湿布でかぶれた時の5つの治し方【この薬を試してみて】
<監修医師 WASHIO>
筋肉痛やねんざ、打ち身や肩こりなど、いろんな場面で重宝する湿布ですが、かぶれるのが困ります。
ひどい症状が出る人になると、皮膚が赤くなるだけに止まらず湿疹や膿をふくんだ水疱などがでる場合もあります。
かぶれにくい湿布はないものか。そう思っている方は多いと思います。湿布のかぶれについての情報をいろいろ、湿布のかぶれの治し方もあわせてお伝えします。
湿布によるかぶれの治し方
湿布を貼ったらかゆくなった。そのうちひりひりして痛くなったのではがしてみたら、赤くなって水ぶくれになっていた。これが「かぶれ」です。
かぶれは刺激物により引き起こされるアレルギー反応の一種です。かぶれてしまった。早く治したいのですがどうすればいいのでしょうか。
原因物質を排除する
湿布の薬剤がかぶれを起こした可能性が高いので、まずはそれを取り除くことです。
すぐにはがしてしまい、薬剤を洗い流してあとを清潔にしておきます。洗剤・石鹸は使わないほうが無難です。
ぬるま湯などで、強くこすったりせずそっと洗い流してください。
炎症への対処
皮膚に炎症が起こっているのがかぶれなので、その炎症を鎮めます。ステロイド剤の塗り薬が有効でよく使われます。ステロイドを敬遠する方もいますが、連用・乱用せず一時的な使用なら問題ありません。
薬剤師に使用法を確認してから使ってください。ステロイド剤は炎症に直接作用するので、赤みやかゆみにもよく効いて早く治せます。
【関連記事】
リンデロンvg軟膏の副作用について!こんな人は気を付けて!
なお、あかぎれなどに使用されるオロナイン軟膏はかぶれによる炎症には効果がありませんので注意が必要です。
患部の保護
患部は清潔に保ち快復を待ちます。かゆくても掻いてはいけません。通気性のいいガーゼなどで覆ったほうがいいでしょう。
睡眠中は触らないよう軽く包帯などで保護してください。
入浴はかまいませんが、長湯して患部を温めすぎるとかゆみが出たり、炎症が悪化するおそれがあります。かぶれの症状が出ている期間のお風呂は注意してください。
冷やす
患部は炎症を起こしているので、かゆみが強い、痛みがあるなどの症状があるのなら冷やして炎症を抑えます。
直接氷を当てたりしてはいけません。小さい保冷剤をハンドタオルなどでくるみ、患部に当てます。
長時間にならないよう、痛みなどが軽くなったらやめてください。
またかぶれた患部に内出血が見られる場合(紫色の斑点が皮膚に浮かび上がっているような場合)は、冷やすよりも温めた方が効果があります。
内出血が起きているのか判断がつかなければ病院で診察を受けましょう。
病院へ
炎症部分が赤く腫れて熱を持っていたり、薄皮がはがれたり、体液がじくじくと滲んでいたらかなりの重症です。自力で対処するのはやめにして、皮膚科へ行きましょう。
この状態でも治るのに数日、一週間ちかくかかるでしょう。感染症でも引き起こしたらもっと治りにくくなります。早めの決断が大事です。
治療期間については医師の指示通りの行動を心がけましょう。
せっかく診察を受けたのに、自己判断で医師の指導を守らなければ、治療期間は長引いてしまいます。
湿布かぶれにオススメな薬
湿布かぶれには、塗り薬が最適です。ステロイド軟膏が一般的ですが、皮脂を補う目的でワセリン軟膏も使われます。
皮膚の炎症は早く直さないと組織が壊死、黒くなる範囲が広がります。そのためにも効果が速く現れるステロイドが使われます。
どんな種類があるのか、リストアップしてみました。市販薬もありますので病院で治療する時間がない場合は重宝します。
アンテベート軟膏 リンデロンvg軟膏
ステロイド系の薬剤の中では作用の強力な薬です。腫れや炎症には強い効き目があります。両方とも医師の処方箋が必要です。
【関連記事】
リンデロンvg軟膏は市販されてない!代わり市販薬はコレ!
ベトネベートN軟膏
リンデロンと同じ成分を使い同程度の強い効力を持ちますが、これは一般の薬局で買えます。ステロイド剤に抗生物質を添加して、感染症にも対応させたものです。
【関連記事】
べトネベート軟膏の7つの効能!陰部に塗っても平気?
オイラックスPZ軟膏 ロコイダン軟膏 リビメックスコーワ軟膏
いずれもよく似た作用を持つステロイド系の軟膏で、市販品です。皮膚に吸収されると活性が低い物質に変わり、分解の早いのが特性で副作用が少ないとされます。
フルコートF軟膏
ステロイドの抗生物質を加え、炎症の悪化を防ぎます。効力は強いです。
ドルマイシン軟膏
抗生物質主体の炎症治療薬です。感染症やニキビ治療薬として使われていますが、皮膚の通常炎症にも有効です。市販されています。
また顔に使用しても平気ですので、顔に出来た湿疹にも使用できます。
ロコイダン軟膏
ステロイド剤です。殺菌成分や抗生物質は含みませんので薬剤副作用の心配が少なくなります。効力はやや弱くなりますが、刺激もおだやかです。
湿布でかぶれない為の対策
かぶれてしまってから対策を考えるより、できればかぶれないほうがいいですね。予防するためには、湿布の使い方を考える方法と、湿布そのものの性質を考える方法があります。
清潔
貼る前に皮膚を洗ったり、汗をふき取ったりして清潔にしておきます。かぶれの原因である汗や雑菌を減らしておくためです。
貼り替え
長い間貼っておくと汗をかきかぶれの原因になるので、2~3時間ではがして汗をふき取り、30分から1時間おいてからまた貼る という使い方をします。
同じ目的で、短時間ではがして貼り替えるのですが、貼る位置を少しずつずらして貼りかえます。長時間同じ部分が貼った状態になるのが防げます。
外出注意
光触媒過敏症の原因となるケトプロフェンを含む湿布薬は、紫外線を防ぐために、はがしてすぐに外出しないなど、戸外ではがさないように注意します。
また湿布かぶれによる皮膚のトラブルは、紫外線にあたることで色素沈着を引き起こします。万が一湿布による皮膚のかぶれが起きた場合、患部を紫外線に晒さないように覆うようにしましょう。
また自然治癒でかぶれを治そう!とお考えの方も、色素沈着による跡が残ることを防ぐために紫外線対策には十分、気を付けた方がいいでしょう。
湿布を選ぶ
✅市販品ではありませんが、病院でロキソニンテープやモーラステープなどを希望すれば出してくれます。これらはかぶれにくいことで定評があります。
✅ロキソニンテープとモーラステープの比較研究の報告論文(2015年)があり、それによるとロキソニンのほうがよりかぶれにくいとの結果が示されています。
✅テープ剤は粘着力が強いので、はがす時に皮膚表面が損傷しやすくかぶれの原因になる一面もあります。同じ成分ならハップ剤を選びましょう。
✅スプレーやゲルタイプの薬に替えるのも有効です。
✅市販品でも低刺激のものを選ぶ。刺激性の強いインドメタシンの量が少ないものを選ぶようにする。
湿布でかぶれた時の治し方、薬の種類、使い方などを見てきました。
湿布薬にはいろいろな特徴があり、また皮膚も個人差がたいへん大きいので、自分にあったものを選んで使うのがベストでしょう。
当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。