病はそれとは逆に「自分の意思とは反して」いるので、「苦しみや痛み、悲しみ、絶望感」などに苛まれてしまうのです。
ここでうつ病の大きな症状を何点かお話しすると
1. やらなければならないことがあるのに、身体が動かない。2. 寝つきが悪く、目が冴える。
3. 食欲が落ちる。 4. 興味があったことが楽しくなくなる。 5. 死にたくなる。 6. 人に会う、外出が億劫になる。 |
やりたい気持ちがあるにも関わらず、身体や心が反して物事が出来ないのがうつ病です。
心のエネルギー切れてしまって、行動に移せないのです。
うつ病の症状が出ている時は周りから見ると、「何にもやってないじゃない!何かやらなきゃでしょ!」など、
まさに怠け病に思われがちですが、元々うつ病を発症する前はそのやるべき「何か」に積極的に真面目に取り組む人間だったはずなのです。
その真面目さが時にうつ病を引き起こす原因にもなっているのです。
うつ病を発症する人の特徴として真面目で責任感のある人、やるべきことをきっちりこなし、神経質な完璧主義の人が挙げられます。
うつ病を治療するには、根気強く薬物治療やカウンセリングなど心療内科や精神科での診察を受けて、自分に合った治療法を見つける事が重要です。
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慢性疲労症候群(まんせいひろうしょうこうぐん)の可能性
また、怠け病と間違われやすい病気に「慢性疲労症候群(まんせいひろうしょうこうぐん)」という病気があります。
この病気は読んで字のごとく「常に慢性的に疲れを感じる」病気です。
この病気の方は一日の大半を寝たり、休んだりする事がほとんどで常に倦怠感(けんたいかん)、
微熱、頭痛、不眠などの症状が頻繁に見られます。
一見、うつ病と同じような症状も見受けられますが、この病気は特にひどい疲労感を感じ、日常生活にも支障をきたすような病気です。
原因は不明ですが、検査をしても特に何か炎症の数値が出る訳でもないので、ただ怠けているだけと勘違いされることもしばしばです。
その病気の患者からすると何かをやりたくても身体が動かないというのが現状なのです。
治療法としてはうつ病のような薬物治療が有効的だと言われていますが、
はっきりとした原因が分からない為、これといった治療法が確立してないのも現状です。
一見似たような症状でも、良く見ると怠け病との違いが分かります。
では、出来るはずの怠け病をどう治していけばよいのでしょうか?
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怠け病の治し方
怠け病の人で時に「うつ病みたい」などと言い、うつ病を盾にして「自分は怠け病ではなく、うつ病という病気なんだ」
ということを言ってくる人もいます。
これは心にある自分に対する甘えが出ている証拠でり、うつ病だと自分を思い込ませることで、安心感を得たいのではないかと考えられます。
怠け病に効く薬はありません。考えられる対策としては
自分のやるべきことに期限を設ける
この作業は何時までに終わらせようなど期限を決めることで、物事を先延ばしにしないようにする。
出来ない事ばかりを考えない
何かに取り掛かる際にやってみて、「出来なかったら嫌だし」と最初から出来ない事を想像するのではなく、で「こんな風に出来たらいいな」と思う事。
出来なくても、「ここまで」出来たからいいやと認めることで、自分のモチベーションを高める事が重要です。
最初から高いハードルを設けるのではなく、出来る身近な目標を立ててから行動する事です。
出来なかった時に「もうやりたくない!」という気持ちになってしまうと、また怠け病に戻ってしまうことがありますので要注意です。
そしてうつ病の場合であれば、「頑張って!」という言葉は逆効果になり、
うつ病の人を頑張らせてしまう事は症状の悪化に繋がるのですが、
怠け病の人には励ましの言葉を言っても大丈夫なので、「頑張って!」という言葉を掛けて、励ましても良いのです。
見分けが難しいかもしれませんが、上記のうつ病との違いをチェックし、
怠け病という事が、明らかになっているようであれば、周りの励ましも効果があるかもしれません。
「怠け病」は病気ではなく、本人の意志の在り方や周囲の関わり方で改善することができるのです。
怠け病とうつ病の違いは、自分の意思が含まれているかどうかも鍵になってきます。
怠け病の人はやれるはずのことをやらないのですから、ある意味待っている能力を発揮すれば、輝けるはずの人かもしれないのです。
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それは勿体ないですよね。
普段の見分けは難しいかもしれませんが、その人に合った接し方をする事が重要です。
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