毛虫に刺されたら!3つの症状や塗り薬をチェック!
<監修医師 WASHIO>
桜の花が散って葉桜になる頃から夏にかけて、毛虫がたくさん出てきます。ハイキングや散歩のときに毛虫に刺されることもあります。
毛虫の被害にあわないようにどんな種類の毛虫に気を付けるのか、その生態を含め、毛虫に刺された時の症状や対処の仕方(塗り薬など)についてご紹介します。
毛虫とは
蝶や蛾の幼虫のうち、毛が生えていたり、棘をもっているものを毛虫といいます。毛がないものをイモムシといいます。
一般に人を刺すのは毛虫ですが毛虫の中でも人に害を与えるものは2%程度しかいません。
人に害をなす毛虫の種類
その中でも特に毒性が強い種類についてご紹介しましょう。
ドクガ
ドクガはオレンジと黒の体に600万本もの長い毛を有した体長25mm~40mmの幼虫です。
広葉樹(ウメ、サクラ、柿など)の葉を好んで食べるため、街路樹の下やガーデニングをやっているときに被害にあうことがあります。5~6月の被害がもっとも多くなります。
同じ仲間で山茶花や椿などに発生するチャドクガがいますが、こちらは幼虫だけでなく卵、サナギ、脱皮殻、成虫の全てに毒針毛(どくしんもう)があるため刺されます。
イラガ
黄緑色の体に褐色の縞模様が入った太く短い体系をしています。毛虫というよりもイモムシに似ていてところどころに棘が生えています。
庭木として植えられるウメ、アンズ、柿、カエデ類をはじめサクラ、ケヤキ、栗などいろいろな樹木の葉を食べます。幼虫は7~10月ごろによく見かけます。毒があるのは幼虫のみです。
白と褐色の縞模様の入った卵が木の枝についていることがありますが、これはイラガの繭です。見かけたら除去するようにしましょう。
イラガの仲間の幼虫はどれも人を刺しますので注意が必要です。
マツカレハ
マツケムシともいわれる通りアカマツ、クロマツなどの松の木に発生します。銀色の体に黒い毛が生え、体調は70mmを超える大型の毛虫です。
4~6月、8~10月に被害が目立ちます。幼虫は越冬をしますので木の幹にこも(わらなどを編んだもの)や新聞紙などを巻き、集まった幼虫を早春に焼却するようにします。
ウメスカシクロバ
ウメ、モモ、サクラを好みます。頭部は黒褐色、全身は黒っぽく腹部は紅紫色で白い毒毛があります。体長は20mmほどで5~6月ごろに発生します。
人体に影響を及ばす虫の種類についてはこちらも参考にして下さい。
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毛虫に刺された時の症状
痛み | かゆみ | 症状 | 時期 | 期間 | 備考 | |
ドクガ | ピリピリ | 激しいかゆみ | じんましんのような発疹 | 5~6月 | 2~3週間 | 刺されて数分~数時間後に発症 |
イラガ | 電撃的な痛み | 赤くなりブツブツ | 初夏~冬 | |||
マツカレハ | 激痛だがドクガより弱い | しつこいかゆみ | 発赤、ブツブツ→じんましん状 | 春~初秋 | 2~3週間 | |
ウメスカシクロバ | 数時間後に消える | 1~2週間続く | 赤く腫れる | 春 |
毛虫皮膚炎
毛虫の毒により痛みやかゆみなどの症状が現れることを言います。毛虫の毒は針の形をしたものと棘の形をしたものがあります。
ひどい時にはアナフィラキシーショックを起こす場合もあります。
その違いは以下の通りです。
痛み | かゆみ | 赤いぶつぶつ | 毛虫の種類 | |
毒針毛型 | 毛が触った場所に痛み | 強い | 多い | ドクガ類、カレハガ類 |
毒棘型 | 棘が刺さった場所に強い痛み | 毒針毛 | 毒針毛 | イラガ類 |
毒針毛型の場合、毛虫に触っていなくても空中に飛んでいる毛に触っても皮膚炎を起こすことがあります。
毛虫に触ったり、生息していそうな場所に近づいたことがなくても上記のような症状が出た時には疑ってみましょう。
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刺された時の対処法
こすらない
毛虫に刺されると慌てて患部をこすったりしますが、絶対こすらないでください。擦ると毒針毛や毒棘が皮膚に深く刺さり症状がひどくなります。
ガムテープ
ガムテープやセロテープを使って患部に刺さった毒針毛や毒棘を取り除きます。はがす時はゆっくりはがすようにしましょう。
流水で洗い流す
患部をしっかり洗い、刺さっていない毒針毛や毒棘を洗い流します。間違ってもこすり洗いをしてはいけません。
冷やす
保冷剤や氷を使って患部を冷やします。体内に入った毒が身体に回るのを遅くしたり炎症を抑える効果があります。
ここまでは応急処置です。
市販薬を塗布する
抗ヒスタミン薬、ステロイド薬が有効です。詳細は後述します。
皮膚科を受診する
なかなか治らないときはもちろんですが、自宅で応急処置した後も念のため専門医に診てもらった方が安心です。
洗濯する
着用していた衣服・帽子等に毒針毛や毒棘がついている場合があります。50度程度のお湯で洗濯をしましょう。毛虫の毒は50度以上の熱で無毒化されます。
アイロンを使うのも一つの手です。
塗り薬の選び方
市販薬で効果のある塗り薬
前述の通り、抗ヒスタミン、ステロイド薬が入ったものが有効です。
製品名 | 成分 | 効果 | 特徴 |
ムヒアルファEX | プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、
ジフェンヒドラミン塩酸塩、イソプロピルメチルフェノール等 |
抗炎症、抗かゆみ、殺菌作用 | 虫刺されに特化したもの |
ベトネベート軟膏 | ベタメタゾン吉草酸エステル、フラジオマイシン硫酸塩 | 抗炎症、抗菌 | かゆみから引っ掻てしまっても抗生剤が入っているため有効 |
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皮膚科で処方される薬
基本的には抗ヒスタミン、ステロイドの入った塗り薬を処方されます。広範囲に広がっている場合はステロイド薬の内服薬を投与される場合もあります。
リンデロン薬:炎症、かゆみ、痛みを和らげます。
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かゆみ止めに重曹が有効
手元に塗り薬がない時のかゆみ止めに重曹が有効です。食用の重曹を小さじ1、水を80cc~100ccをスプレーできる容器に入れて混ぜます。
刺されたところにスプレーすると痒みや腫れが治まります。3日~1週間で使い切るようにしましょう。
水分を少なくしてペースト状にし、ハッカ油等を混ぜて使うのもおすすめです。虫刺されにも効きますので試してみてはいかがでしょうか。
しかし、これはあくまでもかゆみ止めであり、治療ではないことをお忘れなく。
毛虫に刺された時の対応についてご紹介しました。
なによりも応急処置をきちんとすることが第一です。お子さんの場合は知らずに症状を悪化させる場合がありますので親御さんは十分気を付けてあげてくださいね。
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