氷酢酸と酢酸の違い3分で解説!【危険物につき注意が必要です!】
<監修医師 WASHIO>
酢酸とは、お酢に含まれる酸味の元となる成分です。では氷酢酸というのをご存知でしょうか?ただの酢酸と何が違うのでしょう。どちらも、食品添加物として加工食品に使用されたり、医療添加物としてお薬に含まれている成分です。
今回は、酢酸と氷酢酸の違いについてまとめていきたいと思います。お酢と聞けば、私たちにとって身近な存在です。しかし酢酸は意外にも危険物として取り扱いには要注意の成分なんです。
酢酸と氷酢酸の特徴や用途などを含めて3分で解説しちゃいます!
氷酢酸と酢酸の違い
酢酸は酸味成分
酢酸とは、調味料の一つ、食酢に含まれる酸っぱさの元となる酸味の主成分です。ツンとくる刺激臭が特徴の弱酸で、無色透明の液体です。自然界では花や腐敗した果実などに生息している酢酸菌という微生物が生成する有機酸として存在しています。
天然由来の製法では、様々な有機酸の中から酢酸のみを抽出することが困難です。そのため高濃度の酢酸は、エタノールを原料とした化学合成で生成します。
酢酸は水溶性です。食酢は酢酸を水で薄めた水溶液であり、純度が90%以上の高含量の酢酸は、気温が下がると固形になる性質を持っています。この性質から氷酢酸と呼ばれます。
その他の酸性の成分についてはこちらも参考にして下さい。
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酢酸=氷酢酸
酢酸も氷酢酸も質的には変わりなく、その違いは希釈されているかどうかにあります。高濃度の酢酸は酸がきつ過ぎるため、水で薄めて使うのです。
酢酸水溶液は、その酸性を利用して殺菌や防腐剤、トイレのアンモニア臭を中和する洗剤や消臭剤など、様々な物の原料になります。私たちの身近にある酢酸は5〜30%に希釈されたものがほとんどです。
氷酢酸、酢酸の用途を知ろう
氷酢酸の用途
氷酢酸は、99%以上の高含量のほぼ無水状態で食品添加物として使用されます。酸性のpH調整剤として保存料、酸味料、香料、香辛料抽出物の目的で、加工食品に含まれるのです。
また、医療添加物としても使用されます。点滴や注射剤のpH調整として用いたり、皮膚軟化剤としてウオノメやタコの治療に使用されます。また、親水ワセリンと混ぜてアトピー性皮膚炎に塗布する軟膏を調製するための試薬としての用途もあります。
pH調整剤についてくわしくはこちらを参考にして下さい。
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酢酸の用途
氷酢酸は酸がきつ過ぎます。希釈しても効果があるため、掃除や料理で用いる場合には5%濃度希釈で十分とされています。
ちなみに、酢酸は30%濃度酢酸としてドラッグストアなどで購入できます。これでも濃いため、使う前に6倍に薄め、食酢相当の安全な5%水溶液にしておくと便利です。
例えば、山菜の苦みや渋み等のアク成分は、真水やお酢による酢抜きなどの下ごしらえで除去することができます。また酢漬けにより野菜などの色を鮮やかにしてくれる効果もあります。保存食にも使用されます。
また、衣類を染める染料の色止め剤としても酢酸が使われ、色落ちを防いでくれる効果もあります。
氷酢酸、酢酸は危険物につき要注意!
氷酢酸は取り扱い要注意!
氷酢酸はその臭いや刺激の強さに要注意です。取り扱い上の注意をきちんと守って使用する必要があります。
15度で凝固し結晶塊となりますが、液体の状態では揮発性が高く、その蒸気は目や呼吸器を刺激するので、マスクを着用し、排気に気をつけなければなりません。
また、腐食性があり、皮膚や目に付着すると水疱や熱傷ができ大変危険なので、使用の際はゴム手袋の着用も必要です。
そして、引火点が39度で、引火性も高く、直射日光や火気、高温を避けて保管しなければなりません。また、強酸化剤、強塩基などの薬物と激しく反応して発火するため注意が必要です。
家事に使用する様々な道具が肌に与える影響についてはこちらを参考にして下さい。
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酢酸は薄めれば危険性は弱まる
酢酸は水に薄めていくことで危険性は弱まります。
今回は、酢酸と氷酢酸の違いについてまとめました。酢酸の性質や意外な用途、そして氷酢酸との違いについて詳しく知ることができたのではないでしょうか?
酢酸は私たちにとって、掃除や料理に欠かすことのできない必需品ですよね。ドラッグストアでも酢酸として購入できますし、自分で薄めて使っている人も多いでしょう。
しかし、高濃度の酢酸になるほど取り扱いに注意しなければいけません。化学反応を起こす化合物ですので、他の成分と混ぜると危険であることを覚えておいてください。
正しく理解して酢酸を有効に使っていきましょう!
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