アンテベート軟膏の強さは?顔にも使いたいけど危険か心配
<監修薬剤師 seina akasa>
「アンテベート軟膏」という塗り薬をご存知でしょうか?塗り薬として、有名で便利な軟膏です。
しかし、この効能の秘密は「ステロイド剤」
このステロイド剤は便利ですが、使用方法を間違えると副作用が起こる原因にもなります。
肌や健康トラブルを起こさないように、アンテベート軟膏の正しい知識と使い方を知りましょう。
アンテベート軟膏はこんな症状に効果的
アンテベート軟膏はどんなもの
そもそも「アンテベート軟膏」とはどんなものでしょうか?
ヒフの炎症等でヒフ科を受診すると、よく処方される薬の一つです。
軟膏のほかにもローションやクリームタイプのものがあります。
また、アンテベート軟膏は先発薬のため、この薬のジェネリック品も沢山出ています。
アンテベート軟膏はこの症状に効く
ヒフの薬として有名なアンテベート軟膏。この軟膏にはどのような症状に効くのでしょうか?
アンテベート軟膏はヒフの炎症を抑える働きがあります。
ヒフの赤みやかゆみ、はれなどのヒフ全般の症状を改善してくれます。
主に湿疹(しっしん)や乾癬(かんせん)、アトピー性皮膚炎などの治療に使います。
また、症状に対しての治療薬で、根本的には治りませんが、かきむしりなど症状悪化による、ヒフ環境の悪循環を防ぎ、ヒフを良い状態に保ってくれます。
症状によっては比較的早く効果が現れる薬です。
アンテベート軟膏の強さや副作用
アンテベート軟膏の強さはどれくらい?
「強さ」というのは、アンテベート軟膏に含まれる「ステロイド」の強さです。
このステロイドの強さは1~5の5段階でランク付けされています。ちなみに1が最も強く、5は一番弱いという順番です。
段階ごとによって、使用期間や場所が違ってきます。アンテベート軟膏のランクは「2」。2のランクは「VeryStrong」。
つまり「非常に強い」分類に入ります。
外用薬のため、内服薬と比較すれば、ステロイドの吸収率は低くなります。
しかし、医師の処方を守らないと、症状の軽減ができず、副作用が起こる可能性もありますので、使用方法等について理解しておきましょう。
アンテベート軟膏よりも弱めの軟膏であるリンデロンVG軟膏については以下の記事で詳しく解説しています。
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「ステロイド」とは?
「ステロイド薬を使っていると、体に副作用がおきる。」
このような話は、よく聞く話ですが、そもそもステロイドとはどのようなものかご存知ですか?
ステロイドとは、体から出ているホルモンの一つで、腎臓の上にある副腎の「副腎皮質」から出ているホルモンです。
つまり、毎日体の中で、このホルモンは作られています。
主な働きは2つ。
✅抗炎症作用・・・体の炎症などを抑える
✅免疫抑制作用・・・「免疫」というのは、花粉やほこり、細菌など体にとって有害だと判断されるものに対して、特異的に結合する抗体というものを作り、この異物を排除する役割です。ステロイドはこの免疫を抑制することで、免疫反応に伴って発生する炎症性物質による炎症を抑える働きがあります。
強い炎症や局所のアレルギー症状を抑えてくれるステロイドは有効な治療方法の一つです。
しかし、使用方法等を間違えてしまうと皮膚の状態が悪くなったり副作用を起こす危険性があります。
このことが、ステロイド剤を危険視してしまう原因だと考えられます。
アンテベート軟膏の副作用
ステロイドの働きを知ったところで、では、どんな副作用が起こるのでしょうか?多いのが「ステロイド皮膚症」です。
この病気は、皮膚が白くなったり、薄くなって静脈が見えるようになる。
顔の塗布した部分がほてって赤くなる(ステロイド酒さ)。しわができるなどといった症状が現れます。
必要以上に強いステロイドの長期使用などで起こりやすくなります。
また、大量又は長期の使用などで下垂体や副腎皮質系の機能を抑制する可能性があるので注意が必要です。
アンテベート軟膏は顔やニキビに使って大丈夫?
ニキビには効くのか
アンテベート軟膏は特効薬に優れた薬だと紹介しました。
ヒフの症状で一番多いのは「ニキビ」ではないでしょうか?
ヒフの症状全般に対して効くのならニキビも効くはず…と思っていませんか?
そもそもニキビは、アクネ菌によって炎症を起こしているものです。そのため、アクネ菌による炎症作用にたいしては有効です。
しかし、強力な炎症作用とともに、抵抗力を弱めてしまうのです。
そのため、より細菌などに感染しやすくなり、改善どころか悪化してしまう可能性もあります。アクネ菌に対しては有効な抗菌剤の使用が必要になります。
ですから、少なくともアンテベート軟膏を単独でニキビに使うのは適切でないと言えます。
顔には塗っていいの?
顔はステロイドの吸収率が高く、ステロイド酒さのように顔に出やすい副作用もあるので、アンテベート軟膏の顔への使用には注意が必要です。
特に、瞼の皮膚部分への使用は緑内障や白内障などを起こす可能性があります。
強力な薬ですので、医師からの指示がない限り、顔に塗ることはやめましょう。
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アンテベート軟膏は優れた薬でもある反面、強力な薬で使い方を誤ると副作用を起こしてしまいます。
効果を実感するためにも、医師からの説明をしっかりうけ、正しい処方を行いましょう。
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